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2014-05-16

ソース(記事原文):UPMC

薬物療法の向上に希望を与えるHIV/エイズ研究の飛躍的な進歩

UPMC(2014年5月16日) ― ピッツバーグ 多くのHIV関連合併症の原因となるのではないかと長年疑われてきたことの直接的証拠が、ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)ワクチン研究センター(Center for Vaccine Research:CVR)を中心とする研究チームによって初めて把握された。今回の結果から、HIV進行を著しく減速させるためには、抗レトロウイルス薬に補助療法を追加することが支持される。

本研究は、腎透析施行患者において一般に投与される薬剤を、サル免疫不全ウイルス(SIV)に感染したヒト以外の霊長類に投与すると、腸から漏れ出す細菌数が有意に減少し、合併症が減少することを明らかにした。この結果は、米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation)」6月号に掲載され、オンライン版で閲覧可能である。本研究は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)から財政的援助を受けた。

ピッツバーグ大学ワクチン研究センター病理学教授イヴォナ・パンドリア(Ivona Pandrea)博士は「一部のHIV感染者の予後不良となる主な原因の直接的証拠を把握した。これはエイズとの闘いにおける重要な画期的躍進となるものである」と述べている。「研究者や医師らは、HIV感染者における死亡および心疾患を招く重要な原因を鈍化または阻止するための潜在的治療をより適切に検討できる」

慢性的な免疫系活性化および炎症は、HIV感染からエイズへの進行における重大な決定因子であり、HIV患者における過度の血液凝固や心疾患を誘発する上で重要な役割を担う。この原因は、HIVによって損傷を受けた腸管粘膜から腸内細菌が体内へ漏れ出す時に生じるバクテリアルトランスロケーション(微生物の移行)である、と医師らは考えていた。しかし、こうしたメカニズムが存在するという直接的証拠は存在しなかった。

パンドリア氏らは、腸から漏れ出す細菌を遮断することで、慢性的な免疫活性化や炎症が軽減されることを明らかにした。この結果は、サル免疫不全ウイルス(SIV)という霊長類型HIVに新たに感染させたサルに対して、薬剤セベラマー(商品名Renvelaまたはレナジェル)を投与することで得られた。

セベラマーは、慢性腎臓病患者における血液中リン酸塩濃度上昇に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)によって認可された経口薬である。

腸内細菌がセベラマーに結合することで、細菌は体内へ移行しにくくなり、心疾患などの重大な問題を起こしたり、免疫力が低下したり、HIVからエイズ発症への進行を可能にしたりすることを困難にさせる。

セベラマーで治療したSIV(サル免疫不全ウイルス)感染サルでは、微生物の移行を示すタンパク質発現量は低値のままであった。一方、未治療のサルでは、サル免疫不全ウイルス感染後1週間で、この数値が約4倍に上昇した。

微生物の移行率が低いセベラマー治療サルは、過剰な血液凝固に関連するバイオマーカーの発現量がより少なかった。つまり、HIV患者における心発作と脳卒中は、抗HIV薬ではなくむしろ慢性的な免疫系活性化および炎症に関連する可能性が高いことを示している。

パンドリア氏は「以上の結果から、細菌が腸から漏れるのを阻止すると、多くのHIV併存症の発生率を低下させられることが明確に示されている」としている。

HIV感染者における大半の治療介入は、患者がHIV慢性期に達した後(腸が既に著しく損なわれた時点)で開始されるため、「こうした治療法を感染後期に行っても同様の効果は得られない可能性がある。HIV感染患者を対象とした臨床試験では、慢性感染患者における微生物の移行を未だ軽減させるに至っていない。今回の研究は、HIV感染者に早期かつ持続的な薬物療法を行うことの重要性を指摘している」とパンドリア氏は述べている。セベラマーを、抗生物質、抗炎症薬、プロバイオティクスと併用したり、既存のHIV/エイズ治療薬を追加したりするなどのアプローチを行うことで、 微生物の移行確率を低下させられる可能性がある。これらの治療法を評価するための臨床試験が進行中である。

上記以外の本研究に参加した研究者:ピッツバーグ大学のJan Kristoff(B.A. M.S.)、George Haret-Richter(Ph.D.)、Dongzhu Ma(Ph.D.)、Cuiling Xu(Ph.D.)、Jennifer L.Stock(B.S.)、Tianyu He(B.S.)、Adam D. Mobley(B.S.)、Samantha Ross(B.A.M.S.)、Anita Trichel(D.V.M.Ph.D.)、Cristian Apetrei(M.D. Ph.D.)、ラッシュ大学(Rush University)のAlan Landay(Ph.D.)、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)のRuy M.Ribeiro(Ph.D.)、バーモント大学(University of Vermont)のElaine Cornell(技術者)、Russell Tracy(Ph.D.)、コロラド大学(University of Colorado)のCara Wilson(M.D.)


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