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2014-07-17

ソース(記事原文):メッドスケープ

全般性不安障害の治療:ブスピロンは良い選択肢?

メッドスケープ(2014年7月17日) ― ダレル・フリス PharmD(Darrell Hulisz, PharmD)

【質問】
全般性不安障害(GAD)の治療におけるブスピロンの役割について教えてください。

【ダレル・フリス PharmD からの回答】
(ケースウェスタンリザーブ大学医学部准教授、オハイオ州クリーブランド・大学附属病院ケース医療センター地域医療臨床専門医、オハイオ州エイダ・オハイオノーザン大学ラーベ薬学部実務薬学臨床准教授)

ブスピロンは利用できるようになってから30年近く経つ抗不安薬ですが、不安障害、特に全般性不安障害(GAD)の治療における役割は曖昧で疑問視されることもあります。この薬が初めて利用可能になった頃、GADにはベンゾジアゼピンを使うのが普通でした。GADへの適応が認められたブスピロンにはベンゾジアゼピンで起こる乱用や依存がないので、長期GAD治療の安全な代替薬として販売されました。使用を続ければ、その効き目はGAD患者がベンゾジアゼピンを使用した場合とあまり変わりません。

ただ、現在、GADをはじめとする多くの不安障害の第一選択薬はSSRIとSNRIです。残念ながら、実際の臨床ではSSRIやSNRIに対しどの患者も良好な忍容性を示すわけではありません。性機能障害、胃腸への有害作用、不眠、そして薬物相互作用の可能性がこれら薬剤の使用を難しくすることがあります。ベンゾジアゼピンの使用で呼吸抑制や精神運動障害・記憶障害が起こることがはっきりしていますが、SSRIやSNRIと同じく、ブスピロンもそうした問題を引き起こしません。このため、GADに対するブスピロンの役割をもう一度検討したほうがいいようです。

ブスピロンの作用機序は複数あって選択的セロトニン1A(5-HT1A)部分作動薬に分類されており、シナプス前とシナプス後の5-HT1A受容体を活性化します。また作動薬としても、拮抗薬としても、独自にドパミン受容体と相互作用します。ブスピロンはシナプス前ドパミン受容体を選択的にブロックすると考えられており、中脳のドパミンニューロンの発火亢進を引き起こします。このようにブスピロンは、自己受容体であるシナプス前5-HT1A受容体を活性化させて最初はニューロン発火を抑制するけれど、徐々にセロトニン作動性神経伝達を回復させながら、シナプス後の受容体も活性化させて抗不安作用をもたらします。

小規模な多施設共同二重盲検比較試験で、GAD治療におけるブスピロンをベンゾジアゼピン系のオキサゼパムと比較したところ、効果は同等であることが分かりました。被験者の患者さんは6週間、ブスピロン5~10 mg一日3回群か、オキサゼパム10~20 mg一日3回群のいずれかで治療を受けました。両群のハミルトン不安尺度(HAM-A)は、ベースライン時から試験終了時に至る平均スコア低下がほとんど同じで、統計的な差はありませんでした。副作用についても両群に大きな差はありませんでした。

別の小規模な臨床試験では、高齢のGAD患者を対象にブスピロンとセルトラリン(SSRI)を比較しています。その結果、どちらの薬もHAM-Aの平均スコアを低下させて臨床的に有意な抗不安作用を示しました。試験の第2週と第4週ではブスピロンのほうが優れていましたが、第8週では効果に有意差は見られませんでした(P = .16)。一方、デビッドソン(Davidson)らの研究ではブスピロンよりも徐放性ベンラファキシン(SNRI)のほうが、GAD治療における(HAD尺度の)不安下位尺度で有意に優れた効果を示しました。

GADに対して承認されているブスピロンの初回量は、7.5 mg一日2回です。2、3日おきに2.5 mg一日2回の増量が可能ですが、最大量は30 mg一日2回です。効果が現れるのがわりと遅く、2週間の場合もあればそれ以上かかることもあって、ばらつきがあります。患者さんの忍容性が良好であれば、10~15 mg一日2回にします。投与は一日2回と一日3回が推奨されています。

ブスピロンの使用には欠点があり、ベンゾジアゼピン治療を受けたことがあるGAD患者さんにはほとんど効果がない場合があります。不安が和らぐのはベンゾジアゼピンのほうがはるかに早いですし、明確です。それまでのベンゾジアゼピン使用期間が長い患者さんは、ブスピロンの抗不安作用が弱いと感じたり、効果発現が遅すぎると感じることがあります。また一日に数回の服用も、ベンゾジアゼピン、SSRI、SNRIと比べて欠点となる可能性があります。SSRIにブスピロンを併用した際のセロトニン症候群が報告されていますが、この相互作用が起こる可能性は低そうです。

まとめると、SSRIやSNRIに忍容性がない患者さんや、それら薬剤で効果が得られない患者さんにおいて、GAD治療の役割を担うのがブスピロンであると考えられます。GADが長期にわたっており、ベンゾジアゼピンでうまく管理できている患者さんの場合、効果は限られるかもしれません。ベンゾジアゼピンを使用したことがない患者さんで、特に「必要に応じた」不安の軽減が主な治療目標でなければ、ブスピロンのほうが適しています。

謝辞:専門的サポートをしてくれたジョナサン・マイケルソン(Jonathan Michelson)に感謝します。


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