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2009-03-20
ソース（記事原文）：CNN Health
老人性色素班（肝班）
保存先：ベビーブーム世代の健康
肝班や日光黒子とも呼ばれる老人性色素班とは隆起の無い灰色又は茶色若しくは黒色のシミです。シミの大きさはそれぞれ異なり、通常は顔や腕そして肩など日光を浴びやすい個所にできます。このシミは40歳以上の人々によく見られるものですが、それよりも前に表れる場合もあります。
老人性色素班は健康に害をなすものではなく治療を必要とはしませんが、癌の腫瘍と見間違えられることがあります。美容のためこのシミを肌用の漂白剤を用いて目立たなくしたり、除去するといったことも可能です。しかしながら、肌年齢を若く保つための最も簡単な方法は、日光を避け日焼け止めを使用してシミができるのを未然に防ぐことでしょう。
老人性色素班は肌の白い人々に特にできやすいものですが、肌の色が濃い人々にもできます。
老人性色素班には以下のような特徴があります。
＊隆起がなく、楕円形であり肌の他の部分と比べて色が濃い部分。
＊通常灰色又は茶色若しくは黒色である
＊手の甲や足の甲そして顔や肩、背中の上部など長年にわたり日光にさらされてきた部分にできる。
老人性色素班の大きさはソバカスほどの大きさのものから幅が1センチメートルのものまであり、特定の個所に集中しますので容易に見つけられます。
老人性色素班とは別の日光が原因で現れる症状。
日光により肌がダメージを受けると老人性色素班の他に以下のようなものができる可能性があります。
＊深いしわ
＊乾燥して荒れた肌
＊頬や鼻そして耳などに現れる細く赤いあざ
＊普通の状態の肌よりも薄く血管が透けて見えるような状態
医師の診断が必要な場合
老人性色素班は好ましいものでしょうが、通常は健康に害はありませんので治療を必要とするものではありません。しかし、シミの色が濃くなったり形が変わっているなどの変化が見られる場合は医師に相談してください。なぜならこれは皮膚癌の一種であるメラノーマの前兆である可能性が高いからです。
肌に何らかの変化が見られる場合は医師の診断を受けるのが最善の判断といえます。特に：
＊シミ又は日光黒子の色が濃い場合
＊シミ又は日光黒子が急速に大きくなっている場合
＊シミ又は日光黒子の境目がはっきりしない
＊シミ又は日光黒子に様々な色が混ざっている
原因
紫外線はメラニンの生成を促進します。メラニンとは皮膚内にある濃い色素です。私たちの肌の色はメラニンによって決められます。紫外線から皮膚の深い層を保護するためにメラニンはより多く生成され、その結果肌の色は濃くなります。皮膚を保護するために余分に生成されたメラニンが集まると又は通常よりも密度の高いメラニンが生成されると老人性色素班となります。
大抵は、老人性色素班が皮膚の表面に現れるまでに長い年月を要します。そして表面に現れた後は長い時間をかけてゆっくりと色が濃くなります又は大きくなっていきます。日焼けランプや日焼けベッドなどを使って日焼けした場合も同様の結果になります。
老人性色素班の原因は日光だけではありません。年齢を重ねると多くのメラニンが生成され、その結果、老人性色素班が形成される場合もあります。更に、老人性色素班が現れやすいか否かには遺伝も大きく関わっています。
リスクファクター
誰にでも老人性色素班ができる可能性がありますが、以下のどちらかに当てはまる方は特に老人性色素班ができやすいと考えられます。
＊肌が白い方
＊過去に、頻繁に又は大量の日光を浴びたことのある方
医師との面談の準備
まずはかかりつけ医に相談することから始めて下さい。しかし状況によっては、かかりつけ医との面談を予約する際に皮膚疾患の専門医（皮膚科医）を紹介される場合もあります。
医師との面談時間は短いことが多いですし、話し合うべきことも沢山あるでしょうから、面談の前に十分な準備をしておくと良いでしょう。以下は、面談前の準備に関するアドバイスと面談の際に医師からされる質問例です。
面談前の準備
医師に尋ねる質問を紙に書き留めておいて下さい。面談中に分からないことがあれば、躊躇せず医師に質問してください。老人性色素班に関する質問の例として次のようなものが挙げられます。
＊医師の診断を裏付けるため、何らかの検査を受ける必要があるか否か
＊取るべき最善の対処法は何か。
＊どのような治療方法があり、それぞれの長所と短所はなにか。
＊治療に掛かる費用はいくらか。健康保険は適用されるか。
＊治療によりどの程度の症状の改善が見込めるか。
＊もし治療後に何らかのサポートがあるのであれば、どの様なものが受けられるか
＊治療後は、皮膚のどのような変化に気を配るべきか。
医師からの質問
医師からも様々な質問があることが予想されます。以下は医師からの質問例です。
＊老人性色素班に最初に気付いたのはいつですか？
＊外見上、皮膚に何らかの変化がありましたか？
＊現在の皮膚の状態に悩まされていますか？
＊過去に、頻繁に日焼けをしましたか又は重度の日焼けを負ったことはありますか？
＊日光や紫外線を頻繁に浴びていますか？
＊常日頃から紫外線対策をしていますか？
検査と診断
老人性色素班の診断に以下のような方法が用いられることもあります。
＊視診：老人性色素班の診断を目視により行います
