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2013-02-27

ソース(記事原文):ノースウェストオハイオ

癌治療の画期的な新薬

ノースウェストオハイオ(2013年2月27日)― クリス・デルキャンプ(Chris Delcamp)著

メアリークリス・スケルドン(Mary Chris Skeldon)さんは16年以上前に乳癌のステージ(病期)4と診断された。

「当初は乳房切除術を受ける予定だったが、既に骨に転移していたことが分かり、手術は行われなかった」と当時を振り返る。

彼女は余命18ヵ月と告げられた。メアリークリスは、癌と闘うことを決意し、当時まだ比較的新しい術式であった幹細胞移植を試みることにした。この手術で効果が得られた。

「ひたすら一日一日が良好であるように努めた。間もなく、それが数日から数ヵ月に、そして数年になった」という。

その後、癌の消失が告げられた。ところが2011年、13年ぶりに再び癌が認められた。

メアリークリスは「癌を打ち負かしたとばかり思っていた。でも1度撃退できたのだから、もう一度やってみようと決意した」と話す。

癌との闘いに熟練したメアリークリスは、別の治療法を模索し、実験段階の新しい試験薬を見つけた。

「この試験薬は先週の金曜日(2月22日)にFDAによって認可されたばかりで、副作用は非常に軽い」という。

カドサイラという商品名の薬剤で、現時点ではHER2陽性の癌のみが適応となっているが、この種の薬剤は検討され始めて間もない。同剤は分子レベルで作用する。

シカゴのラッシュ大学メディカルセンター(Rush University Medical Center)の腫瘍医メロディ・コブアレイ(Melody Cobleigh)博士は「この抗体薬物(カドサイラ)はHER2タンパク質を認識し、同タンパク質に結合する。この抗体薬物を含む化学療法剤を細胞内に放出することで、腫瘍細胞を破壊する」と説明している。

簡単に言えば、化学療法剤の内包物を用いて、腫瘍細胞を装うタンパク質が腫瘍の一部として受け入れられるようにし、腫瘍内に取り込ませ、その後内部から腫瘍を破壊するということである。癌を撃退する「トロイの木馬」のようなものだと考えられる。

本剤により患者の約3分の1が奏効すると見込まれる。

「それに関しては少しも疑わない」とメアリークリスは同調している。実際に彼女はカドサイラ投与で腫瘍が顕著に縮小している。

彼女はこの夏、出席予定の結婚式が息子の分も含め5つあり、多忙すぎて、癌だからとのんびりしてられないという。

「今後も治療を続け、癌と闘い続けるつもりであり、前向きな姿勢を崩さず、笑顔を絶やさずにいたい」と満面の笑みで語ってくれた。

癌と闘える手段が笑顔であったとしたら、メアリークリスそのものであっただろう。


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