アトピー性皮膚炎 - このカテゴリーに関連するニュース・情報

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2007-09-01

ソース(記事原文):BBCヘルス

湿疹

エイドリアン - モリス医師(Adrian Morris

湿疹にはいろいろな種類があり、子供にも大人にも発症し原因も様々です。アトピー性皮膚炎と接触皮膚炎の2つが最も一般的です。

この記事は、2007年9月にエイドリアン=モリス医師により医学的見地からその内容を精査されました。

この記事の初版は、1999年9月に刊行されました。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎(別名アトピー性湿疹ないし乳児湿疹)の症状は乾燥して荒れた皮膚(毛孔性角化症)です。様々なアレルゲン(抗原)が原因になる可能性があり、たいていは乳幼児期、生後3ヵ月ごろに発症します。『アトピー素因』を持つ家系で遺伝的に受け継がれる傾向があります。

こういうものが原因になりえます:

食物アレルギー  1歳未満の小児で大きな原因となりますが成人の場合は違います

・牛乳、卵、ピーナッツは乳児湿疹を最も悪化させる恐れのある食品です

・ヒョウヒダニは、年長児と成人の湿疹を悪化させがちです

・ネコ、イヌその他の柔毛でおおわれたペットのふけに接触することも原因となる可能性があります

・ある種の細菌は突発性の重症湿疹を引き起こすことがあります

接触皮膚炎

主として成人の皮膚炎です。化学物質に接触した皮膚に起こりますが発症するまでに24時間かかります。

接触皮膚炎には2種類あります:

アレルギー性接触皮膚炎 - 一定の期間ある物質に触れることで皮膚が敏感になり、再び同じ物質に接触するとアレルギー反応が起きます

刺激性接触皮膚炎- 皮膚は自然に脂分を分泌していますが、この脂分を奪うような物質に皮膚が触れると発症します  皮膚に発赤、乾燥、ひび割れが起きてかゆくなります

刺激性接触皮膚炎はアレルギーではありません。

およそ成人12人に1人、学齢児童の5人に1人に湿疹が認められます。労働者が職業性皮膚炎(職場で触れる物質への過敏性による刺激性接触性皮膚炎)を発症すると労働時間が減ってしまいますが、英国衛生安全委員会事務局によると英国産業界で失われる労働時間全体のなんと3分の1が同皮膚炎に起因しています。

アレルギー性接触皮膚炎の原因で最も頻度が高いのは以下の物質です:

・貴金属製の装身具や衣服のファスナー、ピアスに使われるニッケル

・ゴムや建材(セメント、溶媒、接着剤等)

・化粧品、毛髪染剤、香水に含まれる成分

刺激性接触皮膚炎の原因で最も頻度が高いのは以下の物質です:

・石鹸、洗剤、衣類柔軟剤

・シャンプー

・消毒薬と漂白剤

症状は

軽症例では湿疹は皮膚の一部が痛んでわずかにぴりぴりするだけですが、重症例になると皮膚の広い面積に炎症が起き、耐えられないほどかゆくなることがあります。

こういった症状のある人の中には自信を失って抑うつ的になるなどの問題が生じ、勉強や仕事に取り組めなくなる人もあります。

湿疹のある人は、ヘルペス、皮膚真菌症、みずいぼに感染しやすくなります。

広範囲のアトピー性湿疹を発症している乳児のうち半数もが、湿疹が改善した後に喘息鼻炎を発症します。この現象を『アレルギーマーチ』と呼びます。

原因の特定

接触皮膚炎を発症しているなら原因を特定しようと努めなければいけません。そうすれば原因物質を避けることができます。さまざまな化学物質の貼付試験が役に立ちます。

アトピー性湿疹を発症している場合は、環境アレルゲンと食物アレルゲンの特殊な皮膚プリックテストを受ければ何に対するアレルギーなのか判明する可能性があります。アレルゲンが特定できたら具体的な手段を取ってアレルゲンを避けることができます。