＊皮膚生検：何らかの皮膚疾患が疑われる場合は、皮膚生検など他の検査を受けることもあります。皮膚生検を行う場合、顕微鏡像解析のために医師は皮膚のサンプルを患部から採取します。皮膚生検は通常、局所麻酔を用いて担当医師の病院にて行われます。
似たような症状
老人性色素班と似たような症状をもつものに以下のようなものが挙げられます。
＊ほくろ：大抵のほくろは小さく濃い茶色の点ですが、その色も大きさも様々です。隆起しているものがあれば、そうでないものもあり、指の間やつま先など体中の至る個所にできます。
＊脂漏性角化症：茶色又は黒色の腫瘍であり、イボ又はろうそくの蝋の様なものが皮膚に貼り付いているように見えます。大きさも様々で、とても小さいものから幅が2.5センチメートルに及ぶものまであります。
＊悪性黒子：悪性黒子黒色腫として知られる皮膚癌の一種です。日光に頻繁にさらされる個所に現れます。最初は日焼けした個所が茶色又は黒色になります。その後、徐々に色が濃くなり、大きくなっていきます。悪性黒子は、周りの皮膚との境が不明瞭でその色も同一ではなく、そして若干隆起しているものが多いです。
治療と薬
もし老人性色素班で悩んでいるのであれば、その色を薄くしたり老人性色素班そのものを除去するといった治療を受けられます。この色素は表皮の基底層にあるため、老人性色素班の色を薄めるのであれば、どのような治療法であれこの層まで届くものでなければなりません。
老人性色素班の治療には以下の方法があります。
＊医薬品：医師により処方される皮膚用の漂白クリーム（ハイドロキノン）のみを使用する又はレチノイド（トレチノイン）と弱いステロイドと共に数ヶ月間使用すると、老人性色素班の色が薄まります。この治療方法を用いている間は、日光から肌を守る必要があります。
＊レーザー治療：レーザー治療は表皮を傷つけることなく黒い色素を生成する余分なメラニン細胞を破壊します。レーザーを用いた治療は、数回に分けて行う必要があります。治療後、老人性色素班は数週間から数カ月かけて徐々に薄くなっていきます。レーザー治療の副作用はほとんどありませんが、高額な治療費が必要となります。
＊凍結療法：この治療法は、液体窒素又は他の凍結剤を老人性色素班に塗布し余分な色素を破壊する方法です。凍結剤を塗布した患部が完治するころには、老人性色素班が薄れています。凍結療法は主に、一つの色素班又は色素班の小さな集まりに対して用いられます。確かな効果が期待できますが、永遠に消えない傷跡が残ってしまったり、永久的な皮膚の変色などわずかなリスクを孕んでいます。
＊皮膚の切除：この治療法は、急速回転するブラシを用いて皮膚の表面を磨く方法です。これにより表皮は除去され、新しい表皮へと変わります。この治療により、通常は皮膚が赤くなったりかさぶたができたりします。
＊ケミカルピーリング：皮膚の表面と中間層に作用するケミカルピーリングによる治療を施すと老人性色素班が薄くなります。表面皮膚剥離用の酸を老人性色素班に塗布します。皮膚が剥離するとその下から新しい皮膚ができます。この治療を受けている間は、日光から患部を守る必要があります。
ライフスタイルと大衆薬
デパートや薬局そしてインターネットでは、老人性色素班や変色した皮膚を目立たなくさせるクリームやローションが沢山販売されています。これらのクリーム又はローションは、使用する頻度と色素班や皮膚の変色の度合いによりますが、消費者にとって一つの選択肢でしょう。満足のいく結果を得るには、色素が存在する表皮の基底層までそのクリーム又はローションが浸透しなくてはなりません。言い換えると老人性色素班又は皮膚の変色が目立たなくなるまで数週間から数ヶ月間、そのクリーム又はローションを定期的に患部に塗布しなければなりません。
もしこのような市販の老人性色素班用クリームを買うのであれば、ハイドロキノン（ハイドロキシン）かデオキシアルブチン又はグリコール酸もしくはコウジ酸を含む物を選んでください。製品によりますが、特にハイドロキシンを含むクリームは、長期間使用すると肌荒れの原因になる可能性があるので注意が必要です。
予防
老人性色素班を未然に防ぐには日光をできるだけ避けることです。止むを得ない場合は、最低でもSPF15以上の日焼け止めクリームを使用してください。日焼け止めクリームを選ぶ際は、紫外線Aと紫外線Bをブロックするブロードスペクトラムサンスクリーンであることを確認してください。
日光が強い時間帯の外出は極力避けて下さい。肌が日光により最もダメージを受ける時間帯は10時から4時の間です。この時間帯の外出は極力避けた方が良いでしょう。
肌の露出度が低い服を着用しましょう。長袖のシャツや長ズボンそしてつばの大きな帽子をかぶるなどして肌が日光にさらされないようにしましょう。洋服に使われる素材にも、日光を通しやすい物とそうでない物があることも覚えておくと良いでしょう。例えば、編み目の細かい素材は日光を通しにくいですし、逆に編み目が粗い物は日光を通しやすいです。
日焼け止めを塗りましょう。外出の30分前に日焼け止めを十分に塗ってください。そうすると外出する頃には、日焼け止めが肌に浸透しています。外出中は、使用方法に従って定期的に日焼け止めを塗り直してください。多くの日焼け止めは毎時間塗り直す必要があります。
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