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2012-06-17

ソース(記事原文):EurekAlert!

心房細動:Flec-SL試験が短期の抗不整脈薬治療の有効性を証明

EurekAlert!(2012年6月17日)― 心房細動(AF)は最も頻繁に持続する心臓の不整脈で、ヨーロッパでは数百万人が罹患している。AFは心房の収縮を消失させ、心不全を生じさせる。さらに、脳卒中のリスクの高さに関係がある。脳卒中の5例に1例がAFに起因する。

ほとんどの場合、AFは電気的除細動で治療が成功できるが、残念ながら大多数の患者でAFは除細動を行って数日または数週間後に再発する。これは、心房に電気的な再編プロセスが生じ、患者の再発AFの原因となるからである。抗不整脈薬治療は電気的リモデリングプロセスの一部を食い止め、AFの再発を予防できる。

除細動後、心房は4週間以内に電気的リモデリングから回復することはよく知られている。この期間後のAFの再発はあまり見られないので、抗不整脈薬治療は除細動後の最初の4週間のみ必要になることが示唆される。しかし、通常は長期の治療が行われている。薬物療法の期間を短くできれば(治療の段階的縮小)、治療はより安全でより安価、そしてより多くの患者に適用できる。

そのため、ドイツ心房細動ネットワーク (AFNET: the German Competence Network on Atrial Fibrillation)は無作為化臨床試験を実施し、除細動後の4週間という短期抗不整脈薬治療が、通常の長期治療と同じぐらい効果的にAFの再発を防止できるか否かを調査した(「非劣性試験」)。これは、承認薬であるフレカイニドを用いて評価された。パウルス・キルヒホフ (Paulus Kirchhof)教授(英国・バーミンガム大学 、ドイツ・ミュンスター大学)とギュンター・ブリサード(Guenter Breithardt)教授(ドイツ・ミュンスター大学)が主任研究者として監督を行い、Flec-SL(フレカイニド短‐長)試験が実施された。同教授らは、双方とも欧州心臓病学会(ESC: the European Society of Cardiolog)の分科会である欧州不整脈学会(EHRA: the European Heart Rhythm Association of the European Society)の著名なメンバーである。

2007年5月から2010年3月の間に、600人以上の患者がドイツの44施設で研究に登録した。患者は異なるグループに無作為に割り付けられ、4週間または6ヶ月間フレカイニドが投与された。さらに、対照群では抗不整脈薬による治療を行わなかった。すべての対象患者において、6ヶ月の観察期間中AFの再発を毎日テレメトリー心電図で診断した。

研究データの分析で以下が明らかになった。不整脈の長期治療は短期治療よりも優れているだけでなく、4週間の短期治療はAFの再発を防ぐことができた。AFの再発は、短期治療を受けた患者261人のうち120人に見られたが、長期治療を受けた患者では263人のうち103人のみだった。研究終了時には、短期治療の効果は長期治療の約80%に達した。

主任研究者であるキルヒホフ教授は、これらの発見が臨床ルーチンにとって重要であることを確信している。「抗不整脈薬の短期治療は長期治療よりも劣っているが、特定の患者には有用である。短期治療は、合併症や副作用のリスクが高いAF患者に検討されるべきである。我々は、この新しい結果がAF管理のガイドラインに含まれることを願っている」


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