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2006-11-14

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

糖尿病治療薬は動脈壁肥厚の進行を遅らせるのに役立つ可能性

サイエンスデイリー(2006年11月14日)―JAMAオンライン版に本日掲載された研究によれば、糖尿病患者のインスリン感受性を改善するため投与される薬は動脈壁の肥厚も遅らせるようである。この研究は、米国心臓協会の科学セッション(American Heart Association Scientific Session)での発表と同時に早期公開されており、JAMA12月6日号に掲載される予定である。

この研究論文の背景情報によれば、糖尿病の人は(糖尿病に罹るとブドウ糖をエネルギーに変えるのに必要な量のインスリンを十分産生できないか、あるいはインスリンに応答することができない)心筋梗塞(心臓発作)のリスクが比較的高い。血圧と低密度リポ蛋白(LDL、すなわち「悪玉」)コレステロール値をコントロールすることで、この過剰リスクがいくらか低下することが明らかにされている。「しかし、これら心血管疾患の強力な危険因子を最適にコントロールしても、糖尿病ではない人に比べるとそうした疾患のリスクは依然として高いままである」と著者らは述べている。「そのため、糖尿病患者の心血管疾患リスクをさらに低下させる新たな治療法が必要である。」

イリノイ大学シカゴ校医学部のセオドア・マゾーニー医学博士(Theodore Mazzone, M.D., of the University of Illinois at Chicago College of Medicine)と同僚らは、2003年から2006年までの間、シカゴ都市圏の2型糖尿病の成人462例を対象にピオグリタゾンとして知られる薬を用いた新たな治療法の効果について調査した。試験参加者の平均年齢は60歳で、男性289例および女性173例であった。参加者はピオグリタゾン1日15mgから45mg投与群、グリメピリド1日1mgから4mg投与群のいずれかに無作為に割り付けられた。グリメピリドは、ピオグリタゾンとは異なる作用機序によって効果を発揮する糖尿病治療薬である。試験開始時と24週間後、48週間後、72週間後に、超音波を用いて頸動脈中層の厚さを測定した(頸動脈は首に位置しており、脳に血液を運ぶ動脈である)。この測定値は頸動脈内膜中膜複合体厚(又はCIMT)と呼ばれる。これを用いたその他の試験から、動脈壁が比較的厚いこと、また動脈壁が時間の経過とともに厚く変化するのに伴い心臓発作リスクが高まることが示されている。また血圧、血中コレステロール値、有害事象と同様に、長期間の血糖管理指標であるグリコヘモグロビン(HbA1c)値も試験期間を通じてモニタリングが行われた。

72週間の試験を完了したのは、ピオグリタゾン群では計158例(68%)、グリメピリド群では計165例(72%)であったが、頸動脈の超音波検査を少なくとも1回受けたピオグリタゾン群の175例(76%)とグリメピリド群の186例(81%)が動脈壁厚解析の対象とされた。ベースライン時の平均CIMTは、ピオグリタゾン群とグリメピリド群で同等であった(0.771mm対0.779mm)。追跡調査期間の72週目では、グリメピリド群の平均CIMTは試験開始時よりも0.012mm増加し、一方ピオグリタゾン群の平均CIMTは0.001mm減少した。「事前に定めた、年齢、性別、収縮期血圧、2型糖尿病の罹病期間、BMI、HbA1c値、スタチン使用に基づくサブグループ解析からも、ピオグリタゾン治療の有益な効果が明らかとなった」と著者らは述べている。

試験期間を通じて、2つの群の血圧変化に有意差はみられなかった。またHbA1c値も48週目までは同等であったが、その後ピオグリタゾン群の値はグリメピリド群よりも有意に低下した。高密度リポ蛋白(HDL、すなわち「善玉」)コレステロール値については、ピオグリタゾン群で24週目まで上昇し、72週間を通じてグリメピリド群よりもピオグリタゾン群のほうが高かった。著者らは、これらの測定値は、ピオグリタゾンのいくつかの作用機序によって動脈壁厚が減少した可能性を示していると述べており、「チアゾリジン(ピオグリタゾンが属する薬剤クラス)は、血管壁に直接有益な効果をもたらす可能性も依然として有する」と続けている。

「これら研究結果の臨床的意義、特にピオグリタゾンをグリメピリドの代わりに常用するという治療戦略が、主要な心血管疾患を実質的に減少させるかどうか検討するには追加のデータが必要である。」と結論付けている。


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