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2015-12-10

ソース(記事原文):Medical News Today

術前化学治療後疾病を持つ乳がん患者の転帰をカペシタビンが改善

【Medical News Today】(2015年12月10日)

12月8-12日に開催されたサンアントニオ乳がん学会議2015で発表された臨床試験CREATE-XフェイズIIIの結果によると、手術前の化学療法では排除不可能なHER2陽性乳がんを患う女性の無病生存率を、化学療法薬のカペシタビンを利用した治療が引き上げているそうだ。

手術前に腫瘍を縮小、または排除するための治療をネオ・アジュバント療法と言う。この化学療法を行なった一部の乳がん患者は、残存侵潤がんが乳房組織サンプル見つかり、また周囲リンパ節が手術中に切除された。これらの患者は、ネオ・アジュバント療法に対して完全に効果があらわれた女性と比較して、長期にわたる転帰の悪化がみられる傾向にある。

「ネオ・アジュバント化学療法後に残存侵潤疾病を伴う患者は化学療法抵抗性乳がんと考えられていますが、アジュバント全身性化学療法がこれらの患者に対して有益かどうかを調べる大規模な臨床試験は行なわれていません」と、京都大学病院の医学博士であり、JBCRG(Japan Breast Cancer Research Group)の創設者かつ専務理事の戸井雅和博士は語っている。「CREATE-Xは、カペシタビンがネオ・アジュバント化学療法後の残存侵潤疾病を伴う患者の無病生存率を改善できるかどうかを試すことで、この臨床的な疑問を評価するために行なわれました」。

「2年の追跡調査後、これらの最初の有効性結果はカペシタビンを標準治療に追加することで無病生存率が著しく改善したことを示しています」と戸井博士は続ける。「治療の副作用が管理可能であり、またカペシタビン治療の利益は明らかだったので、このデータには興奮します」。

戸井博士とその同僚は、HER2陰性乳がん、またアントラサイクリン系および/またはタキサン系の薬を含むネオ・アジュバント療法後の残存侵潤疾病を持つ910人を試験のために集めた。すべての被験者は標準治療を受けており、無作為にカペシタビン投薬グループまたは追加治療なしグループに分けられた。455人の患者は無作為にカペシタビンを8サイクル投与され、それぞれ21日継続した。最初の14日間は、1平方メートルにつき1,250mgの化学療法薬を1日2回投与され、続く7日間は治療を行なわなかった。

研究を開始して2年後、カペシタビンを投与された患者では、そうでない患者と比較して疾病の再発リスクが30パーセント減少したことを研究者たちは発見した。またカペシタビン投与患者の無病生存率は87.2パーセントで、投与されていない患者では80.4パーセントであった。

戸井博士によれば更新情報を使用した最新の分析では、これらの2つのグループの全生存中央値で明らかな違いがみられたそうだ。カペシタビン投与グループの2年間の全生存中央値は96.4パーセントであり、対する不投与グループは94.2パーセントであった。

さらに研究者たちは、特定の患者グループがカペシタビンによるほかの恩恵を受けていないかどうかサブセット解析を行なっている、とも戸井博士は述べている。例えば、ホルモン受容体の状態が結果に影響するかどうかの研究である、と彼は語った。


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