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2013-09-26

ソース(記事原文):ボルチモア・サン紙

イブプロフェンが関節炎患者のうつ病を緩和する可能性

ボルチモア・サン紙(2013年9月26日) ― キャスリン・ドイル(Kathryn Doyle)著

ニューヨーク(ロイターヘルス) - 痛みを伴う軟骨疾患を有する人は、一般的な鎮痛剤を服用すると、うつ症状にも若干効果を得られる可能性のあることが、新たな研究で示唆された。

うつ病は変形性関節症患者で2倍以上多くみられ、手、腰、膝などの関節における軟骨がすり減るときに起こる。

米国疾病対策予防センター(CDC)によれば、2,700万人ものアメリカ人が変形性関節症に罹患している。これらの患者は、痛みを抑えるために、イブプロフェンまたはナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を服用することが多い。

ニューヨークのマウントサイナイ医科大学(Mount Sinai School of Medicine)に属する主著者マイケル・ファーコウ(Michael E.Farkouh)博士は「今回の研究で、抗炎症薬がうつ病の支障度を軽減するのに関与しうることが示唆される」と語った。

同氏らのチームが実施した研究は、一般用医薬品NSAID(市販品)ならびにファイザー(Pfizer)社製造のNSAID処方薬セレブレックスを検討した5件の先行試験のデータを対象としている。セレブレックスの結果はファイザー社から提供された。いずれの試験でも、変形性関節症患者は、いずれかの薬剤のうちの1つを6週間投与される群と、薬剤の入っていないプラセボ錠剤を投与される群に無作為に割り付けられた。

試験に参加したのは抗うつ薬を服用していない約1,500人で、複数のうつ病質問票などに回答した。

医学誌アメリカン・ジャーナル・オブ・メディシン(American Journal of Medicine)に掲載された結果によれば、プラセボを含む各治療群の患者は、試験終了時の方が試験開始時よりもうつ症状が軽くなったと報告する傾向があった。

ただし、0~27の尺度で測定したうつ病スコアは、プラセボ群と比較して、一般用医薬品NSAID群でスコアの減少幅が0.3大きく、セレブレックス群では0.6大きかった(数値が高いほど重症度も高くなり、スコアの低下が改善を意味する)。

関節炎患者の試験開始時における平均うつ病スコアは3であり、うつ病と診断される閾値10を大きく下回っていた。

ノッティンガムの関節炎研究所英国疼痛センター(Arthritis Research UK Pain Centre)の責任者デイビッド・ウォルシュ(David A.Walsh)氏は「うつ症状と慢性痛との関連性は複雑で重要なものである」としている。

うつ病の診断に用いられる調査回答は、時に身体的痛みによって説明できることがあり、それが結果の解釈を難しくさせる。

例えば、入眠・熟睡困難や集中力の欠如は、うつ症状か、もしくは痛みが原因で起こる症状のいずれかである。

研究者らはそのことを加味しようと試みたが、痛みが気分に与える影響を完全に解き放つのは困難である、とウォルシュ氏はロイターヘルスに宛てた電子メールで語った。したがって、NSAIDがうつ病に及ぼす見かけ上の効果は、単に変形性関節症の痛みが軽減したことによる可能性がある、と同氏は述べている。

ウォルシュ氏によれば、今回の研究は、少なくとも1種類の鎮痛剤が、変形性関節症患者におけるうつ病の軽減に役立ちうるという科学的根拠をいくつか提示するものである。また「NSAIDが鎮痛作用とは関係なく、気分に直接影響を及ぼしうるのかどうかに関する興味深いメカニズムの疑問を提起している」

とはいえ、以上の結果に基づくと、変形性関節症とうつ病を併発した人に、うつ病を軽減する目的で、NSAIDを選択的に投与する必要はまだない、と同氏は述べている。

研究者らによれば、関節炎痛に対してNSAIDを推奨または処方する際、医師は既存のガイドラインに従うのが望ましい。

ファーコウ氏は、炎症がうつ病の一因であるのかどうかを知るには、さらなる研究でNSAIDとうつ病との因果関係を調べる必要があるとしている。

同氏は、今回の研究で認められたうつ症状の平均変化は、患者が日常生活で気づけるほどのものではないが、おそらく一部の人では認識できる場合もあるという。「それを解明するために今後さらなる研究を続けていく必要がある」と続けた。

出典: http://bit.ly/193NMXM      医学誌アメリカン・ジャーナル・オブ・メディシン(American Journal of Medicine)2013年8月30日号オンライン版


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