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2014-07-28

ソース(記事原文):メディカル・イクスプレス

排卵誘発効果は従来のクロミッドよりもレトロゾールのほうが高いと研究で判明

メディカル・イクスプレス(2014年7月28日) ― モーガン・シャーバーン(Morgan Sherburne)著

フロリダ大学(University of Florida : UF)が関係した研究によると、排卵誘発剤はまもなく、40年以上使われてきた薬から別の薬に取って代わるかもしれない。女性の妊娠を助ける効果は新しい薬のほうが30%高いという。

『NEJM(New England Journal of Medicine)』に最近発表された研究では、異なる7つの学術センターの研究者らがカップル750組を採用して、従来の排卵誘発剤クエン酸クロミフェン(クロミッドという名が一般的)とレトロゾールの比較を行った。レトロゾールは当初、女性の乳がん再発を防ぐために開発された薬である。

クロミッド群の女性376人のうち、72人が妊娠・出産した。レトロゾール群では374人中103人が出産した。

「クロミッドと比べると、レトロゾールは効果が高く費用はだいたい同じで、副作用が少なく、双子の率がわずかに下がります」。UF生殖内分泌・不妊科長のグレゴリー・クリストマン博士(Dr. Gregory Christman)はそう話した。「クロミッドは40年以上前から不妊治療に利用されてきましたが、この新しい情報により、多嚢胞性卵巣で排卵障害が原因の不妊治療におけるクロミッドの役割を近いうちに再考しなければならないかもしれません」。

多嚢胞性卵巣症候群の女性に最初の治療ステップとしてよく処方されるのがクロミッドであり、不妊治療を望む女性のおよそ3分の1は多嚢胞性卵巣症候群だと博士は話した。米国保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)女性健康局(Office on Women's Health)によると、この障害は妊娠可能年齢の女性20人中1人ぐらいに見られるという。多嚢胞性卵巣症候群の女性は月経回数が少ないのが典型的で、そうでない女性に比べ周期は多くても年に7回のため妊娠する機会が少ない。

クリストマン博士はミシガン大学(University of Michigan)で、試験責任医師の1人として試験施設の1つを監督した。博士はそこで、試験に向けて750組のうち75組を採用した。試験に参加した女性たち(平均年齢29歳)は、クロミッド服用群またはレトロゾール群のいずれかに無作為に割り付けられた。どちらの薬も、投与は月経周期の初期に5日間と用法が同じであったため、試験は二重盲検とした。使用しているのがどちらの薬なのか、医師も患者も知らなかった。

クロミッドは脳に移行して働き、エストロゲン受容体を部分的にブロックする。これが引き金となって、脳が卵巣にもっとエストロゲンを産生するようシグナルを送るために排卵が起こる。レトロゾールは乳がんの再発予防に処方される薬で、循環テストステロンをエストロゲンに変換する酵素を阻害して作用する。主に全身の脂肪組織で働き、女性の血中エストロゲン濃度を低下させる。クリストマン博士によれば、このエストロゲン減少を脳が認識して、卵巣にもっとエストロゲンを作るよう伝えるのが引き金となり排卵が起こるという。

試験の結果からは、レトロゾールのほうが双子が少ないことも判明した。クロミッド群では約10%の女性が双子を生んでいる。レトロゾール群ではこの率が低く、3%から4%の間である。

「双子を期待しているのだと聞いたら人は笑顔になるものですが、多胎妊娠でリスクが増えるので、1回に赤ちゃん1人を妊娠したほうがいいですし安全です」とクリストマン博士。

今回の研究の監督を手伝ったのは、UF保健担当上席副理事長・UFヘルス理事長のデイビッドS.グジック博士(Dr. David S. Guzick)。研究は「生殖医療試験ネットワーク(Reproductive Medicine Trial Network)」を通じて行われ、国立衛生研究所(National Institutes of Health)傘下の国立小児保健発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development)が資金を提供した。このネットワークは現在、第4サイクルに入っており、1サイクル5年である。グジック博士はネットワークの第1サイクルに参加し、現在は新規生殖医療の試験を監督する諮問委員会の議長を務めている。

「不妊症の原因としてよく見られる障害の1つが多嚢胞性卵巣症候群であり、そのような不妊患者を助けるために安全で有効な治療があることを、この研究は示しています」とグジック博士は話す。

クロミッドもレトロゾールも後発品を利用できるため、手頃な価格で治療できる。


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