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2014-05-19

ソース(記事原文):メドページ・トゥデイ

リラグルチドは1型糖尿病にも肥満にも有効

メドページ・トゥデイ(2014年5月19日) ― メドページ・トゥデイ、スタッフライター、クリスティーナ・フィオレ(Kristina Fiore)著

ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院名誉教授ザルマンS.アガスMD(Zalman S. Agus, MD)、およびドロシー・カプトMA, BSN, RN,ナースプランナー(Dorothy Caputo, MA, BSN, RN, Nurse Planner)によるレビュー

アクションポイント
・この2つの研究はアブストラクトとして学術会議で発表されたものであることに注意。査読付き学術誌に掲載されるまでは、今回のデータおよび結論は速報とみなすべきである。
・無作為化試験でインスリン療法にリラグルチドを追加したところ、HbA1cと体重が有意に減少した。
・もう1件の試験では非糖尿病の肥満者に高用量リラグルチドを使用したところ、体重が有意に減少した。

【ラスベガス】―リラグルチドは、1型糖尿病に対するインスリン療法の追加治療としても、非糖尿病者における抗肥満薬としても有効なようだ。研究者らがここラスベガスで報告した。

報告が行われたのは、米国臨床内分泌学会(American Association of Clinical Endocrinologists)の年次総会。レイトブレーキング・セッションの場でニューヨーク州立大学バッファロー校(University at Buffalo in New York state)のニテシュ・クハディヤMD(Nitesh Kuhadiya, MD)と共同研究者らは、無作為化比較試験において、リラグルチド1.8 mgはプラセボと比べ1型糖尿病患者のHbA1cと空腹時血糖を有意に改善したと述べた。

また、口頭発表の場ではコロンビア大学メディカルセンター(Columbia University Medical Center)(ニューヨーク市)のザビエルPi-スニェMD(Xavier Pi-Sunyer, MD)がSCALE試験のデータを発表し、非糖尿病者の平均体重減少はプラセボ群と比べリラグルチド群で有意に大きかった(-8%対-2.6%)と話した。

この肥満に焦点を合わせたSCALE試験では糖尿病治療の場合よりも高用量でリラグルチドを使用したにもかかわらず、「安全性データは非常に良好であり…HbA1c、血圧、脂質への有益な作用もあったことから、純然たる効果はとても好ましいものだったため、これは非常に意義深い試験になると私は考えています」と、Pi-スニェ博士は『メドページ・トゥデイ』に語った。

クハディヤ博士と共同研究者らは、以前に行った研究で1型糖尿病患者のインスリン療法にリラグルチドを追加したところ、血糖コントロールの改善が見られたため、無作為化比較試験を実施して1型糖尿病患者におけるリラグルチドの効果を評価することにした。彼らによると、1型糖尿病患者でこの類の試験は初めてだという。

博士らは、プラセボ群、リラグルチド0.6 mg群、1.2 mg群、1.8 mg群のいずれかに患者72人を無作為に割り付け、試験期間は12週とした。

試験の結果、平均空腹時血糖においてはリラグルチド1.2 mg群と1.8 mg群で血糖コントロールが有意に改善し、両群とも10 mg/dLほど低下した(P<0.05)。ただし報告によると、HbA1cの低下が有意だったのは1.2 mg群だけであった(-0.8%、P<0.05)。

一方、血糖コントロールが良好な期間が有意に増加したのは、1.8 mg群だけだったという。しかしながら高血糖(160~240 mg/dL)および極端な高血糖(240 mg/dL以上)の期間については、1.2 mg群と1.8 mg群の両方で減少していた。

また、両群とも低血糖(55 mg/dL以下)の期間は有意に少なかったと、博士らは報告している。インスリン投与量も両群で有意に減少した。

博士らによると、リラグルチドを使用した患者全員、つまり0.6 mg群の患者にも、有意な体重減少が見られた。

この研究グループの知見は「今後の1型糖尿病治療に大きな影響をもたらす」と、博士は話を締めくくった。

SCALE試験については、トップライン結果が昨年報告されている。この試験では糖尿病前症を認める肥満者とそうでない肥満者を、プラセボ群またはリラグルチド3 mg(2型糖尿病に使用する最高用量よりも高用量)群のいずれかに無作為に割り付け、56週にわたり追跡調査を行い、体重減少の誘発および維持への効果を評価した。

被験者は全員、以前に食事療法と運動療法で減量を試みたものの失敗していた。

Pi-スニェ博士と共同研究者らは、リラグルチド3 mgはプラセボよりも体重を有意に減少させ、リラグルチド群では体重が平均8%減少したのに対し、プラセボ群では2.6%だけだったと報告した。

体重を5%減らせた人と、10%減らせた人についても、プラセボ群よりリラグルチド群で多かったことが分かった。

Pi-スニェ博士によると、リラグルチド群はプラセボ群と比べ、ウエスト周囲径、BMI、空腹時血糖、HbA1c、血圧、脂質も大きく改善していたという。

これらに加え、リラグルチドはかなり高用量で使用したにもかかわらず、その安全性プロファイルはこれまでの試験のものと特に矛盾していなかったと、博士らは述べた。最も多かった有害事象は、悪心、下痢、便秘であった。

また、リラグルチド群では「胆嚢の問題」の発生率がわずかに高く(100人当たり2.7件 対100人当たり1.0件)、急性膵炎も多かった(100人当たり0.3件 対100人当たり0.1件)が、全体的な発生率は低かったという。

この2つがプラセボ群より多かったことについては、さらなる調査を実施しているそうだ。

この研究の関係者ではないが、ノースカロライナ州ウィルミントン・ヘルス(Wilmington Health)の開業内分泌科医、セス・ブラウンシュタインMD, PhD(Seth Braunstein, MD, PhD)は、リラグルチドのせいで胆嚢の問題が起きたとは限らないと話した。

「多くの場合、体重減少に伴って胆嚢の病気が起こるため、リラグルチドのせいではなく体重が減少した結果の可能性があると、Pi-スニェ博士らは述べていました」とブラウンシュタイン博士。

ボストン、ジョスリン糖尿病センター(Joslin Diabetes Center)のエドワード・ホートンMD(Edward Horton, MD)は、リラグルチドの投与量が多いことを考えれば安心できる安全性プロファイルだ、と『メドページ・トゥデイ』に語った。

「これは、糖尿病ではない肥満者の治療に長時間作用型GLP-1受容体作動薬を初めて使用した試験、と言われる中の1つです」。「高用量でも有害事象の増加が見られなかったので、かなり期待できると思いました」。

これら2件の研究にはノボ ノルディスク社(Novo Nordisk)が支援を行った。

報告した研究者らは、ノボ ノルディスク社との利益相反を開示した。


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