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2012-10-29

ソース(記事原文):グローブ・ニュースワイヤ

メマンチンは全脳照射を施行した脳腫瘍患者の認知機能低下を遅延する

グローブ・ニュースワイヤ(2012年10月29日)― 米国放射線腫瘍学会(American Society for 放射線腫瘍学)

ボストン ― 第54回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)年次総会で本日発表された研究によれば、アルツハイマー病患者に対して一般に処方されるメマンチンというNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗薬が、全脳照射(全脳照射)を受ける悪性脳腫瘍患者において認知機能の低下を遅らせる。

この第3相試験は、2008年3月~2010年7月に全脳照射を受けた悪性脳腫瘍患者508人を対象に、メマンチンがもたらす認知機能への保護作用の可能性を評価したものである。認知機能に加え、認知機能低下発現までの期間、全生存率(OS)、および無増悪生存率(PFS)を本試験で分析した。15回に分けて計37.5Gyの全脳照射を施行した後、この放射線療法開始から3日以内にプラセボまたはメマンチン20mg/日のいずれかを24週間投与する群に患者を無作為に割り付けた。その結果、メマンチンは、再認記憶・全体機能・実行機能・処理速度の各領域における認知機能低下を遅らせることが示された。

メマンチン群の患者は、プラセボ群の患者と比較して、24週の時点で認知機能低下に17%の相対的減少がみられた。また、8週と16週の時点で言語能力(言語流暢性:COWAT)検査を行い、24週時点でTMT検査(神経心理学的検査)パートAを行って認知機能を評価すると、メマンチン群の患者のほうが認知機能低下を経験した患者が少ないことが示された。24週時にホプキンス言語学習検査(HVLT)-遅延想起改訂版(HVLT-R DR)でも評価したところ、メマンチン群では低下中央値が0であったのに対し、プラセボ群では低下中央値-2であった。24週間生存した患者149人における3つ認知検査の傾向は、全ての時点において、プラセボ群よりもメマンチン群で良い結果が得られたことを示している。患者の全生存率(OS)または無増悪生存率(PFS)には、治療群間で差がなかった。

本試験の対象となる患者は、脳転移がみられるほか、再帰分割分析(RPA)でクラスIまたはIIに分類された成人とし、放射線手術歴や外科的切除歴の有無は問わないこととした。標準的な認知機能検査は、治療開始前、8週、16週、24週、52週の各時点で行った。薬物療法ならびに評価を完遂したのは32%にすぎなかったが、これは予測された生存期間および疾患進行よりも結果が悪く、この治療法の遵守率低下につながったことが主な原因である。両群の患者は、脱毛、疲労、頭痛、および吐き気など、同程度のグレード(3と4)の毒性(副作用)を報告した。

本研究の共著者でミネソタ州ロチェスターにあるメイヨークリニック(Mayo Clinic)の放射線腫瘍医ナディア・ラック(Nadia N.Laack)博士は「脳腫瘍患者に対する治療計画へのメマンチン追加は、全脳照射後(6ヵ月後でも)認知機能の維持に役立つことが分かり喜ばしく思っている」と語った。「今回の結果は、放射線療法後の脳に生じる変化がメマンチンにより予防できる可能性のあることを示唆するものであり、同患者に対する将来的な診療に影響を及ぼすとともに、その他の脳照射患者集団における今後の研究に役割を果たすことが示唆される」

「全脳照射施行患者における認知障害の予防薬としてのメマンチン(Memantine for the Prevention of Cognitive Dysfunction in Patients Receiving Whole-brain Radiation Therapy): RTOG 0614(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)の初回報告」に関する要約が、第54回ASTRO(米国放射線腫瘍学会)年次総会の全体会議(2012年10月29日月曜日午後2:30[東部標準時])で詳しく発表される予定である。ラック博士への連絡は、2012年10月28日~31日まで、ボストン コンベンション & エキシビジョンセンター(Boston Convention & Exhibition Center)ASTRO広報部のミシェル・カークウッド(Michelle Kirkwood)宛に電話617-954-3461または617-954-3462、もしくは電子メールemail:michellek@astro.org で受け付けている(英語のみ)。

