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2013-09-05

ソース(記事原文):サイエンス・デイリー

オキシトシン経鼻吸入が相貌失認を改善

サイエンス・デイリー(2013年9月5日) ― ホルモン剤オキシトシンを吸入すると、相貌失認(失顔症)が一時的に改善する可能性がある。

この研究結果は、ボーンマス大学(Bournemouth University)顔認識障害センター(Centre for Face Processing Disorders)のセーラ・ベイト(Sarah Bate)氏とレイチェル・ベンネット(Rachel Bennetts)氏が主導したもので、レディング大学(University of Reading)で開催される英国心理学学会の認知発達に関する年次総会で9月6日金曜日に発表される予定である。

ベイト氏の説明によると「相貌失認は顔の認識ができない重度障害を特徴としており、家族や友人の顔のほか、自分自身の顔さえも特定できない」という。

本研究は相貌失認者10人と対照者10人の計20人(成人)を対象に検討された。各被験者には研究室へ約2週間間隔で2回来診してもらうこととした。初回来診時、オキシトシン点鼻薬を吸入させ、2回目来診時はプラセボ噴霧剤を吸入させた。この2種類の噴霧剤は、外部の製薬会社によって同一の瓶に入れて製造されたもので、データが分析されるまで、被験者と研究者には噴霧剤の中身がどちらであるか知らせなかった。

どちらの噴霧剤を吸入したかに関わらず、試験治療は同一形式で行われた。噴霧吸入後、効果が発揮されるように45分間静かに座ってもらった。その後、2つの検査を行うこととし、1つは他人の顔を記憶する能力検査、もう1つは同一人物の顔を特定する能力検査とした。

研究者らが明らかにしたところによると、相貌失認を有する被験者はオキシトシン投与下で、両方の顔認識検査においてスコアが上昇した。興味深いことに、対照者には改善が認められず、顔認識システムに障害のある患者でホルモン効果が大きいことが示唆される。

相貌失認を有する被験者10人は先天性の相貌失認であった。先天性相貌失認を有する人は脳損傷を受けたことがなく、このタイプの相貌失認は50人に1人の割合でみられ、とても多いと考えられている。脳傷害後に相貌失認になる人は、はるかに稀である。後日、本研究者らは後天性相貌失認を有する患者1名を検査する機会があり、同患者でもオキシトシン吸入後に大きな改善が認められた。

ベイト氏は「今回の研究は、先天性または後天性の相貌失認を有する人においてオキシトシンを使用すると顔認識が一時的に改善しうるという初の科学的根拠を提示するものである。このホルモン効果は2~3時間持続すると考えられ、特別な日に顔認識を改善するため点鼻薬が使える可能性がある。しかしながら、ホルモンの長期吸入に関連する有益性またはリスクの有無が現時点では分かっておらず、今後さらに多くの研究を続行していく必要がある」と語った。


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