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2011-11-15

ソース(記事原文):バルチモア・サン

メタンフェタミン乱用に対する抗うつ薬における有望な初期結果

バルチモア・サン(2011年11月15日)― エイミー・ノートン(Amy Norton)著

ニューヨーク(ロイターヘルス) - 抗うつ薬ミルタザピンは、少なくとも短期的に一部のメタンフェタミン中毒者の薬剤使用を抑制するのに役立つ可能性のあることが小規模試験で示唆された。

依存性の高い刺激物質メタンフェタミンは、鼻・口から吸引したり、注射や経口投与したりすることが可能である。現在、メタンフェタミン依存症の治療に認可されている薬剤は存在しない。

対照的にヘロインやアルコールなどの乱用物質の場合、中毒の軽減に役立つ薬剤が存在している。

サンフランシスコ公衆衛生局(San Francisco Department of Public Health)のグラント・コルファクス(Grant N. Colfax )氏は、「メタンフェタミン依存症に対する標準治療は薬物カウンセリングとなっているが、我々が期待する成功からは程遠いもので、改善の余地がまだたくさんある」と述べている。

国立薬物乱用研究所(National Institute on?Drug Abuse)から研究助成を受けた試験で、同氏らは、メタンフェタミン依存症の治療を望んだ同性愛者または両性愛者の男性60人を対象にミルタザピン(レメロン)の有効性を検討した。

メタンフェタミンの乱用が男性との性交渉を持つ男性に特有の問題であるとみなされているのは、この薬物作用に「脱抑制」および性的リスク行為がみられるからである。また、同性愛者・両性愛者の男性におけるメタンフェタミンの使用は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染リスクの増加にも関連している。

コルファクス氏率いるチームは、患者を12週間の薬物カウンセリング単独群、またはカウンセリングとミルタザピンの併用群のいずれかに無作為に割り付けた。ミルタザピン投与群では、試験終了まで、最近のメタンフェタミン使用について検査したところ陽性例が少ない傾向があった。

ミルタザピン投与群では、尿中薬物検査での陽性例が試験開始時73%であったのが、12週間後は44%となった。これに対し、カウンセリング単独群では、ほとんど変化がなく、陽性例は開始時67%であったのが、12週間後63%となった。

コルファクス氏は「我々は慎重ながらも楽観的である」としており、本試験は小規模であるため、より大規模かつ長期的な研究にて追跡調査する必要があると指摘した。

残された大きな疑問は、ミルタザピンの効果がどのぐらい長く継続するのかである。

同氏は「メタンフェタミンを絶つために、薬剤投与を続ける必要があるのだろうか」と疑問を呈しており、「患者が投薬中のときに観察していたため、その点が分かっていない」としている。

今回の結果で有望視されるのは、抗うつ薬を投与する男性では危険な性行為もまた減少することだ、とコルファクス氏は話す。

ミルタザピン投与群では、ここ1ヵ月間の性交渉相手(男性)数が、試験終了までに平均約12人から3人に減少した。同群では、無防備性交の報告事例も少なかった。

いくつかの試験で、メタンフェタミン依存症の治療に異なる抗うつ薬が検討されているが、これはメタンフェタミンに「高揚」を起こさせる脳内化学物質と同じもの(一部)に抗うつ薬が作用するからである。しかし、これまでに成功例はいない。

コルファクス氏によれば、同氏のチームがミルタザピンを検討することを選択したのは、メタンフェタミン作用に関与する脳内化学物質の2つ以上に作用するからであるという。同氏は「ミルタザピンはドパミンとセロトニンの両方に働きかける。両方の経路(脳内)はメタンフェタミン依存症では破綻していることが知られている」と説明している。

どの抗うつ薬でもそうだが、ミルタザピンにも副作用がある。主な副作用の1つは体重増加であり、セロトニンを標的としたフルオキセチン(プロザック)やセルトラリン(ゾロフト)などのいくつかの一般的抗うつ薬と比較すると、リスクが高い。

本試験では抗うつ薬(ミルタザピン)群に割り付けられた男性30人中3人に大幅な体重増加(4.54kg~12.25kg)がみられた。ただし、この3人のうち抗うつ薬の服用を中止したものはいなかった、とコルファクス氏は述べている。

抗うつ薬の潜在的副作用として知られる眠気および食欲亢進を報告した被験者もいる。

同氏のチームは、さらなる試験を実施し、メタンフェタミン中毒の治療にミルタザピンを使用した場合の長期的効果だけでなく、成功するとHIV感染症のリスクが低下するのかについても検討する必要があるとしている。

また、メタンフェタミンを絶つには抗うつ薬をどれぐらいの期間投与し続ける必要があるのかを解明することも、治療費を特定するうえで重要となる。ひと月あたりのミルタザピンの平均価格は約45~200ドルであり、これは投与量や、商標名のついた医薬品か、ジェネリック品かによって異なる。


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