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2012-08-19

ソース(記事原文):メールオンライン・ヘルス

遺伝要因を逆転させる脱毛症の治療薬が2年で上市されるかもしれない

メールオンライン・ヘルス(2012年8月19日)― 毛包の成熟を停止させるタンパク質を科学者が発見

発見した研究チームは製薬会社との交渉を進めており、2年で治療薬が上市するかもしれない。

脱毛症の治療薬は、科学者らと製薬会社との交渉が進展すれば、かつて考えられていたよりも早期に上市するかもしれない。

ペンシルバニア大学の科学者らは、毛包の活動を停止させる酵素が脱毛症の原因であることを発見したと考えている。

ジョージ・コトサレリス(George Cotsarelis)博士は、2年後に利用可能になりうる治療薬の開発に関し、数社の製薬会社と交渉中であることを今週発表した。

タンパク質を阻害する薬は、喘息やアレルギーの治療に使用されており、既に市販されている。

ペンシルベニア大学のコトサレリス博士と博士の皮膚科学のチームは、プロスタグランジンD2(PGD2)という酵素が毛包の成熟を妨げることを発見した。

遺伝要因と脱毛症との関連は、長い間一般的な知識とはなっているが、原因とはされていなかった。

しかし、研究チームは、脱毛症の男性の頭皮を分析し、髪が薄い部位ではPDG2のレベルが3倍高いことを見出した。

同じチームによる以前の研究は、脱毛症の男性は毛髪を作る能力のある細胞を持っているが、その細胞が成熟していないことを見出している。

PGD2は細胞の成熟を妨げ、毛髪を再び成長させる作用を妨げると考えられている。

実験室でのマウスの試験で、化合物が毛髪の成長を妨げた、とサイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)誌は3月に報告した。

酵素の 「ブロッカー」は喘息やアレルギー症状を治すために錠剤として処方されているが、頭皮に塗布できるローションにすることは可能なはずだ。

コトサレリス博士は「一般的な皮膚科学や脱毛症について素晴らしい点は、恐らく錠剤として使用されている化合物を使い、それらを局所製剤にできるということだ」と述べた。

「我々は確かにそれが抜け毛の予防に効果があると考えているが、毛髪が再成長することが確実に分かっている訳でない」

臨床試験では、この治療が毛髪を失いつつある女性にも効果があることが示唆された。

女性の脱毛症は男性の脱毛症よりも大きな不名誉が伴うが、多くの人々が考えるほど珍しいことではない。

更年期のホルモンの変化により、約40%の女性が何らかの抜け毛を経験する。

しかし、この数字は男性の方が著しく高い、とコトサレリス博士。

全男性の半数近くが50歳までにある程度の男性型脱毛症となり、その割合は70歳までに70%に急上昇する。

コトサレリス博士は「これらの知見は男性型脱毛症以外にも意味を持つと考えているが、そうでなかったとしても、素晴らしいことになると思う」と述べた。

「多くの人が髪はないよりあるほうがいい、と考える」ので、この薬は開発されたら発毛市場に革命をもたらすであろう。

英国の740万人の薄毛や毛髪を失った男性は、このような症状を治療する選択肢が限られている。

毛髪移植は痛みを伴い高価で、成功するかどうかは一様でない。

唯一利用可能な2つの薬は、副作用のリスクが高い。

テストステロン遮断薬プロペシアは、インポテンツの原因となる場合があり、第2の薬であるアメキシディル(Amexidil)は毛包への血流を増加させ、実際のところ脱毛を加速させる可能性がある。

他の研究所で開発中の治療法に、頭皮で髪の成長を促進させるための、腹部の脂肪細胞を使った皮下注射などがある。

コトサレリス博士のチームは、この新薬はわずか2年で上市する可能性があると述べた。