治療は

湿疹性皮疹を引き起こす物質を徹底的に避け、既存の皮疹は中程度の力価のステロイド軟膏と皮膚に潤いを与える軟化剤で治療します。

アトピー性湿疹の方が治療が少し難しい場合が多いです。ぴったりの治療法が見つかるまでにいろいろな治療法や様々な組み合わせの治療法を試す必要があるかもしれません。

アトピー性湿疹のある人は入浴の際にいつも軟化剤(保湿性のあるクリームや軟膏、ローション剤、浴用オイル)をたっぷり使って皮膚を柔らかくし潤いを与えるとよいでしょう。乾燥して湿疹の出た皮膚にはクリームより軟膏の方が効果的ですが、軟膏はべたべたします。

香料やラノリンの入った保湿剤は避けてください。

湿疹が急激に発症した場合には十分な量のステロイド軟膏を用いて治療し皮膚の炎症を静めるべきです。5~7日間塗布を続けなければ湿疹はよくなりません。

ステロイド軟膏の使用を怖がってはいけません。一 ステロイドで湿疹を治せばあとは保湿剤でずっと皮膚を守っていけます。保湿剤とクリームだけでは活動性の湿疹を落ち着かせることはできません。

かゆみ止めとして抗ヒスタミン薬を処方されるかもしれません。これはかゆみを抑えることで夜ぐっすり眠るのにも役立つでしょう。重症のアトピー性湿疹の場合、炎症を静めるために経口ステロイドの錠剤を短期間処方されるかもしれません。

ブドウ球菌やレンサ球菌の感染による膿痂疹や湿疹の突然の悪化に対しては時として抗生物質の服用が必要になるかもしれません。

軟化剤とステロイドクリームの塗布だけで効果がない場合、特に小児に対して夜間の『Wet Wraps 手技』を行うことがあります。これは軟化剤とステロイドクリームを塗った部分を湿った管状包帯で覆い薬剤の吸収を助けるものです。かゆみを静め、掻いてしまうのを防ぐのにも役立ちます。

マツヨイグサ油(ないしガモレン酸)はアトピー性湿疹を治療するのに使われてきましたが、効果は期待できません。

漢方薬の湿疹に対する有効性について試験が行われ、中には有望な結果を示しているものもあります。しかし『植物だから』とか『自然のものだから』という理由だけで漢方薬は誰にとっても安全だということにはならないとしっかり頭に入れておくことが大切です。

ヒスタミンを含む食品の摂取量を減らすとかゆみと発赤が抑えられる可能性があります。トマト、イチゴ類、濃いチーズ、チョコレート、マーマイト(イーストエキスのペースト)、赤身の魚等がそうです。

タクロリムスとピメクロリムスという新しい非ステロイド系の湿疹用クリームは、顔面のように感受性の高い部位の湿疹を治すのに有効なようです。ステロイドによる副作用も出現しません。

共生細菌、いわゆる『体にいい細菌』を小児期の早い段階から食事の際に補うと湿疹が発症する危険性が小さくなるという証拠が増えてきています。食事にオメガ3精油を添加するのも有益かもしれません。

アトピー性湿疹を発症しているなら、以下のことが役に立つかもしれません:

・軟化剤を湯に溶かして微温浴をします しかし長時間入浴してはいけません

・皮膚を拭くときはタオルで軽くたたくようにします ― 湿疹の出た乾燥した皮膚は絶対こすってはいけません

・石鹸、洗剤、シャンプーは使わないでください-石鹸の代わりに親水軟膏を使ってください

・肌に触れる部分は綿製品を着用します ― 羊毛製品とポリエステルは避けてください

・ぴったりした衣類は避けゆったりしたものを着用します

・指の爪を切ります 皮膚をひっかいたりこすったりしてはいけません

・大量に汗をかくような運動は避けてください

・ストレスが湿疹を悪化させますから穏やかにくつろいで過ごすよう心がけましょう


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