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2015-12-10

ソース(記事原文):FDA委員会がエゼチミブの警告を高めようとしている

FDA委員会がエゼチミブの警告を高めようとしている

【MedPage Today】(2015年12月10日)

IMPROVE-IT試験における徹底的な研究に基づいたエゼチミブ(ゼチーア)およびその配合成分シンバスタチン(バイトリン)の適応引き上げに関するメルク社の申請を検討するFDA諮問委員が来月の月曜日に開催されるが、そこで強烈で知的な激論が予測される。

現在の警告では、バイトリンおよびゼチーアが心臓血管疾患の有病率や死亡率を改善する

ことは証明されていない。このたび提案される警告では、冠状動脈性心疾患(CHD)を患う患者の心臓血管イベント(心血管系死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症による入院、血管再建の必要性)の減少を謳う予定である。スタチン以外のほかのコレステロール低下薬は、この適応を持っていない。

諮問委員会はおそらく、IMPROVE-ITでの欠測データをどうするかということと、サブグループ分析の使用方法に焦点を当てるであろう。スタチンにエゼチミブを加えることの臨床的恩恵はそれほど大きくなく、またおそらく一部の患者だけにしか効果がないことを明らかにするであろうが、最終的には諮問委員会は警告の拡張を支持すると思われる。

諮問委員会の参加者には、サンジェイ・カウル博士やミルトン・パッカー博士、トーマス・フレミング博士など、有名かつ辛口な心臓学者や統計学者が含まれる。メルク社にIMPROVE-ITデータを公開するのは、クリス・キャノン博士そして試験の共同議長であるユージン・ブラウンヴァルト博士の予定である(ほかの共同議長であるロバート・カリフ博士は発言する予定はない。カリフ博士は次回のFDA委員に推薦されている)。

FDAの批評は、以前にIMPROVE-ITで発表された主な研究結果を広く支持した。

急性冠不全症候群を患う1万8144人の被験者において、心臓血管イベントはシンバスタチン治療群のイベント発生率30.2%から、エゼチミブおよびシンバスタチンによる治療群では28.4%まで減少した。また主要となる包括解析においては、相対リスクで6.4%の減少を成し遂げた。FDAの臨床審査員は、ある主要エンドポイントイベントを避けるために0人がシンバスタチンに加えてエゼチミブを7年間服用する必要があるだろうと算出した。

おそらく委員会にとってもっとも難しい問題は、試験の重要なサブグループ分析をどのように扱うかということである。今年の始めに開催された欧州心臓病学会(ESC)でIMPROVE-ITの治療責任医師が報告したように、エゼチミブの有益な効果の大部分はもっぱら糖尿病を患う27%の被験者にしかみられていない。さらにFDA分析は、効果は75歳以上の被験者の15%においてのみあらわれたことも指摘している。

これは月曜の審査委員のひとりであるカウル博士が、ESC会議の間に見つけた糖尿病についての批評である。「糖尿病患者群における臨床的な関連性および統計的に重要な研究発見は、臨床診療でのエゼチミブ使用の最適化を促進します。これらの結果を前提として、IMPROVE-ITの全体コホートで4分の3近くを占めた糖尿病でない人への使用を支持するのは難しいと思われます」。

「調査対象の大部分である75歳以下で、糖尿病でないサブグループに対しては、効果がみられませんでした」と、FDAの審査員のひとりがまとめている。

審査員たちにとってもうひとつ難しい問題は、無作為化患者の11%が主要エンドポイントのためのデータを紛失しており、この欠測したデータをどうするかということである。

解決:なくなった同時公表の謎

FDAの文書が長引く謎を明らかにした。2014年11月の米国心臓協会(AHA)会議におけるIMPROVE-ITの最初の発表で、多くの審査員たちは同時公表がないことを不思議に思った。FDAの文書は臨床試験の不透明な過程の裏に目を向けるよう提案し、また試験調査員がAHA開催のわずか数週間前にいくつかの扱いにくい問題にぶち当たったことを明らかにした。

2014 10 月、研究の打ち切りとの関連 およびデータベース閉鎖予定日より前に、出願者は臨床データベースで報告されている SAE (重篤な有害事象)に一致しない非心血管入院患者の報告を特定しました。この関心事は、データベースのロック予定( 2014 10 21 日)のわずか数週間前に確認されました。 2014 10 21 日付の解析計画書の補遺によると、それはデータクリーニング過程の最後の方で見つかり、『潜在的なエンドポイントイベントではないと事前に確定された入院、特定の分野またはがん関連の AE または SAE SAE として報告されていました。この追加のクリーニング要件を完了するよう要求された時点で、データベースのロックが予定される 10 21 日には間に合わなかったのです。ほかのすべての有効性エンドポイントおよび規定の安全性エンドポイントのクリーニング基準データは完全に条件を満たし、 CEC 判定は終了しました。重要なことは、 2014 11 17 日の AHA (米国心臓協会)の科学会議で試験結果を発表することを公約したことです』」。

「スポンサーは、 1 つではなく 2 つの異なるデータベースのロックを行なうことを決めました。最初のデータベースのロックより以前 に、 AHA での試験結果発表を裏付け、 原稿作成 の準備のためにこれらのデータに基づいた最後の分析を行なうことが決定されました。その後、入院/ SAE が調整され 、また追加の臨床イベント、プロトコル定義の安全性エンドポイント、またはそのほかの関心分野の安全 イベントが、 CEC SAE のセーフティーデスクのいずれかによ 再審査 ために提出されるでしょう。 このようなイベントはいずれも、最終分析から除外される『研究後イベント』としてフラグが付けら れるのです」。

2つめのロックは、調整が終了した2015年1月23日に行なわれた。これは安全性の報告を裏付けるために使用された(選択された関心分野の安全性イベントは除外)。

FDA審査員はこのように述べている。「不完全なデータクリーニングを承知の上で臨床試験データベースをロックすることは、極めて異例です」。しかしFDAによる詳細な分析では、この出来事の異例な順序は試験の結果に重要な影響はもたらさなかったと示唆している。おそらくこのことは、2014年11月に行なわれた最初の発表と今年の6月の最後の発表の間の異常な長期間の遅れを説明しているのではないかと私は推測している。


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