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2011-02-15

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

飲料水に含まれるエストロゲンは経口避妊薬が原因ではない

サイエンスデイリー(2011年2月15日)-一般に信じられているのとは異なり、米国の飲料水中にみられるエストロゲンのうち経口避妊薬由来のものは1%に満たないことが、このテーマに関して発表されたさまざまな研究を解析した科学者らによって結論付けられた。性ホルモンは人や野生動物に有害な影響を及ぼす可能性がある内分泌かく乱物質として懸念されており、彼らの報告は、その大半が経口避妊薬以外の原因により飲料水に入ると示唆している。この研究報告は、アメリカ化学会(ACS)の学術雑誌エンバイロンメンタル・サイエンス・アンド・テクノロジー(Environmental Science & Technology)に掲載されている。

アンバー・ワイズ氏(Amber Wise)、ケイシー・オブライエン氏(Kacie O'Brien)、トレーシー・ウッドラフ氏(Tracey Woodruff)は、飲料水中のエストロゲンへの慢性曝露と、不妊問題など人の健康への有害影響との間に関連性があるかもしれないと以前から懸念を示している。米国では妊娠可能年齢の女性約1,200万人が経口避妊薬を服用しており、その尿中にはエストロゲンが含まれている。このため、湖水や河川水に含まれるエストロゲンの主な原因は経口避妊薬であると信じられているのである。汚水処理施設は経口避妊薬が含有する主要エストロゲンの17 (‐エチニルエストラジオール(EE2)をほぼすべて除去することが知られているため、科学者らは飲料水中のエストロゲンの主な原因を突き止めることにした。

彼らの分析から、米国の飲料水に含まれるEE2の予測濃度は、大豆製品や乳製品のほか、農業用肥料として未処理のまま使用される家畜排泄物の天然エストロゲン量よりも低かったことが明らかにされた。また経口避妊薬を服用している女性だけでなく、あらゆる人(老若男女、特に妊婦)がその尿中にエストロゲンを排泄していることも明らかにされた。今回の研究報告に引用されたある研究は、環境中のエストロゲンのうち90%は家畜排泄物が原因であると示唆している。また別の研究は、家畜排泄物に含まれるエストロゲンのうちわずか1%でも水路に到達した場合、飲料水中のエストロゲンの15%を占めることになると推定している。