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2015-03-25

ソース(記事原文):米国神経学会プレスリリース

てんかん薬が多発性硬化症の人の失明を防ぐかもしれない

米国神経学会プレスリリース(2015年3月25日) ―ワシントンDC ‐ てんかん発作予防のために一般的に使用されている薬が、意外にも多発性硬化症(MS)の失明を予防するかもしれないことが、2015年4月18日から25日までワシントンDCで開かれた米国神経学会の第67回年次総会において発表された。

「MSを患ったことのある約半数の人が、視覚を脳に送る神経が炎症を起こす急性視神経炎を経験しています」と語るのは、イギリスはロンドンにある英国立神経学神経外科病院の医学博士であり、研究著者のラジ・カプール医師。「それは突然、完全または部分的な失明や霧視、痛みなどを引き起こす原因になることもあるのです。例え少しずつ視力が回復したとしても、いずれの発病も神経や眼に損傷を与えます」。

研究では、2週間以内に急性視神経炎を起こした人を無作為に86人選び、3ヵ月にわたりてんかん薬のフェニトインまたはプラセボ薬(ニセ薬)を服用してもらい、調査開始時および6ヵ月後に医療用画像を用いて、光を感知する神経膜である網膜の厚さを測定した。

すべての検査対象者の視覚(視力および色覚を含む)を検査した結果、フェニトインを服用したグループではプラセボ薬を服用したグループと比較して神経線維層の損傷が30%少ないことがわかった。また網膜でいちばん光に敏感な黄斑の量は、プラセボ服用者よりも実に34%高かった。当初の期待どおり、一度の発作後は患者の視力は順調に回復し、長期的な視力の経過には2つの治療グループの間には顕著な相違は見られなかった。

「仕事、運転、社会活動への参加など、生活の中の重要な面で視覚は極めて重要なのです」とカプール医師。「もし今回の結果がより大規模な研究で証明されれば、多発性硬化症における神経損傷や失明の予防だけでなく、そのほかの発作など、いまだに満たされていない大きな要求に貢献する助けになるかもしれません」。

この研究は全国多発性硬化症協会、英国および北アイルランドの多発性硬化症協会、ノバルティスによる無制限の助成、保健研究臨床研究ネットワーク財団、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン病院細胞療法研究センターの支援による。多発性硬化症についてさらに詳しく知りたい場合は、 www.aan.com/patientsを参照のこと。

2万8000人以上の神経学者および神経科学専門家を有する米国神経学会は、患者中心の最高の神経学的治療を目指している。なお神経学者はアルツハイマー病や発作、片頭痛、多発性硬化症、震とう、パーキンソン病、てんかんなど脳や神経系の障害における診察、治療、管理を専門とする医師である。


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