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2013-12-10

ソース(記事原文):ブリストル大学ニュース

降圧薬アムロジピンが脳血管性認知症の初の治療薬になるかも

ブリストル大学ニュース(2013年12月10日) ― 2つの主要な慈善団体によると、1日4ペンスで済むアムロジピンがあと10年のうちに脳血管性認知症の初の治療薬になるかもしれない。

認知症の中でも、アルツハイマー型に次いで多いのが脳血管性認知症だ。アムロジピンは降圧薬として広く処方されているが、このタイプの認知症患者への効果も期待できることが明らかにされている。アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Society)と英国心臓基金(British Heart Foundation : BHF)は、脳血管性認知症の患者を対象に225万英ポンドをかけて、アムロジピンの有効性を調べる大規模な臨床試験を新たに始めると発表した。

クイーンズ大学ベルファスト医学・歯学・生物医科学部(School of Medicine, Dentistry and Biomedical Sciences at Queen’s University Belfast)を拠点とする専門家らは、認知症治療としてのアムロジピンの可能性を2年間調べる画期的試験の被験者として、脳血管性認知症の患者を600人近く募る予定である。

ピーター・パスモア教授(Professor Peter Passmore)がリーダーを務め、ブリストル大学臨床科学部(University of Bristol’s School of Clinical Sciences)のパット・キーホー教授(Professor Pat Kehoe)とリズ・クルサード博士(Dr Liz Coulthard)が共同研究者として参加する研究チームは、1日10 mgのアムロジピンで記憶と認知機能が有意に改善することを示したいと思っている。この薬はすでに降圧薬として承認を取得しており、安全なことも分かっているため、NHSの費用負担も月に1.07英ポンド程度で5~10年以内には認知症治療薬として使われている可能性もある。

脳血管性認知症は脳の血流障害が原因で起こり、英国の患者数は約15万人におよぶ。特に心臓の病気、高コレステロール、糖尿病の人にはリスクがあり、脳卒中が引き金となる。現在、このタイプの認知症に利用できる治療はないというのに、進行中の臨床試験の数は花粉症のものよりも少ない。

アムロジピンは、脳血管性認知症の主な危険因子である高血圧の治療に使われている。この薬は脳に入ることが分かっており、研究者らは、脳の血流が乏しいときに脳細胞をダメージから守ることで作用するのではと考えている。

クイーンズ大学ベルファストのピーター・パスモア教授は、「脳血管性認知症はごく一般的な病気なのに、これまで有効な治療の開発に成功した大規模試験はありません。先行研究のエビデンスを利用して、アムロジピンの試験を行うことで、あと10年のうちに患者の転帰改善に一歩近づければと思っています」と話す。

ブリストル大学臨床科学部、認知症トランスレーショナルリサーチ(Translational Dementia Research)のパット・キーホー教授も、「ブリストル大学では、クルサード博士が率いるBRACE支援の『認知症臨床研究プログラム』が急速に拡大しています。今回の大規模試験は、アルツハイマー型に次いで多い脳血管性認知症との闘いを英国がリードしていることを示すものであり、当大学がその一端を担うのは素晴らしいことです」と語った。

アルツハイマー病協会のジェレミー・ヒューズ(Jeremy Hughes)チーフエグゼクティブは、こう話す。「脳血管性認知症の患者数は15万におよぶのに、有効な治療がなく、そのうえ研究中の新しい治療もごくわずかというのは恥ずべきことです。この画期的な試験は、最も大きな希望となるのではないでしょうか。私たちは、10年後までには有効な治療が利用できているようにしなければと思っています」。

「新しい薬を一から開発すると、何億という費用がかかり、期間も20年はかかる可能性があります。でも、当協会の主力プログラム『ドラッグ・ディスカバリー』の狙いは、既存薬を使って認知症患者さんが参加する試験を行うことで、プロセスを速め、ひいては新しい治療をより速く、安価に利用できるようにすることです」。

BHFのメディカルディレクター、ピーター・ワイズバーグ教授(Professor Peter Weissberg)も、こう話した。「冠動脈心疾患を抱えながら生活している人は英国に230万人おり、彼らは脳血管性認知症の発症リスクが高めです。残念ながら今のところ、この大変な病気の有効な治療はありません」。

「アムロジピンは広く処方されている降圧薬で、脳血管性認知症への効果も期待できることが明らかにされています。この、決定的な研究の費用を共同で負担する力がBHFとアルツハイマー病協会にはあります。良い結果が出れば、近い将来、脳血管性認知症の安価な治療への道を開くことになります」。

もっと詳しく:

*65歳以上の3人に1人は認知症を発症するでしょう。

*アルツハイマー病協会の研究によると、英国には認知症患者が80万人存在し、その半数以上はアルツハイマー型です。10年もたたないうちに、100万人が認知症を抱えて暮らすことになります。この数は、2051年までに170万人に急増するでしょう。

*アルツハイマー病協会は、認知症の患者と、彼らをケアする何百万もの人たちの権利を擁護しています。

*アルツハイマー病協会は、イングランド、ウェールズ、北アイルランドで活動しています。

*アルツハイマー病協会には、認知症に対処していくプランがあります。今日は人が健康に生きられるよう支え、明日は認知症のない世界のために闘う私たちにご協力ください。当協会はその重要な仕事を、任意の寄付に頼って続けています。「0845 306 0898」までお電話いただければ、寄付をすることができます。

*アルツハイマー病協会は、『全国認知症ヘルプライン(0300 222 11 22)』を設置しています。

BHFについて

英国で死因の単独1位となっているのが、冠動脈心疾患です。BHFは50年以上にわたり、心臓の病気や循環器疾患を抱えて暮らす人の生活に応用できる研究を先駆けて行ってきました。私たちの仕事は、数々の重要な治療の発見で中心的役割を果たしており、そうした治療によって心臓病との闘いも変化してきています。しかし、私たちの助けを必要としている人が、まだたくさんいるのです。命にかかわる心臓の障害を持って生まれた赤ん坊から、心臓発作を乗り切り、心不全という日々の闘いに耐える多くの大人たちまで…。集まった資金、皆さんが割いてくれる時間、活動拠点への寄贈―そのすべてが、人々の生活に変化をもたらす助けになるでしょう。


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