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2015-02-25

ソース(記事原文):メッドスケープ

新たに多発性骨髄腫と診断された患者にも今後はレナリドミド

メッドスケープ(2015年2月25日) ― 米国食品医薬品局(FDA)はレナリドミド(レブラミド、セルジーン社)とデキサメタゾン(複数の商品名あり)の併用について、これまでの適応を拡大し、新たに多発性骨髄腫と診断された患者も対象にすることとした。

FDAはすでに、この併用療法を多発性骨髄腫への使用で2006年6月に承認していたが、その対象者は少なくとも1回は以前に治療を受けたことのある患者だった。

セルジーン社グローバル・サイエンティフィックアフェアーズ(Global Scientific Affairs)副代表のモハマド・フセインMD(Mohamad Hussein, MD)によると、多発性骨髄腫は診断当時の治療反応が良好で忍容性と持続性があれば最も優れた転帰になるという事実があるため、この適応拡大は重要だという。

「今回の承認で医療従事者と患者さんは、奏効率が高く安全性に優れた経口免疫調節薬を利用できるようになります」、と彼は『メドスケープ・メディカルニュース(Medscape Medical News)』に語った。「しかも、継続すれば治療反応の持続性が高まるため、QOLと全生存率が向上します」。

米国の医師の中には、FDAによる正式承認の前からレナリドミドを第一選択薬として使用している者もいる、とポール・リチャードソンMD(Paul Richardson, MD)は説明した。彼は、ボストンにあるダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)ジェロームリッパー多発性骨髄腫センター(Jerome Lipper Multiple Myeloma Center)の臨床プログラムリーダー兼臨床研究ディレクターだ。「前々から使われてはいたけれど、ようやくFDAも第一選択での使用を認めたのだから、治療のパラダイムが変わっていくと信じています」。

「この動きは、第一選択として使用した場合の有効性を重視したものです」。

リチャードソン博士の説明によると、多発性骨髄腫の治療はサリドマイド(サロミド、セルジーン社)によって変化したものの、その使用は毒性のために制限されるという。「より効果が高く、毒性が低いのがレナリドミドです」。

最近、EUでもデキサメタゾンとレナリドミドの併用が第一選択療法として認められたが、その対象は移植非適応の患者だけである。米国では対象となる患者の幅がもっと広く、移植適応・非適応どちらの患者にも第一選択での使用を認めている。

「つまり有用と考えられる患者さんすべてに、選択肢として利用できるようになります」。

今回の承認の根拠となったのは、FIRST試験など第III相試験の安全性・有効性に関する結果だ。FIRST試験では、18カ月のメルファラン・プレドニゾン・サリドマイド治療(MPT)との比較で、病勢進行まで継続するレナリドミド・デキサメタゾン併用療法(Rd継続)を主解析にて評価した。

この無作為化非盲検3群試験の被験者は、新たに診断された患者で移植非適応の1623名。「レナリドミドと低用量デキサメタゾンを1サイクル28日として病勢進行まで使用(Rd継続群)」、「レナリドミドと低用量デキサメタゾンを72週間、18サイクル使用(Rd 18群)」、「メルファラン・プレドニゾン・サリドマイドを1サイクル42日として72週間、12サイクル使用(MPT群)」の3群に、患者を1:1:1で無作為に割り付けた。

主要評価項目は、Rd継続群とMPT群の無増悪生存期間の比較であった。

試験の結果、無増悪生存期間はMPT群(21.2カ月)よりもRd継続群(25.5カ月)で有意に長かった(ハザード比[HR] = 0.72; P = .0001)。

2014年3月3日の中間解析で全生存期間を測定したところ、その中央値はRd継続群で58.9カ月だったのに対し、MPT群では48.5カ月だった(HR, 0.75)。Rd継続群の患者は、MPT群と比べ死亡リスクが25%減少していた。

2つの治療レジメンの安全性プロファイルに大差はなかったが、Rd継続群の患者のほうがMPT群に比べ二次性造血器腫瘍が少なかった。Rd継続群で報告が多かったグレード3または4の有害事象は、好中球減少症(27.8%)、貧血(18.2%)、血小板減少症(8.3%)、肺炎(11.3%)、無力症(7.7%)、疲労(7.3%)、背部痛(7%)、低カリウム血症(6.6%)、発疹(7.3%)、白内障(5.8%)、呼吸困難(5.6%)、深部静脈血栓症(5.6%)、高血糖(5.3%)だった。

ロズウェルパーク癌研究所(Roswell Park Cancer Institute)(ニューヨーク州バッファロー)リンパ腫・骨髄腫科の腫瘍内科医、サラ・ホルスタインMD, PhD(Sarah Holstein, MD, PhD)によると、新たに診断という状況でのレナリドミド・デキサメタゾン使用は以前から行われているので、真新しい標準治療ではないけれど、進行までは継続すべきことを示したデータがこれまでの患者管理の仕方を変えるという。

「少し前に発表されたFIRST試験の結果から、新たに診断された移植非適応の患者さんに対するレナリドミド・デキサメタゾン継続治療は、期間を決めて行った場合よりも、また異なるレジメンよりも優れることが明らかになりました」とホルスタイン博士。「したがって移植非適応の人には特に、進行するまでのレナリドミド・デキサメタゾン使用が標準治療となります。さらに、新たに診断された患者さん達が参加している臨床試験ではこの併用療法が基本骨格となり、そこに新規治療法が追加されています」。

現在進行中の数件の試験では、濾胞性リンパ腫やびまん性大細胞型B細胞リンパ腫など、骨髄腫以外の病気に対するレナリドミドの評価を行っている。

「レナリドミドは他の薬剤と相乗的に働きその活性を高める能力に独自性があり、重大な副作用を増やしたりしません」とフセイン博士は言う。「例えばどのモノクローナル抗体でも、レナリドミドによるADCC活性の亢進がプラスとなることで奏効率が向上し、治療反応が持続します」。

「それに、プロテアソーム阻害薬もレナリドミドの追加で活性が亢進します」と博士は続けた。「ほかの新規薬剤とも組み合わせて、患者さんの短期的・長期的な転帰に有益となることをとても楽しみにしています」。


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