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2011-05-24

ソース(記事原文):BBCニュース-ヘルス

早歩きが前立腺癌に効く

前立腺癌と診断されて間もない男性は、早歩きをすることで癌の進行を抑えることができると研究者らは主張している。

彼らの観察結果によれば、少なくとも週に3時間ほど速いペースでウォーキングをしている前立腺癌の男性は、その後数年間に癌が増殖したり転移したりする程度を半減させることができるそうだ。

散歩には同等の効果はない、とキャンサー・リサーチ・ジャーナル(癌研究に関する雑誌)は述べている。

専門家らは、運動によって健康を増進できるのは明らかであると述べている。

しかし、より速いペースで長時間ウォーキングを行っていた男性は比較的若くて痩せていた上に非喫煙者の傾向もあり、研究で認められた差のいくつかはそうした傾向によるものであるとも考えられることから、この研究結果は慎重に解釈すべきであるとも述べている。

早歩きの効果

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California San Francisco)による今回の研究では、「限局性」前立腺癌と診断された男性1,455例(ほとんどが60歳代)の予後が検討された。「限局性」とはまだ転移が始まっていないことを意味している。

男性達は、1週間に通常どの程度の運動を行っているか、またどんな種類の運動を行っているかを報告するよう求められた。

研究者らは31か月の追跡調査の間に、前立腺癌の再発、転移性骨腫瘍、前立腺癌による死亡を含む117例の事象を記録した。

そして、早歩きを週に3時間以上行っていた男性は、これら事象の1つが起こる確率がはるかに低いことを彼らは発見した。

ゆっくりとしたペースで週に3時間未満ウォーキングをしていた男性達と比較すると、早歩きをしていた男性達の癌の進行率は57%であった。

筆頭研究者のエリン・リッチマン氏(Lead researcher Erin Richman)は次のように述べている。「前立腺癌の診断を受けた後に速いペースでウォーキングをしている男性は、癌の進行を遅らせるか、あるいは進行を防ぐことさえもできるようである」

「確かに、ウォーキングの有益性はいかに速く歩いたかによって決まっていた。ゆっくりとしたペースのウォーキングでは効果がないように思われた」

「ウォーキングは誰でもできる運動であり、健康状態の改善のためには行うべきである」

癌の増殖を促進することが研究で明らかにされている特定タンパク質の血中濃度を変化させることによって、ペースの速いウォーキングは前立腺癌の進行に影響を及ぼすと科学者らは考えている。

前立腺癌チャリティー団体の研究管理長であるヘレン・リッポン博士(Dr Helen Rippon, head of research management at The Prostate Cancer Charity)は、「前立腺癌の男性全員にこの研究結果を確実に適用できるようにするには、今回のような研究を繰り返し行う必要があります。とはいえ、私達は前立腺癌と診断された男性に対し、そのライフスタイルに適切な量の運動を取り入れるようにすること、そして多くの場合これを達成するにはウォーキングが最も簡単な方法であると必ずアドバイスします」と話した。

英国キャンサー・リサーチのリズ・ウルフ氏(Liz Woolf of Cancer Research UK)はこう述べている。「運動は有益性が高いことや、癌治療後の回復を早めるのに役立つことが知られています。しかし、運動のニーズや能力は人それぞれ異なることから、特定の運動レベルを決めるのは困難です。」

「念のために申し上げますが、癌の人が新しい運動を始める前に医師の診察を受けることが大切です」