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2015-12-01

ソース(記事原文):Cornell Chronicle

アスピリンが持つ病気と闘う能力を研究が明らかに

【Cornell Chronicle】(2015年12月1日)

アスピリンはもっとも長い歴史を持ち、また一般的に広く使用されている薬のひとつだが、科学者や医者にとってその健康に有益な効果を説明することは難しい。

ボイス・トンプソン研究所(BTI)の研究者による最近の研究では、アスピリンの活性代謝物であるサリチル酸が、幅広い種類の病気と関係している炎症性たんぱく質のHMBGIを阻害することを発表した。この結果は、アスピリンが持つ治療学的性質の多くを明らかにし、またさらに強力なアスピリン様薬が開発される可能性に対する希望をもたらすかもしれない。この研究は、9月23日発行の分子医学ジャーナルで発表された。

「私たちが確証したのは、体内におけるアスピリンの活性体の極めて重要な標的がサリチル酸であることです。このたんぱく質、すなわちHMBG1は、リウマチ性関節炎、尋常性狼瘡、心臓疾患、敗血症、大腸がんや中皮腫などの炎症関連性のがんなど、多くの一般的で深刻な病気と関係しています」と語るのは、コーネル大学およびBTIのダニエル・クレッシグ教授。

アスピリンの鎮痛作用は長きにわたり、炎症と痛みを引き起こすホルモン様化合物であるプロスタグランジンを生成するシクロオキシゲナーゼ酵素の1と2を阻害するためだと考えられており、この発見によりジョン・ベーン博士はノーベル賞を受賞した。アスピリンは体内で急速にサリチル酸に変換されるが、このサリチル酸はアスピリンほどシクロオキシゲナーゼ1と2の阻害薬としての効果がない。とはいえ、サリチル酸はアスピリンと似た薬理作用を持ち、ほかのたんぱく質と相互作用をする可能性があることを示唆している。

「サリチル酸は人間の健康にとってとてつもなく大きな恩恵をもたらすことから、“ビタミンS”と呼ぶべきであると提案する科学者がおり、私もそれに同感しています」とBTIの研究員であるヒョン・ウーチョイは言う。

最近の研究において、研究者たちがサリチル酸に結びついているたんぱく質を見つけるためにヒトの組織培養の抽出成分を検査したところ、サリチル酸とHMGB1の相互作用を発見し、そしてそのたんぱく質のひとつがHMGB1であることを特定した。さらにこれらの研究では、アルツハイマーやパーキンソンのような神経変性病における重要な容疑者に加え、今のところまだ特徴づけされていない約24の対象物についても確認した。

体内では、通常HMGB1は核の中にみられるが、傷害組織から放出されたり、特定の免疫またはがん細胞により分泌されたときは血液中に入ることもある。血中のたんぱく質は感染予防や損傷組織の修復に関与している免疫細胞を利用することで炎症の引き金となる。さらにHMGB1は、サイトカインと呼ばれる炎症誘発性細胞内信号伝達たんぱく質の遺伝暗号を指定する遺伝子を発現させるためにこれらの免疫細胞を活性化する。

体内におけるサリチル酸とHMGB1の役割の相互作用をさらに調査するためにクレッシグ教授は、HMGB1が炎症の引き金になることを最初に発見したイタリアのミラノにあるサン・ラファエル大学と調査研究所に在籍するマルコ・ビアンキ教授と共同で研究を行なった。サリチル酸が持つ免疫細胞の漸増と活性化の効果を測定した分析を使用し、研究者たちはサリチル酸が低用量のアスピリン服用のヒトに見られるのと同じくらいの濃度でこれらの機能の両方を遮断する可能性があることを証明した。

「多くの病気でみられるように、体が自分自身の細胞に対して損傷をもたらすような状況にHMGB1が関係していることを発見しました。後から考えると、ごく一般的な抗炎症合成物質がごくありきたりな炎症の引き金を遮断するのは、ほぼ疑う余地がありません」とビアンキ教授は語る。

さらにクレッシグ教授は、サリチル酸がHMGB1に結合するのを確認し、その結合部位を特定するために、ラトガース大学の生物物理学者であるガエターノ・モンテリオーネ博士と手を組んだ。

クレッシグ教授のグループはBTIの准教授であるフランク・シュローダー教授と協力して、HMGB1の炎症性反応活動を遮断するという点においてサリチル酸やアスピリンよりも50-1000倍有効な2つのサリチル酸派生物を特定した。

「これらの派生物の分析により、サリチル酸を適切に改良することでHMGB1との相互作用力を高めることができ、新しいアスピリン様分子の合理的設計に対して基盤を提供することができる可能性が明らかになったのです」、と、モンテリオーネ博士は語った。


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