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2011-05-22

パーキンソン病と「関連する」細菌

2011年5月22日

米国の研究者らによると、胃潰瘍の原因菌がパーキンソン病に関係しているそうだ。

マウスをヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)に感染させたところ、パーキンソン病様症状があらわれた。

米国微生物学会(American Society for Microbiology)の会議で発表されたこの研究は、H.ピロリ感染が「重要な役割」を果たしたことを示している。

チャリティー団体である英国パーキンソン病協会(charity Parkinson's UK)は、この研究結果は慎重に扱う必要があるとの見解を出した。

パーキンソン病によって脳が侵されると、動作が遅くなったり、手足の震えがあらわれたりする。

ヒトの55歳から65歳に相当する中年期のマウスをH.ピロリに感染させたところ、6か月後には、動作の減少や脳内の化学物質ドーパミンの量の減少といったパーキンソン病と関連する症状がマウスに認められた。

このような変化は、比較的若いマウスでは認められなかった。

毒性

ルイジアナ州立大学健康科学センターのトレーシー・テスターマン博士(Dr Traci Testerman, from the Louisiana State University Health Sciences Center)は次のように述べた。「私達の研究結果から、人におけるパーキンソン病の発症にはH.ピロリ感染が重要な役割を果たしていると考えられます」

「結果は若いマウスよりも中年期のマウスのほうがはるかに顕著でした。これは人でみられるように、マウスでも通常の加齢によってパーキンソン病様の変化が起こりやすくなることを示しています」

研究者らは、この細菌が脳への毒性を持つ化学物質を産生していると考えている。

また彼らは、H.ピロリは体からコレステロールを「盗み」、糖類を付加して加工することができるとも述べた。

テスターマン博士の話では、この新たな化学物質は、グアムの人々の間にパーキンソン病様疾患を引き起こすことが明らかにされているソテツの種から発見されたものとほぼ同一であったそうである。

また同氏はBBCに次のように語った。「後期パーキンソン病では、H.ピロリを滅菌しても顕著に改善する見込みはありません」

「症状があらわれ始める前にはすでに特定の神経細胞が死んでおり、病気が進行するにつれてさらに多くの神経細胞が死んでいきます。この神経細胞は増殖して元の状態に戻ることはありません」

英国パーキンソン病協会で研究部長(director of research)を務めるキーラン・ブリーン博士(Dr Kieran Breen)は、「パーキンソン病は、環境的要因と個人の遺伝的な発症しやすさの組み合わせによって引き起こされる可能性が最も高いと我々は考えています」と述べた。

また、H.ピロリがパーキンソン病の主な治療薬レボドパの吸収を妨げるという証拠はいくつか存在するものの、実際にピロリ菌保有者がパーキンソン病を発症しやすい傾向にあるという有力な証拠はないとも述べた。

さらに同氏は次のように話している。「今回の研究は興味深いものでして、H.ピロリが神経細胞を殺す毒素を放出すると述べています」

「ただし、この研究結果は慎重に扱う必要があります。この研究に用いられたマウスは、比較的大量の細菌に感染していたり、細菌の抽出物を大量に与えられたりしたからです」

「マウスには動作障害があらわれたものの、これが本当に神経細胞死によるものであったかは不明なため、さらに研究を行う必要があります。」

 


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