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2005-12-01

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

アルツハイマー病の早期発見

光科学者と精神科医らがアルツハイマー病のための侵襲性の低い眼の検査を開発

2005年12月1日 — 脳に発生するアルツハイマー病の過程と同じものが、眼にも生じるという最近の発見を踏まえて、同研究者らはアルツハイマー病の全患者の水晶体に認められるアミロイドβタンパク質の有無を判定することが可能な一対の眼の検査を開発した。アミロイドタンパクの有無は、眼内レーザー検眼鏡と呼ばれる機器を用いて識別することができる。

ボストン‐1980年以降、アルツハイマー病のアメリカ人の数が倍加して450万人となった。この病気により人の記憶が蝕まれていくなか、アルツハイマー病は早期発見されることなく、長年にわたり医療分野スタッフの監視の目をくぐり抜けてきた。今後、新たな眼の検査法が、アルツハイマー病のリスクの有無を判定するのに有用となる可能性があり、これまでの謎を解き明かすことになるかもしれない。

眼は魂の窓と言われるが、今回は眼が一部の人の命を救う鍵となるかもしれない。新たな眼の検査法が、アルツハイマー病の早期発見に有用となる可能性がある。ボストンにあるブリガム・アンド・ウーメンズ病院(Brigham and Women's Hospital)の精神科・外科部門の精神科医リー・ゴールドスタイン博士(Lee Goldstein)は、「脳に発生するアルツハイマー病の過程が、水晶体(眼内)にも生じることを見出した」と述べた。

ゴールドスタイン氏は、タンパク質アミロイドβタンパク質の有無を判定することが可能な一対の眼の検査を開発した。このタンパク質は、全てのアルツハイマー病患者の脳内に通常認められるものである。アミロイドタンパクの有無は、眼内レーザー検眼鏡により識別することが可能である。同氏は「このレーザー検眼鏡では、白内障が確認される前のごく初期に、水晶体に凝集した粘着性粒子を識別することができる」と述べた。

アルツハイマーの白内障の場合、水晶体の縁が弧状に濁ったように見える。これは普通の白内障とは異なるものである。アルツハイマー病による白内障であるかどうかを判定するために、ゴールドスタイン氏は、アミロイドβタンパク質と結合する特別な蛍光色素の点眼剤を眼に注入するという。赤外線下で、このタンパク質が光を放てば、アルツハイマー病であることが示される。

ゴールドスタイン氏は「早期に治療を行うことができれば、だいたい治癒したといえるところまで病気を抑えられる」としている。こうして得られた期間は、アルツハイマー病患者にとって尊い時間となるだろう。

この眼の検査により、患者が治療を早期開始できる可能性が高まるだけでなく、アルツハイマーに対する新薬の開発を速めることにもなりうる。

背景:ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)の研究者らは、初期段階にあるアルツハイマー病を診断できる可能性のある一対の眼の検査を開発した。これらの検査は、病気の証拠となる眼内タンパク質の存在が、アルツハイマー病の初期徴候であるという最近の発見をもとに考え出されている。この検査により、患者がより早期に治療開始できる可能性が高まるだけでなく、新薬の開発も速まる可能性がある。

仕組み:脳内で発見されるアミロイドβタンパク質はアルツハイマー病の特徴としてみなされるが、これと同じタイプのタンパク質が、水晶体および眼液にも発見されている。これらのタンパク質は、眼のさまざまな部位に普通の白内障(アルツハイマー病と無関係なもの)とは別の変わったタイプの白内障を生み出す。これらのタンパク質の検出は、感光性の色素を注入してから、白内障が形成されやすい水晶体の特定部位にレーザー光をあてることで可能となる。このタンパク質分子が存在する場合、色素中の分子と結合し、レーザー光でその結合分子が光を放つようになる。この技術は、準弾性光散乱法と呼ばれる。

症状:アルツハイマー病はゆっくり進行する病気であり、最も初期では単に軽度の健忘が現れるだけの場合もあるので、加齢による記憶の変化と混同される。最近の出来事や行為、もしくは家族の名前や物の名称を思い出しにくい場合がある。病気が進行するにつれ、健忘が重症化し、歯磨きなどの日常活動に支障をきたす。話すこと、理解すること、読み書きすることに問題が生じ、やがて脳損傷により全面看護を要するほど重症になる。

関連情報:アルツハイマー病に罹患しているアメリカ人は450万人にものぼる。通常は、60歳を過ぎて発症し、加齢とともにリスクが上昇するが、ごく普通の老化過程の1つではない。この疾患は、65歳~74歳の男女では約5%にしか認めらないが、85歳以上では約半数が罹患していると考えられている。

この報告のビデオ配信に含めた情報は、米国光学学会(Optical Society of America)によって寄稿されたものである。