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2005-10-14

ソース(記事原文):BBCニュース

米国が家庭用迅速HIV検査キットを検討

米国は初の家庭用迅速HIV検査キットの承認を検討している。

自宅で1人きりで、20分以内に自分が感染しているかどうか分かるようになるだろう。

多くの人は、この方法で調べた人が自殺する可能性があるため、検査を指導するとともに対面カウンセリングを行うべきであるとの懸念を表明している。

こうした理由から英国では家庭用HIV検査キットは禁止されている。しかし、中にはインターネットで未承認キットを購入する者もいる。

米国食品医薬品局(FDA)は、他の家庭用HIV検査キットをすでに1件承認している。しかしこの検査では、個人が指の刺し傷から採取した血で特殊な紙に染みを付け、これを乾燥させて分析用の検査所へ送る必要がある。

その後、その人物は通話料無料の番号に電話をかけて自分の暗証番号を伝え、結果を知るのと同時に検査後のカウンセリングを受ける。

これに対し新オラクイック検査は、現在は米国の医師とクリニックに対してのみ販売されている検査薬であり、家庭で口腔スワブを使って20分後にはすぐに結果が出る。

家庭用迅速検査

市販の妊娠検査薬とよく似ており、コントロールラインが1本表示される場合は陰性で、ウイルス感染の兆候は検出されなかったことを意味する。

ラインが2本の場合は感染が認められ、その人物はHIV陽性であることを意味する。

この検査の利点は、より多くの人が簡単に、また匿名で自分のHIV状態を知ることが可能であり、できればそれが早期診断・早期治療につながることで生存率を改善できることにある。

しかし、自分で検査を行った人が結果を誤って解釈する可能性や、ライブカウンセリングを利用できず、自分が陽性であると分かったもののうまく対処できない可能性が懸念される。

検査キットにはカウンセリングに関する情報を記載した手引きが添付される予定である。

懸案事項

少数の結果は正しくない可能性があり、これは検査後にはHIVが認められるのに自分はHIVではないと考えてしまう人もいれば、実際にはウイルスを保有していないのに自分は保有者であると考えてしまう人もいることを意味する。

検査結果が陽性の人は、その後医師の診察を受けて結果を確認し、自分にはどんな治療とサポートが必要なのか知ることが重要であるが、一部の怖がっている人達はこうした支援を求めない可能性がある。

FDAは諮問委員会に対し、OraSure社の検査キットを薬局の店頭で販売すべきか結論を出す前に、こうした問題を考慮するよう求めている。

一部では、英国は家庭用HIV検査キットに対する姿勢を見直すべきだと考える者もいる。

Terrence Higgins Trustの方針責任者Lisa Power氏は、次のように述べた。「私達は大変興味を持ってこの動向を見守っています。」

「家庭用HIV検査薬を認可し、これを規制するための英国の法改正に私達は賛成していますが、その検査薬は使用方法が簡単で、正確な検査結果を示すものでなければなりません。」

「現在、英国では多くの人が不正な家庭用HIV検査キットをインターネットで購入していますが、その多くは低品質のもので、誤った結果を出す可能性があります。」

Avertの広報担当者は次のように述べた。「もしその検査キットが承認されて、検査する人の数が増えるなら、それは良いことです。」

「しかし注意しなければいけません。十分なサポートが無いまま自分で検査を行い、結果を知った場合の自殺リスクについて大きな懸念があります。」

「HIVはかつて非常に恐れられていましたが、致命的な病気ではなく、以前ほど怖がる必要はありません。」

また、この検査キットの使用者が十分なサポートを受けることが極めて重要だとも述べた。

「検査後は医師の診察を受けて、確認検査を行うよう勧めることが必要であり、また病気の経過全体を通じてどう対処し、どんな治療が必要なのかアドバイスすることも必要です。」

さらに、もし米国で承認されて、有益性がリスクを上回るのであれば、英国もこれに追随するよう検討すべきだとも述べた。


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