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2010-06-04

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

ロバスタチン: ペストに対する新たな兵器?

サイエンス・デイリー(ScienceDaily、2010年6月4日)-- ある実験的な研究によって、高コレステロール血(症)の治療に処方される薬品ロバスタチンが、動物をペストの致死的な影響から保護することが明らかになった。この伝染病は世界各地で急増中である。感染症・熱帯病研究所(Unité de Recherche sur les Maladies Infectieuses et Tropicales Emergentes)(CNRS/エックス・マルセイユ第2大学(CNRS/Université Aix-Marseille 2))の科学者らによって得られた実験結果が、オンライン科学誌「プロス・ワン」(PLoS One)に掲載されている。

スタチンとは、高コレステロール血(症)のせいで心臓病を患っている患者のコレステロール値を下げるために投与される医薬品の一つの部類。ロバスタチンは、入手可能な6つのスタチン化合物のうち、最初に市販されることになった。研究によって、ロバスタチンが重度の感染に付随する死亡率と疾病率を抑えることがすでに実証されているが、ペスト菌(エルシニア・ペスチス)と呼ばれ、致死的な伝染病を引き起こす細菌に関しては、今にいたるまで結果が得られていなかった。

感染症・熱帯病研究所(CNRS/エックス・マルセイユ第2大学)のディディエ・ラオル(Didier Raoult)とミシェル・ドランクール(Michel Drancourt)が率いる研究チームによって、ペスト菌を小齧歯類に接種した後、ロバスタチンの処置を受けた動物は、重度の感染の数も少なく程度も低いということが示された。よってロバスタチンは、動物実験において、ペストの死亡率に対して予防的な性質を有しているといえる。また、この実験的研究によって、ロバスタチンにはペスト菌に対する直接の抗生物質効果はないが、敗血症の発症を防ぐことも示された。

これらの発見は、コレステロール値を下げるためにスタチンを基にした治療を受けた患者は、ペストの致死的な影響から守られている可能性を示唆している。過去2千年にわたる深刻な伝染病の原因であるペストは、今や世界中で、復活した病気と考えられている。世界中のペスト発生例のうち50%ちかくがマダガスカルで報告されているが、アフリカ(コンゴ民主共和国、マラウイ共和国、タンザニア連合共和国)、アジア(ベトナム社会主義共和国)、アメリカでもペストは発生している。一方、カスピ海沿岸の欧州においても、ごく少数の限られた形で大発生している。


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