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2016-11-07

ソース(記事原文):Medical News Today

低オキシトシンが共感低下へと導く可能性

【Medical News Today】(2016年11月7日) ―
ロマンチックな愛着と親子の触れ合いに関与しているホルモンが、共感にも影響しているかもしれないことが新しい研究で発表された。オキシトシン値を低下させる原因となる神経疾患の患者を研究者たちが調査し、この結果にたどり着いた。


オキシトシンは、食欲、喉の渇き、睡眠、気分、性欲など多くの身体機能をコントロールする脳の微小部位である視床下部でつくられるホルモンである。


このホルモンは脳の基部にあり、代謝、身体的成長、性的成熟、生殖など、生命に関わる身体機能を制御する豆粒大の臓器である下垂体により分泌、蓄積される。


恋愛相手や子供、そしてペットと絆を築くときでさえ分泌されることから、オキシトシンは「愛情ホルモン」との異名を持っている。


オキシトシンは生殖を援助し、促進するため、性行為や出産の最中に放出される。また好きな相手を見つめたり、抱きしめたりする際にも分泌される。


この「愛情ホルモン」は、信頼感情を高め、向社会的および道徳的行動を促すため、社会行動をコントロールすることがわかっている。オキシトシンは攻撃性やストレスレベルを低下させる。


この新しい研究は、オキシトシン値の低い患者が共感の課題にどのように反応するかを調べることで、共感とオキシトシンとの間にある繋がりを裏付けている。



オキシトシンで共感が向上

オキシトシン値は共感と関係している。一部の研究はオキシトシンの上昇が認知的共感性を改善し、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ患者の社会的適応に役立つことを示唆している。


自閉症を伴う被験者13人での研究で、患者たちはオキシトシン吸入後にもっとも社会的に協力的な仲間と意思の疎通を示したことを発見し、より信頼感情を得たと報告した。


ほかの研究でも、オキシトシンは情緒的共感を高め、健康的な男性の強化学習を社会的に向上させた。


事実、オキシトシンは積極的な社会環境で学習したことを思い出し、また極度にストレスのたまる状況で学習したことを忘れるよう、選択的な助けをするのかもしれない。



低オキシトシンの神経疾患患者では共感が低減


イギリスのカーディフ大学の研究者たちは、オキシトシンの生産を低下させると思われる疾患を持つ患者を調査した。


調査したのは、中枢性尿崩症(CDI)および下垂体機能低下症(HP)である。CDIでは、オキシトシンに類似したホルモンであり、視床下部でつくられるアルギニン・バソプレシンを体があまりつくり出さない。


HPにおいては、下垂体が充分なホルモンをつくらない。


研究者たちの仮説は二重である。第一に、オキシトシン値はCDIやHPを持つ人では低めであると予期する。第二に、低いオキシトシン値はこれらの患者における共感を低下させるかもしれなと予測する。


カーディフ大学にある神経科学精神保健研究所のケティ・ドーターズの主導による研究チームは、CDI患者20人、HP患者20人、そして健常者15人の合計55人の個体を調べた。


「眼差し認知」課題および「表情認識」課題から成る共感試験の前後に、これらの被験者から唾液を採取した。


これらの試験は、CDIとHP両方の患者でオキシトシン値が低いことを明らかにしたが、統計的に関連づけるほど低くはなかった。


しかし CDI および HP の患者では、共感試験が健常者よりも著しく悪かった。


CDIおよびHP患者では、高度表情認識と注視による「他人の心の読み取り」のいずれもかなり悪かった。被験者たちの表情を認識する能力は、彼らのオキシトシン値によって正確に予測された。


オキシトシン値が最低だった患者もまた、表情認識課題の結果は最低だった。


この研究は、ドーターズと同僚による会議要約として、イギリスの内分泌学協会の年会で発表された。



結果の裏付けにはさらなる研究が必要

「精神的な障害と対立するものとして、医療の結果として低オキシトシン値に目を向けた最初の研究です」とドーターズは指摘している。


「私たちの患者グループの結果は、低オキシトシン値のリスクをもたらす健康状態を考慮することもまた重要であることを示唆しています」と彼女は続ける。


特定の患者においてオキシトシン値を調べる検査の導入をドーターズは提案している。


「下垂体手術を受けた患者、そして結果としてCDIを患う特定の人ではオキシトシン値が低い可能性があります。このことは彼らの感情行動に影響を与える可能性があり、同様に精神的な健康にも影響します。おそらくこれらの場合におけるオキシトシン値検査の導入を考慮すべきでしょう」。


ケティ・ドーターズ


著者たちは自分たち研究が、その研究結果を強化する新しい、類似の研究の役に立つことを願っている。


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