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2014-07-17

ソース(記事原文):精神医学ニュース

抗うつ薬が更年期症状の治療に役立つ可能性

精神医学ニュース(2014年7月17日) ― ジョーン・アーハートトリチェル(Joan Arehart-Treichel)著

辛いホットフラシュ(ほてり)や寝汗の治療時、閉経期女性がエストロゲンを服用したくない時やできない時、抗うつ薬が効果的な代替薬となる可能性がある。

エストロゲンは長年、閉経期のホットフラシュや寝汗に対する標準的治療薬となっているが、それに関連するリスクに伴い、使用することができなかったり、使用したがらなかったりする人もいる。そこで、抗うつ薬であるSSRIやSNRIが、こうした血管運動症状の治療薬として処方されることが多く、なかでもSNRI抗うつ薬ベンラファキシンが広く使われている。

しかし、抗うつ薬であるSSRIとSNRIはホットフラシュや寝汗を抑える点でプラセボよりも効果が高いことが分かっている一方で、エストロゲンと比較した場合の有効性については検討されていない。ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)精神医学準教授ナディン・ジョフィ(Hadine Joffe)博士らは、2種類(SSRI薬とSNRI薬)を比較検討する試験を実施し、SNRI抗うつ薬にはベンラファキシンを用いた。

米国医師会雑誌内科版(JAMA Internal Medicine)5月26日号での報告によると、エストロゲン及びベンラファキシンは、プラセボよりも効果に優れているものの、エストロゲンの方がベンラファキシンよりもわずかに効果が高かった。

2つ以上の辛い血管運動症状を平均1日8回経験している閉経期前後または閉経後の女性339人が本試験に参加した。ただし、試験開始までの1年間に重篤なうつ病症状を発症した患者は除外された。

低用量エストラジオール(0.5 mg/日)群、 低用量ベンラファキシン徐放性製剤(75 mg/日)群、プラセボ群のいずれかにランダムに割り付け、8週間経口投与した。本研究者らは、高用量ではなく、低用量のエストラジオール(エストロゲン)を用いた理由について「エストロゲン療法を最小有効量で投与するよう推奨されているからである」としている。

治療期間中、患者は毎日、血管運動症状の発現回数を日誌に記録した。

治療終了までの1日あたりの血管運動症状の回数は、平均でエストラジオール群3.9回、ベンラファキシン群4.4回、プラセボ群5.5回であった。エストロゲンは血管運動症状の発生回数を53%減少させ、ベンラファキシンは48%、プラセボは29%、それぞれ減少させた。エストラジオール群とプラセボ群の差、そしてベンラファキシン群とプラセボ群の差は、統計学的に有意であった。ベンラファキシン群とエストラジオール群の間に差はなかった。

エストラジオールとベンラファキシンの忍容性はいずれも良好であった。有害事象に起因する中止は稀であり、それについての治療群間差は有意でなかった。

本研究者らは治療反応が、各患者の情動性症状・睡眠の質・人種による影響を受けないことを明らかにした。患者の3分の1はアフリカ系アメリカ人であった。

ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)精神医学助教で女性の健康問題専門家のクラウディア・リアドン(Claudia Reardon)博士は「閉経期のホットフラシュ治療におけるエストラジオールとベンラファキシンを比較する直接比較試験を確認できるのは素晴らしい」と精神医学雑誌(Psychiatric News)とのインタビューで語った。「これらの症状の治療においてベンラファキシンはエストラジオールと全く同等の有効性を有するわけではないが、プラセボよりもはるかに効き目があるように思われる。心の健康に関わる医療従事者として、女性患者から辛い更年期症状について相談を受けることが多く、本試験は治療選択肢の比較効果について話し合うのに有用となる」

ノースウェスタン大学(Northwestern University)精神医学及び産婦人科学教授キャサリン・ウィズナー(Katherine Wisner)博士は「入念に実施された本試験の結果は、大半の中年女性の生活に影響を及ぼす血管運動症状を治療する上で指針となる重要なデータを、患者と医師に提供するものである」と精神医学雑誌(Psychiatric News)に語った。

イリノイ州にあるエドワード・ハインズJr退役軍人病院(Edward Hines Jr. VA Hospital)の女性の心の健康部門で医長を務めるローラ・ミラー(Laura Miller)博士は「血管運動症状の治療におけるベンラファキシンとその他のセロトニン作動性抗うつ薬の有効性は既に証明されているが、 本試験はエストラジオールとベンラファキシンを同一試験においてプラセボと比較することにより、さらなる情報を提供している」と述べている。「今回の結果はエストラジオールとベンラファキシンが閉経期ホットフラシュの発生頻度・重症度・支障度を軽減することを裏付けている。エストラジオールが血管運動症状に及ぼす効果はベンラファキシンよりも大きいとするこれまでの結果は支持されるが、その差の程度は比較的小さいことが明らかにされている。本試験について注意すべき点は、エストラジオールとベンラファキシンが直接比較されていないこと(両剤ともプラセボとの比較)と、エストロゲンの臨床使用で一般に用いられるメドロキシプロゲステロンが試験期間中に投与されなかったことである(薬剤割付を明らかにした後にのみ投与された)。[しかし]全体で、厄介な閉経期の血管運動症状を治療するエストロゲンの代替薬について、本試験は価値ある情報を提供している」

本試験は米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)から財政的援助を受けた。


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