2012年10月28日~31日までボストンで開催されている第54回ASTRO年次総会とは、放射線腫瘍学会のことで、全腫瘍分野の腫瘍医、医学物理学者、放射線技師、放射線治療専門家、放射線腫瘍科看護師、上級看護師、生物学者、医師助手、診療管理者、業界代表者、その他の医療専門家など世界から11,000人以上の出席者が集結している。年次総会2012のテーマは、「革新による患者ケアの進歩(Advancing Patient Care through Innovation)」であり、技術ならびに患者ケア提供への革新的アプローチがどのようにして患者転帰の改善につながるのかを検討する。4日間にわたる学会は、63の口頭発表会議における特別講演6編と講演410編と、18のテーマにおけるポスター発表1,724編とデジタルポスター発表130編からなる。

ASTRO(米国放射線腫瘍学会)について

ASTROは世界最大の放射線腫瘍学会であり、放射線療法患者の治療を専門とする1万人以上が出席する。同学会は、放射線腫瘍学、生物学、物理学の主要組織として、教育、臨床研修、科学の進歩、およびアドボカシー(社会制度改革など)を通じて、患者ケアの改善に献身している。放射線療法に関する詳細は、www.rtanswers.org(英文)を参照のこと。ASTROに関する詳細はwww.astro.org(英文)を参照のこと。

2012年第54回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)年次総会

報道会見、2012年10月29日月曜日午前11:00~11:45(東部標準時)

科学会議:2012年10月29日月曜日午後2:30~3:45(東部標準時)、ボストン コンベンション & エキシビジョン センター(Boston Convention & Exhibition Center)

2「全脳照射施行患者における認知障害の予防薬としてのメマンチン(Memantine for the Prevention of Cognitive Dysfunction in Patients Receiving Whole-brain Radiation Therapy): RTOG 0614(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)の初回報告」

ブラウン(P. D. Brown)1、シュック(S. Shook)2、ラック(N. N. Laack)3、ウェフェル(J. S. Wefel)1、シュケア(A. Choucair)4、スー(J. H. Suh)5、ロベルジュ(D. Roberge)6、カバディ(V. Kavadi)7、メヘタ(M. P. Mehta)8、ワトキンズブラナー(D. Watkins-Bruner)9;  1 テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(テキサス州ヒューストン)、2 RTOG 統計センター(ペンシルベニア州フィラデルフィア)、3 メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)、4 ノートンヘルスケアシステム神経科学研究所(ケンタッキー州ルイビル)、5 クリーブランド病院(Cleveland Clinic Foundation、オハイオ州クリーブランド)、6 マギル大学(カナダ、ケベック州モントリオール)、7 USオンコロジー(テキサス州シュガーランド)、8 ノースウェスタン記念病院(イリノイ州シカゴ)、9 エモリー大学ネル・ホジソン・ウッドラフ看護学部(ジョージア州アトランタ)

目的: 放射線療法(RT)は脳腫瘍患者に有効な治療法である一方、放射線療法後に認知機能低下の懸念がある。メマンチンというNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗薬は、血管性認知症とアルツハイマー型認知症に対して有益であることが明らかになっている。そこで、第3相試験を実施し、全脳照射施行患者を対象として、メマンチンが認知機能へ及ぼしうる保護効果を評価した。

対象と方法: 脳転移のある適格な成人患者を、再帰分割分析(RPA)クラス(IまたはII)と、放射線手術歴または外科的切除歴により分類した。全脳照射(15回に分けて37.5Gy)を施行し、その放射線治療開始から3日以内に、プラセボまたはメマンチン20mg/日のいずれかを24週間投与する群に患者を無作為に割り付けた。標準的な認知機能検査は、治療開始前、8週、16週、24週、52週の時点で実施した。主要評価項目である24週時点の記憶力低下は、ホプキンス言語学習検査-遅延想起改訂版(HVLT-R DR)で定義し、検出力80%、αエラー0.025にて検出するために患者数442人が必要とされた。副次的目的は、認知機能低下までの期間、全生存率(OS)、無増悪生存率(PFS)などとした。

