喘息(ぜんそく)・気管支炎・呼吸器 - このカテゴリーに関連するニュース・情報

下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。

2015-02-23

ソース(記事原文):HCPライブ

チオトロピウムはアレルギー状態を問わず肺機能を改善する:研究報告

HCPライブ(2015年2月23日) ― エイミー・ジャコブ(Amy Jacob)著

軽度・中等度・重度の喘息を呈し、維持療法を行っても症状が続く成人患者において、チオトロピウム含有の噴霧器レスピマット(Respimat)の治療を追加すると、肺機能が有意に改善した。この結果は、テキサス州ヒューストンで開催された2015年米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI) 年次総会で、ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim)社の研究者らによって発表された。

GraziaTinA試験の新規データから、チオトロピウム含有レスピマット治療を追加すると、根底にあるアレルギー状態に関係なく、良好な結果が示された。これは一秒率(FEV1 (o-3hr))及びトラフFEV1における最高呼気流量により判断された。

ネブラスカ州オハマのボーイズタウン研究所病院(Boys Town National Research Hospital)に所属するケヴィン・マーフィー(Kevin Murphy)博士は「利用可能な治療を施しても、喘息患者の多数で症状の継続がみられるので、患者のアレルギー状態がどのように治療反応性に影響し得るのか理解することが重要となる。今回のデータでは、根底にあるアレルギー状態と関係なく、広範囲の重症度を呈する成人喘息患者において、レスピマット吸入器を介したチオトロピウムを追加することで肺機能が改善されることが示されている」としている。

長時間作用型β刺激薬(LABA)の併用下又は非併用下で、吸入ステロイド薬(ICS)などの既存の維持療法を行っても、喘鳴、息切れ、胸部絞扼感、咳などの症状が、依然として生じる喘息患者を対象に、1日1回のチオトロピウムによる追加治療の成功率を評価するため、3,480人を対象とした試験が実施された。

長時間作用型β刺激薬(LABA)併用下又は非併用下の吸入ステロイド薬(ICS)に加えて、チオトロピウム5 μg又は2.5 μgあるいはプラセボのいずれかを投与する5件の試験に被験者を無作為に割り付けた。

患者のアレルギーの有無を判断するため、主に3つの診断基準を用いた:1)総血清免疫グロブリンE(IgE、430μg/L [179.2 IU/Lに相当]以下)、2)血中好酸球(0.6×109/L以下)、3)研究者の判断(無/有)。

本研究者らによれば、追加の基礎療法(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、鼻腔ステロイド、オマリズマブなどの治療)を受けることも許可された。また、最も多く報告された有害事象は、喘息、気管支炎、最大呼気流量の低下、頭痛、鼻咽頭炎、上気道感染症であった。

以下の第III相試験が解析対象となった。

・ 高用量ICSとLABAの併用投与時に症状が続いた重症喘息患者を対象とした2件のPrimoTinA-asthma試験(NCT00772538/NCT00776984)

・中等用量のICS投与時に症状が続いた中等度の喘息患者を対象とした2件のMezzoTinA-asthma試験(NCT01172808/NCT01172821)

・低用量ICS投与時に症状が続いた軽度喘息患者を対象とした1件のGraziaTinA-asthma試験(NCT01316380)

今回の結果から、アレルギーの状態を問わず、レスピマット吸入器を介したチオトロピウムの併用時に、プラセボと比較して、ピークFEV1(0-3hr)及びトラフFEV1が有意に改善したことが明らかとなった。

ベーリンガーインゲルハイム社臨床開発・医療推進部呼吸器部門の部長ダニー・マックブライアン(Danny McBryan)博士は「今回のデータは、利用可能な喘息治療を行っても症状が続く患者において、維持療法にチオトロピウムを追加した場合の安全性及び有効性への理解を深めるものである」と締めくくった。


この記事に関連するくすり屋さん取扱商品

- チオーバ・インヘラー (臭化チオトロピウム) 9mcg (200回分) (1スプレー缶) 2680 円

- チオーバ (臭化チオトロピウム) 18mcg (15カプセル) 1280 円

- スピリーバ (臭化チオトロピウム) 18mcg (30カプセル) 14970 円