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2011-10-18

ソース(記事原文):ハフィントン・ポスト

心不全による入院の減少で10億ドル節約

ハフィントン・ポスト(2011年10月18日)― カーラ・ジョンソン(Carla K. Johnson)著

シカゴ ― メディケア(米国の高齢者等を対象とする公的保険)患者における心不全の入院率が10年間で顕著に30%低下した。この減少は米国内で初めてのことであり、発生頻度の高い疾患にかかる10億ドルの負担の削減に国家が一歩踏み出したという説得力のある証拠である。

しかし、心不全の動向に関する5,500万人の患者を対象とした過去最大の試験では、単に退院後1年以内の死亡率がわずかに減少したことと、黒人男性の進行に遅れがみられたことが明らかとなった。

主著者でエール大学医学部のジャージー・チェン(Jersey Chen)博士は「全米で心不全による入院数が減少している一方、特定の集団ではこの減少の十分な有益性が認められていない」と述べた。

入院の混雑が抑えられた説明因子として考えられるものには、心臓がより健康的になったことや、高血圧のようなリスク因子のコントロール改善、それに入院せずに救急室や診療所で治療される患者の増加などがある、とフィラデルフィアに在るペン心血管センター(Penn Heart and Vascular Center)医長マリエル・ジェサップ(Mariell Jessup)博士は述べた。

今回の新研究に関与しなかったジェサップ氏は「異例のニュースだと思う。心不全の自然経過を変えようとする多くの取り組みが効果を来たしたように思われ、特に入院率での効果がみられる。とはいえ、依然として極めて厄介な疾患である」と述べた。

米国では500万人以上、そして世界では2,200万人が心不全に罹患している。心不全患者の心臓には血液を送り出すのに過度の負荷がかかるが、これは心臓発作または高血圧によるダメージが原因となることが多い。体液が肺に逆流すると息切れを生じる。

心疾患は心不全の一因である。米国での自己報告の心疾患発症率は2006年から2010年にかけて約7%から6%へ減少したことが、米国衛生当局によって先週報告された。

心不全は高齢者の入院の主因であるため、入院数が減少するほどメディケアは多額の費用を節約できることになる。

1998年~2008年、メディケア受給者10万人あたりの入院件数が2,845件から2,007件に減少したことが、水曜日に発行されたジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(米国医師会雑誌)に掲載された研究で示された。

入院数が同じであった場合、2008年の心不全による入院数は229,000件多くなっていたことになり、メディケアに41億ドルの追加費用が課せられていたことになる、とチェン氏は話している。

入院率を減少させたその他の理由には、特殊なペースメーカのほか、血管を弛緩させるACE阻害薬や、水分蓄積を阻止する利尿薬、心拍動の強さを促進するジゴキシン、心臓の過度の負荷を緩和するβ遮断薬などの薬剤の使用が改善されたことが考えられる。

心不全患者マリア・マラル(Maria Marure)さんは、息切れにより昨年シカゴの複数の病院に搬送された。この56歳の女性は8月にある病院(Our Lady of the Resurrection Medical Center)で1週間過ごした。そこでの主任医師らは、一旦退院した心不全患者の健康を維持させ再入院しないようすることに焦点を当てている。その翌年、国の健康に関する新たな法律により、心不全の再入院率が高い病院には、メディケアの支払いを縮小するという罰則が科され始めた。

このシカゴの病院は、看護師の指示をスペイン語に訳すとともに、彼女の疑問を伝える医療通訳者をマラルさんに付けるという手段を講じた。マラルさんは、自分の心不全に関することや、自分の体重を確認することがなぜ重要なのか(過剰な体液のサイン)に関して初めて理解したという。病院は彼女に体重計を持たせて帰宅させ、在宅医療を受けられることを確認し、定期的に看護師が電話することとした。

これらを実行しても、3週間未満でマラルさんに再び息切れが生じた。医師は彼女を別の病院へ搬送し、そこで4日間入院した。

新たな研究結果にもかかわらず、この患者の経験は心不全が依然として課題となる理由を説明するものであり、研究で明らかにされた1年死亡率もその一例である。退院後1年以内の死亡率は減少したとはいえ、10年間で約32%から約30%へとわずかな減少しかみられない。

「死亡率は未だ容認できないほど高い」とノースウェスタン大学(Northwestern University)フェインバーグ医学部(シカゴ)のミハイ(Mihai Gheorghiade)博士は述べた。同誌(米国医師会雑誌)の付随論説を執筆したミハイ氏は、病院は心不全患者のその他の疾患を積極的に治療するとともに、退院後は迅速に経過観察治療のためのスケジュールを組むことが必要であるとしている。

「今回の結果は希望の兆しである。とはいえ、目標達成にはほど遠い」と同氏は語った。


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