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2010-05-10

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

ナッツと血中コレステロール値改善の関連性

サイエンスデイリー(2010年5月10日)

ナッツの消費量と血中コレステロール値改善に関連性がある可能性があることが、25個の研究データを集積・分析したところ、判明した。これは、ジャマ/アーカイブの1つであるアーカイブ・オブ・インターナル・メディシン5月10日版内で報告されている。

「冠動脈疾患の治療計画や予防計画を立てる上で最も重要なのは、血中コレステロール濃度と血中リポ蛋白質値を下げるために食生活を改善することである」と予備知識として著者は記事中に書いている。「最近ではナッツ類の摂取が綿密な研究の対象として注目されている。ナッツ類特有の栄養素に冠動脈疾患のリスクや血中脂質値(脂肪とコレステロール)を下げる効果がある可能性があるからである」ナッツ類には植物性プロテイン、脂肪(特に不飽和脂肪酸)、食物繊維、ミネラル、各種ビタミン、そして抗酸化物やフィトステロール等の化合物が豊富に含まれている。

カリフォルニア州ロマリンダ市にあるロマリンダ大学に勤める医学博士兼哲学博士ジョアン・サバテ氏は、同僚と協力してナッツ類の摂取に関する25個の実験結果から主なデータを集めた。これらの研究は7カ国で行われたもので、血中コレステロール値が高い人から普通の人まで583人の男性と女性を対象としている。25個全ての研究において、参加者はナッツを食べるグループと食べないグループに分けられた。参加者の中に、血中脂質値を下げる作用のある医薬品を服用している人はいなかった。

実験の参加者は、平均67グラム(約2.4オンス)のナッツ類を毎日食した。そうしたところ、参加者の血中コレステロール濃度が平均で5.1%、低比重リポ蛋白質値(LDL又は悪玉コレステロール)が7.4下がり、高比重リポ蛋白質(HDL又は善玉コレステロール)に対する低比重リポ蛋白質の割合が8.3%程改善したのである。更に、血中の中性脂肪値が高い参加者(最低でも1dlあたり150mg)の血中中性脂肪値が、10.2%程低下したのである。しかし血中中性脂肪値が低い人には、この効果はみられなかった。

「ナッツ類の摂取量が多いほど効果が高くなり、実験で使われたものとは別の種類のナッツにも血中脂質値を下げる効果がある」と著者は述べている。「ナッツの効果は、悪玉コレステロール値、BMI、そして食習慣により大きく左右される。ナッツの血中脂質値を下げる効果は、悪玉コレステロール値の水準が高かった参加者、BMIが低かった参加者、そして洋食を常食としている参加者に最も顕著に表れた」

この実験結果は、血中コレステロール値の改善を目的にナッツを食事療法に加えることを後押しするものである、と著者は結論付けている。「ナッツは、人類誕生以来、人々がずっと摂取してきた全体食である。ナッツを食生活に加え、その摂取量を増やせば血中脂質値の改善(少なくとも短期間の改善)が期待でき、冠動脈疾患のリスクを減らす作用も期待できる」