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2011-10-13

ソース(記事原文):サイエンティスト・ライブ

乳がん患者は薬を変更すると生存率が改善

サイエンティスト・ライブ (2011年10月13日) ― ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)で本日発表されたインターグループ・エキセメスタン試験(IES: Intergroup Exemestane Study)の長期のフォローアップデータによると、タモキシフェン治療を2年から3年続けた後エキセメスタンと呼ばれるアロマターゼ阻害薬に変更すると、女性が乳がんで死亡するリスクを下げることができます。

最近まで、早期のエストロゲン受容体陽性(ER+またはホルモン感受性)乳がんと診断された女性の大半は、手術後約5年間、再発防止の一助としてタモキシフェンを投与されていました。この治療法はかつては「金字塔」とされ、死亡リスクを34パーセント下げることが示されています。しかし近年、第一選択薬として、またはタモキシフェン治療後に、アロマターゼ阻害薬治療を受けている女性患者が増えています。

インターグループ・エキセメスタン試験(IES)という大規模な臨床試験は、1998年に37カ国で行われ、タモキシフェン治療を2年から3年続けた後エキセメスタンへ変更し、合計5年の補助療法を完了する場合の長期の有効性を検討しました。この調査は、がん研究所臨床試験・統計部(Institute of Cancer Research’s Clinical Trials & Statistics Unit: ICR-CTSU) とインペリアル・カレッジ・ロンドン臨床試験部がん(Imperial College London’s Clinical Trials Unit - Cancer.)の主導で行われました。試験はファイザー株式会社(Pfizer Inc)が出資したのもので、双方の部は英がん研究所(Cancer Research UK)から支援されています。

2年から3年のタモキシフェンによるアジュバント療法後無病であった閉経後患者が、5年のうち残った期間に、タモキシフェンを継続するか、エキセメスタンに変更するか、無作為に分けられました。2007年に発表された結果で、薬を変更した女性は生存率が高いことが示されましたが、この効果が治療完了後も続くのか、そして長期の副作用があるのかは不明でした。

今日発表された分析は、ER+のがんである4,052の患者とER の状態がわからない腫瘍がある547人の女性を含んでいます。中央値91ヵ月の追跡調査後、タモキシフェンを継続使用した女性と比較して、エキセメスタンに変更した女性は病気の再発が18パーセント起こりにくく、死亡率が14パーセント低かったのです。エキセメスタンを服用した女性は、治療中、婦人科系の副作用が少なく筋骨格系の副作用が多かったのですが、両群において長期の副作用の有意差は見られませんでした。

主執筆者でICRの臨床試験・統計部のディレクターであるジュディス・ブリス (Judith Bliss)教授は言います「我々の研究による長期的結果は、エキセメスタンに変更した後に見られた改善は間違いなく、治療完了後少なくとも5年は継続することを示しています。わずかですが持続性のあるこのような全生存率の改善は、ER+の乳がんだと診断された多くの閉経後の女性にとってはうれしいニュースでしょう」

インペリアル・カレッジ・ロンドンがん研究所所長(Head of Division of Cancer)のチャールズ・クームズ (Charles Coombe)教授は言います「この研究の開始時は、長期の副作用があるのか、そしてベネフィットのある有効性が副作用を上回るのかははっきりしていませんでした。今回の最新の分析で、5年間ずっとタモキシフェン治療をした女性と比べ、より多くの女性に恩恵をもたらしているだけでなく、治療中の深部静脈血栓症や子宮癌などの重篤な副作用が少ないことも確信することができました」

毎年英国で乳がんと診断される48,000人の女性の約75パーセントに、エストロゲン受容体陽性腫瘍があります。これは、ホルモンであるエストロゲンががんの成長を促進していることになります。タモキシフェンとエキセメスタンは双方ともホルモン治療ですが、タモキシフェンはエストロゲンを使う腫瘍の能力を遮断することで作用し、エキセメスタンのようなアロマターゼ阻害剤は身体のエストロゲン製造を減少させます。

研究者らは、タモキシフェン治療中、一部のがん細胞が薬の効果に抵抗性を示すようになるのではと考えています。そうなった場合、エキセメスタンはエストロゲンが循環しないようにすることで、これらの耐性細胞を破壊することができます。

英国がん研究所のがん情報部長(director of cancer information)レスリー・ウォーカー(Lesley Walker)博士は言います「これらの結果は、エキセメスタンがホルモン陽性乳がん治療に追加されることは有益であり、また、タモキシフェン抵抗を防止し、多くの女性の治療の成功と生存率とを改善する1つの方法であることを示しています。エキセメスタンのようなアロマターゼ阻害剤様は乳がん治療の選択肢を確かに改善しており、乳がん予防領域でも大いに期待できます」


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