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2013-03-15

ソース(記事原文):メディカル・エキスプレス

糖尿病治療薬シタグリプチンはHIV患者に安全―研究で判明

メディカル・エキスプレス(2013年3月15日)― ジム・ドライデン(Jim Dryden)著

シタグリプチンはインスリン分泌の後押しをするため、結果的に血中の糖が多く処理されることになる。この薬は、糖尿病リスクがあるHIV陽性患者が使用しても安全なようだ。

HIV患者は、心臓発作、糖尿病、インスリン分泌障害のリスクが高くなる。厄介なことに、そうした二次的問題を防ぐための薬物療法は免疫系を弱体化させるという懸念があるため、利用できる薬の選択肢は少ない。

だが、ワシントン大学医学部(Washington University School of Medicine)(セントルイス)の研究者らが行った新しい研究によると、糖尿病治療薬シタグリプチンはHIV感染患者に安全なようであり、免疫系への悪影響はみられなかった。

この研究は、ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism)2月号に掲載された。

「私たちが研究を行ったシタグリプチンという薬は、2型糖尿病のために開発され、2006年から販売されています。しかし、HIV患者を対象に安全性を調べる試験は行われたことがありませんでした」と、上級研究者のケビンE.ヤラシェスキーPhD(Kevin E. Yarasheski, PhD)は話す。「今回の小規模な試験では、この薬は安全なようです。今度は、HIV陽性で代謝障害もある人を対象に試験を実施して、シタグリプチンは糖尿病発症の可能性を減らすことができるのか調べる必要があります。」

ほとんどのHIV患者は『カクテル療法』という多剤併用療法を受けて、ウイルス量を低く抑えている。この多剤併用療法を利用するということは、HIVがもはやほとんどの患者にとって死の宣告ではなく、慢性疾患として管理できるということだ。

しかし、HIV陽性でそれに応じた薬物療法を受けていると、コレステロール値の異常や糖尿病のリスクが高まり、ひいては心疾患リスクが高くなる。結果、HIV感染の治療を受けている患者は、そうでない人たちに比べ、糖尿病を発症したり心臓発作を起こしたりする危険は約2倍になる。この二次的な問題は若年で起こることが多いため、安全で効果の高い治療の必要性が強調されている。

今回の試験には、HIV陽性で、すでに抗HIVのカクテル療法を受けており免疫系が安定しているボランティアの男女20名が参加した。カクテル療法に加えて、被験者は最長6カ月間、シタグリプチンまたはプラセボのいずれかを服用した。試験期間にわたり、標準的な指標(CD4陽性T細胞と呼ばれる主要免疫細胞の数)から免疫機能の評価が行われた。

「被験者は皆、ウイルス量が検出限界以下の状態で試験に参加し、全員がCD4陽性T細胞の数は正常でした。試験期間中もウイルス量はずっと検出不能のままで、CD4細胞数も減少しませんでした」ヤラシェスキー氏はそう説明する。

シタグリプチンは、DPP4阻害薬と呼ばれるクラスの経口薬である。食事を摂ると腸でホルモンが産生されて、血中の糖を貯蔵しようとするインスリンの分泌を助けるが、DPP4はこのホルモンを処理してしまう。

「シタグリプチンはインスリン分泌を後押しします。この薬によって体内でインスリンが活動を続ける時間が長くなるため、血中の糖をより多く処理することができます。しかし動物モデルや細胞モデルを使った研究から、このクラスの薬剤にはマイナスの影響もある可能性が分かりました。」

要するに、シタグリプチンのようなDPP4阻害薬が標的とする分子は、インスリンに影響を与える細胞や一部の免疫細胞上にも存在する。そのため研究者らは、この薬がHIV患者の免疫系を弱めたりしないか確認したいと考えた。

「HIV患者にシタグリプチンを投与したら、すでに安定している免疫系の状態を変えてしまうのではという恐れがありました」と、ヤラシェスキー教授(内科学、細胞生物学・細胞生理学、理学療法学)は話す。「しかし、この試験結果からそのようなことは起こらないと考えられます。」

研究者らは現在、シタグリプチンが他の糖尿病治療薬と同じように、HIV感染のほかに耐糖能異常や脂質異常などの危険因子を持つ人の糖尿病リスクを下げることができるかどうか調べている。今回の安全性に関する予備的研究では、被験者はまだ高血糖や高コレステロールの状態ではなかったため、この問題の評価を実施できなかった。


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