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2007-12-01

ソース(記事原文):BBCヘルス

コレステロール

BBCヘルス―トリーシャ・マクネア(Trisha Macnair)博士

コレステロールは体の機能に不可欠なものであるにもかかわらず、高コレステロール値に関する健康面での警告が数多くある理由とは? コレステロールの役割と、コレステロールの増加により健康被害が起きる理由について考察する。

本稿は2007年12月にロブ・ヒックス(Rob Hicks)博士によって医学的レビューが行われた。

 

コレステロールとは?

コレステロールは各細胞を囲む外膜の一部をなすものである。コレステロールは、神経線維を絶縁するために使われるほか(これにより神経シグナルを適切に伝導する)、化学シグナルを体中に伝達するホルモンを産生するために使用される。

コレステロールなしに身体は機能しない。つまり、体の正常機能を確保するのにコレステロールは必要不可欠なものである。

その一方で、血中コレステロールが過剰になると、冠動脈疾患や動脈疾患のリスクが増加する。

 

コレステロールと食物

食物にコレステロールがぎっしり詰まっているというのは大きな誤解の1つである。実際は、食物中にコレステロールはほとんどない。主な原因となるものには、卵、臓物、甲殻類がある。

選択する食物の脂肪のタイプ、特に飽和脂肪が重要となる。いったん体内に入ると、肝臓がこの脂肪をコレステロールに変える。

 

リポタンパク質の濃度

自分のコレステロール値を知っていても、各自の心臓疾患リスクを知るには十分ではない。そこで、リポタンパク質についても知っておく必要がある。リポタンパク質は体中にコレステロールを輸送する特殊な分子である。

主に以下の3タイプがある。

・悪玉コレステロールとして知られる低比重リポタンパク質(LDL)は、肝臓から細胞へとコレステロールを輸送するものだが、供給が需要を上回るとコレステロールが蓄積し有害になる。

・善玉コレステロールである高比重リポタンパク質(HDL)は、細胞からコレステロールを取り出して肝臓に運び、分解または排出する。

・トリグリセリド

LDLコレステロール値とトリグリセリド値が高く、HDLコレステロール値が低い人が、危険が最も大きい。

 

健康なコレステロール値

英国における総コレステロール値の平均は、男性で5.5mmol/L、女性で5.6mmol/Lであり、正常値よりも高い。つまり、大半の人が抗コレステロール薬を服用する必要があるということになるのだろうか?

近年、各患者のコレステロール値が危険かどうかを判断するには、コレステロール値を各自の心臓疾患の全体リスクにそって考慮する必要があると認識されるようになった。

特に重要となるのは、包括的な総コレステロール値よりもむしろ異なるタイプのリポタンパク質のバランスである。

この全体リスクとは、年齢、性別、心臓疾患の家族歴、喫煙・過体重・高血圧・糖尿病の有無などの要因を組み合わせて判断される。

心疾患のリスクが高いほど(例えば、高血圧で糖尿病の男性喫煙者)、コレステロール値を下げる必要性が高まる。

しかし、どれを健康なコレステロール値とするかは、医師の間でも議論がある。

医師らが従う指針には英国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence:NICE)および保健省によるコレステロールのガイドラインがあり、具体的には以下の通りである。

・総コレステロールは5.0mmol/L未満

・LDLコレステロールは3.0mmol/L未満

一方、ジョイント・ブリティッシュ・ソサイエティ(心血管疾患に従事する英国専門家の主な団体からなるグループ)では、冠動脈疾患を有する人、もしくはリスクのある人に対して、別のコレステロール上限値を推奨している(下記参照)。

・総コレステロールは4.0mmol/L未満

・LDLコレステロールは2.0mmol/L未満

これらのガイドラインは、ヨーロッパで用いられている厳密な指針に合致する。

現在NICEでは、国家政策ガイドラインを再検討している。

 

低コレステロール

心疾患リスクがわずかしかない人が、コレステロール値を5mmol/L未満に保つために、どのくらい努力すべきであるかについては、さらに議論が多い。

コレステロール値が低いほど、心疾患の予防効果があるという考えの人もいる。この人たちの主張によれば、コレステロール降下剤は、大部分で副作用がわずかであるように思われるので、ほとんどの人が服用すべきであるという。

一方、別の専門家らの意見では、研究の証拠からは特定の低リスク群(心疾患歴のない女性など)における特別な効果はみられず、副作用に関しては最近懸念されている点に筋肉または腎臓の損傷などがあるという。

今や抗コレステロール薬は処方箋なしでも薬局で購入できるようになり、コレステロールをどの程度まで抑えるべきかの判断は、消費者に押し付けられている。

高コレステロールを患っている500人に1人は、家族性高脂質血症という遺伝性疾患が原因である。家族性高脂質血症の患者は、ハートUK(Heart UK)から詳しい情報を入手できる。

 

高コレステロールの治療

高コレステロール治療の第一段階は以下の通りである。

・定期的な運動

・健康的な食事

健康的な食事とは、低脂肪(特に低トランス脂肪)食と、飽和脂肪の代わりに不飽和脂肪を摂ることを意味する。コレステロールの低下に有用となりうる食事には、特にニンニク・大豆・オートムギ・トウモロコシのほか、セレンが豊富なシリアルがある。

心臓のための健康的な食事に関するアドバイスは、英国心臓財団(British Heart Foundation)にお問い合わせください。

コレステロールを低下させるための治療段階を経たあと、高脂血症治療薬を使用すること。