結果:2008年3月~2010年7月に554人の患者が集まり、うち508人が適格とされた。患者特性と治療特性は、両群でよく類似していた。グレード3・4の毒性と試験継続率は、両群で同程度であり、治療計画書に従って薬物療法を完了したのは患者の32%に過ぎず、その主な原因に死亡、進行性疾患、または非遵守があった。観察を打ち切られた患者における追跡調査期間の中央値は、12.4ヵ月であった。全生存率(OS)または無増悪生存率(PFS)は、両群間で差が認められなかった。メマンチン群の方が、認知機能低下までの期間が有意に長かった(p=0.02)。HVLT-R DR(ホプキンス言語学習検査-遅延想起改訂版)を用いた24週時点の記憶力低下は、プラセボ群(低下中央値 -2)よりも、メマンチン群(低下中央値 0)で低下が抑えられたものの(p=0.059)、統計学的有意性はなかった。というのも、24週時点の評価可能例が148人となり、検出力が35%にすぎなかったためである。メマンチン群の方が24週の時点のHVLT-R DR(ホプキンス言語学習検査-遅延想起改訂版)の低下が抑えられた(p=0.015)。8週(p=0.008)と16週(p=0.004)時点で言語流暢性の低下を経験した患者や、24週の時点で分割的注意(Trail-Making Test-A)を経験した患者は、メマンチン群の方が少なかった(p=0.014)。

結論:全脳照射を施行した患者において、遅延想起に統計学的有意差は認められなかった一方、メマンチン投与患者の方が、時間経過とともに良好な認知機能を認め、特にメマンチンは認知機能低下までの期間を遅らせたほか、再認記憶・実行機能・処理速度の低下速度を遅らせた。

NCI(国立癌研究所)のRTOG U10 CA21661およびCCOP U10 CA37422と、フォーレスト製薬会社(Forest Pharmaceuticals)から研究助成を受けた。

著者の財政的情報開示欄

ブラウン(P. D. Brown): 無し。シュック(S. Shook): 無し。ラック(N. N. Laack): 無し。ウェフェル(J. S. Wefel): 無し。シュケア(A. Choucair): 無し。スー(J. H. Suh): 無し。ロベルジュ(D. Roberge): 無し。カバディ(V. Kavadi): 無し。メヘタ(M. P. Mehta): F. 謝礼金; 講演者: ASCO、クリーブランドクリニック、GRACE財団、イリノイ州放射線学会、医学教育研究所(Institute for Medical Education)、MDACCC、メルク社、プライム・オンコロジー、レザレクション病院、Strategic Edge、テキサス大学サンアントニオ校、Vindico社、ウェブエムディ(WebMD)。G. コンサルタント; アボット社、バイオストラテジー(BioStrategies)、ブリストルマイヤーズスクイブ社(Knowledgepoint)、Elekta、フランケルグループ(Frankel Group)n、MAPI Values、メルク社、NCI(国立癌研究所)、ノバルティス社(Articulate Science)、Novellos、Quark、SS Bala、トモセラピー(Tomotherapy)、USオンコロジー、Vertex。J. その他資金提供; 医療諮問委員会: コルビー(Colby), Stemina, Procertus; プロトコル・データ・レビュー(Protocol Data Review): Adnexus; データ安全性モニタリング委員会: Apogenix;。L. 株式買受; Accuray,Colby, ファーマサイクリックス(Pharmacyclics)社, Procertus, Stemina。O. 特許/ライセンス料/著作権; WARF; 特許権使用料: DEMOS; 出版社: エルゼビア社; CME Products: MCM, メッドスケープ(Medscape)。Q. 指導権; 取締役会: ファーマサイクリックス(Pharmacyclics)社。ワトキンズブラナー(D. Watkins-Bruner): 無し。


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