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2012-12-05

ソース(記事原文):BBCニュース

乳癌の再発を防ぐにはタモキシフェン使用期間を『倍に延長すべき』

BBCニュース(2012年12月5日)― 10年間のタモキシフェン治療は、現在推奨されている5年間の治療よりも多くの女性の乳癌再発を防ぐ可能性があると、研究者らは述べている。

オックスフォード大学(University of Oxford)の科学者らによれば、治療期間を10年にすると、乳癌の再発および乳癌による死亡のリスクが減る。

彼らはランセット誌(The Lancet)に掲載された論文の中で、このリスク低下は副次的影響のリスクを上回ると説明している。

英国がん研究所(Cancer Research UK)は、今回の研究によって重要な問題に対する答えがより明確になったとの見解を示した。

タモキシフェン錠の服用は、以前から、『ER陽性』乳癌の女性が寛解となった後に数年間続ける日課の1つとなっている。

ER陽性乳癌の成長は女性ホルモンのエストロゲンによって加速するため、タモキシフェンはこのエストロゲンの作用を遮断する。

オックスフォード大学のクリスティーナ・デービス博士(Dr Christina Davies)率いる国際的な科学者グループは、タモキシフェンの継続的使用が乳癌再発の可能性に及ぼす影響について調べた。

彼らが検討対象としたのはER陽性乳癌の女性6,847例で、半数はタモキシフェン使用期間を標準の5年間とし、残りの半数は使用期間が10年となるまで継続した。

結果から、タモキシフェン5年使用群では約25%に乳癌が再発したことが明らかにされた。10年使用群では、再発は21.4%とこれより少なかった。

乳癌による死亡も有意に減少し、5年使用群の15%に比べ10年使用群では12%強であった。

大きな影響

英国だけでも毎年4万人以上の女性が乳癌と診断されており、その大部分は『ER陽性』乳癌である。したがって、両群の差はわずか数%でも、癌が再発する人の数が大幅に減少するということになる。

この論文の著者らは次のように述べている。「今や、ER陽性乳癌に対する10年間のタモキシフェン治療は、治療実施中の最初の10年間だけでなく、治療終了後の次の10年間までも、再発率および乳癌死亡率を大幅に減少させるという優れたエビデンスが存在する。」

タモキシフェンの使用によって一部の患者では副次的影響が現れ、まれなものとして子宮内膜癌がある。しかし、この科学者らによれば、乳癌再発を防ぐ可能性の高まりはこうした影響のリスクをはるかに上回っていた。

ブレイクスルー・ブレスト・キャンサー(Breakthrough Breast Cancer)の方針担当長、ケイトリン・パルフラマン博士(Dr Caitlin Palframan)はこう話した。「乳癌で最も多いタイプがER陽性のため、治療法を改善すること、また既存の効果的な治療法を最大限に活用することは重要です。」

「今回の試験から、一般的な乳癌治療薬タモキシフェンは長期間使用したほうが多くの命を救い、副次的影響の増加も最小限にとどまると示唆されています。そのため、ER陽性乳癌の女性にとってこれはとても良いニュースです。」

そのほかの科学者たちも、10年という期間が治療の標準となる可能性があると話す。

ロンドンがんセンター(Cancer Centre London)のトレバー・ポールズ教授(Prof Trevor Powles)は、今回の研究をはじめ、来年には報告される予定の別の研究も、『治療の変更を知らせてくれる』と話した。

英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence : NICE)は、次の見解を示した。「私たちは、通常、患者がタモキシフェンを服用すべき期間についての勧告は行っていません。特にこの領域ではまだ進行中の試験が複数あるため、服用期間については、医師が自らの専門的判断に基づいて、また患者との話し合いで決定するべきです。」

「私たちはNICEの指針を定期的に見直して、指針が引き続き最新かつ最良の入手可能なエビデンスに基づいたものとなっているか確認しています。そのため乳癌の診断および管理の指針を改訂する際にも、すべての新しいエビデンスを考慮に入れることになります。」

今回の研究に資金援助をした英国がん研究所のマーティン・レドウィック(Martin Ledwick)は、こう話した。「どのくらいの期間タモキシフェンを服用すべきかという問題の答えを、この重要な研究はさらに明確にしています。」

「近年、ER陽性乳癌の治療は複雑さを増しており、アロマターゼ阻害薬を服用する女性もいます。それでも、タモキシフェンの単独処方を受けている女性の治療期間を決定する上で、これらの研究結果が役に立つでしょう。」


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