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2010-09-30

ソース(記事原文):TODAY.com

盲目の冒険家が試験薬で一部の視力回復

TODAY.com (2011年9月30日) ― スーザン・クライマー(Susan Kreimer)著

対象患者数は少ないものの遺伝性の盲目患者を対象とした試験における有望な改善

マイク・スコールズ(Mike Scholes)氏の視力が落ち始めたのは5年前で自由落下パラシュートジャンプの練習をしていた頃であった。

英国ウェストサセックス州リンドフィールドに住む58歳の熱狂的冒険家は「眼鏡士に検査を受けに行き、その5日後に眼鏡を取りに行く途中で、危うく車をぶつけるところだった」と語っている。

その数日以内に何の前兆もなしに左眼の視力のほとんどを失った。スコールズ氏は「自分の人生が激変することになった」という。「熱気球ビジネスで非常に成功していたが、飛行を止めなくてはならなくなった。車は運転できなくなったので売却せざるを得なかった」

CTやMRIスキャンと、X線や脊椎穿刺などの7ヶ月間にわたる検査後、DNA検査によりレーバー遺伝性視神経萎縮症が見つかった。これは正常な視力を持つ人が片眼の視力を失う原因となる遺伝性疾患である。数ヶ月後には、もう片眼の視力を失う。スコールズ氏の場合は、これが診断の前後に起きた。その頃、両眼の中心の見えない範囲が拡大していった。色彩が徐々に消失し、青の色合いしか見分けられなくなった。

母親からの遺伝で主に男性がターゲットとなるもので、LHON(レーバー遺伝性視神経萎縮症)はその名の通り視神経のミトコンドリア(細胞の充電「電池」のようなもの)の損傷に起因する。この病態は通常、青年期において回復不能な失明につながる。米国では推定10,000人、ヨーロッパで別途10,000人、英国で2,000人が発症している。

「少数の患者が回復するのみである。ほとんどの患者は生涯にわたり法制上盲目のままである」と英国ニューカッスルアポンタインにあるニューキャッスル大学(Newcastle University)遺伝子医学の責任者パトリック・チナリー(Patrick F. Chinnery)博士は述べている。

2009年3月、初期症状が始まった54歳から3年後のこと、スコールズ氏はニューキャッスル大学で6ヶ月間の臨床試験があると聞き及び参加志願し、イデベノンという薬をプラセボなのか実薬なのか知らされずに1日3回服用した。1ヶ月半後、同氏は視力中心部の見えなかった部分が小さくなっていると感じた。改善は継続し、黄色と大半の赤色を見分けることができるようになった。

同氏は数少ない幸運な一人であった。同剤は一部の患者の視力を強化し、色覚を増強した。事実、イデベノンを投与された36人中9人は、最終的に視力検査表の一列の文字を読むことができ、2列目に挑むことができた患者も一部いた。同患者らはそれまで1文字も読めていなかった。

イデベノンはミトコンドリアを標的にして作用するもので、有害なフリーラジカルを除去しながらミトコンドリアの機能を改善させる。同剤の二重盲検試験が、英国、ドイツ(ミュンヘン)、カナダ(モントリオール)のニューカッスル病院の患者85人を対象に実施された。

しかし、イデベノンは安全であり忍容性も良好であるように思われたが、転帰は「統計的有意性に達しなかった」と 試験著者らがブレイン(神経内科学誌)で報告した。とはいえ、ミトコンドリア障害を治療する重要な前進といえる。

米国眼科学会(American Academy of Ophthalmology)臨床担当記者で、ヒューストンのベイラー医科大学(Baylor College of Medicine)遺伝性眼疾患を専門とする教授のリチャード・ルイス(Richard Lewis)博士は、発症に数年もかかる緑内障のような疾患とは異なり、これは迅速に進行するとしている。同氏は、この試験は登録患者数が少なく、6ヶ月を超えて追跡していないので、本試験からの非現実的結論を導き出すことのないようアドバイスしている。

一方、スコールズ氏は心から冒険を享受し続けており、視力の有無に関わらず大半の人が考えるよりも身体的にずっと過酷な課題に取り組んでいる。

同氏は「盲人のための盲導犬の資金を調達するためにパラシュートジャンプをした」という。「視力を失ってから1年後、初めてマラソンに出た」。そして、2010年4月には北極まで徒歩旅行し、盲目か一部眼が不自由な男女退役軍人にスピーキング・コンピュータプログラムを提供するための資金を獲得した(これらの偉業はガイドアシスタントと一緒に実行している)。

英国空軍の元パイロットであるスコールズ氏は、今でも資格のあるパイロットと一緒に飛行することができる。同氏は発病以降、熱気球で2度アルプスへ旅行した。

未婚で子供のいないスコールズ氏は自らの失明について「14歳や16歳でなく54歳で発病したことは非常に幸運なことだ」と述べている。「ずっと若かりし頃でなく54歳であったことをとても嬉しく思う」


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