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2010-04-12

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

高グリセミック指数食品の摂取量が多い女性は心疾患に注意

サイエンスデイリー(2010年4月12日)
グリセミック指数(血中のブドウ糖値上昇の度合いを食物別に示す数値)の高い炭水化物食品と冠状動脈性心疾患の関連性が指摘されているとの記事が、4月12日に刊行されたJAMA/アーカイブス・ジャーナルの一つであるアーカイブス・オブ・メディシンに掲載された。この関連性は女性にだけ認められるようである。

その記事に掲載されている予備情報によると、炭水化物を多く摂取した場合、血中のブドウ糖値と中性脂肪と呼ばれる人体にとって有害な血中脂肪の値が上昇し、俗に「善玉コレステロール」と呼ばれる高比重リポタンパク値が下がるそうである。そしてこれにより心疾患に罹る危険性が増すのだそうだ。しかし、炭水化物を含む全ての食物にこの様な作用があるわけではない。
グリセミック指数とは、ある食物を摂取した際に起こる血中ブドウ糖値の上昇率と同量のブドウ糖又は白パンを食べた際に起こる血中ブドウ糖値の上昇率を比較し表した指数である。グリセミックロードは、摂取された食物のグリセミック指数とその食物に含まれる炭水化物の量をもとに算出される。

イタリアのミランにあるFondazione IRCCS Instituto Nazionale dei Tumoriに勤務するセビナ・シエリ博士とその同僚は、食生活に関するアンケートに参加した47,749名のイタリア人(成人男性15,171名、成人女性32,578名)を対象に調査を行った。そのアンケートの回答をもとに、参加者全体の炭水化物摂取総量、彼らが摂取した食物のグリセミック指数の平均値、そしてグリセリックロードが算出された。7年9カ月におよぶ調査期間中、463名の参加者(女性158名、男性305名)が冠状動脈性心疾患を患った。

炭水化物総摂取量が最も多かったグループ(女性全体の25%)の心疾患に罹るリスクは、炭水化物総摂取量が最も少なかったグループ(女性全体の25%)の約2倍であった。
今回のアンケート参加者が摂取した炭水化物を含む食品をグリセミック指数が高いグループと低いグループに分類すると、この指数が高いグループに属する食品の摂取量に比例して冠状動脈性心疾患のリスクが高まるという、この食品と同疾患の間に重大な関連性が認められたのだが、この指数が低いグループに属する食品と冠状動脈疾患にそのような関連性は見られなかった。「すなわち、炭水化物を含む食品の摂取量ではなく、高グリセミック指数食品群に属する食品の摂取量と冠状動脈性心疾患に罹るリスクが関連しているのである」と著者は述べている。

グリセリックロードが最も高かったグループ(女性全体の25%)の冠状動脈性心疾患に罹る危険性は、それが最も低かったグループ(女性全体の25%)の2.24倍である。

男性には、炭水化物の総摂取量、グリセミック指数、そしてグリセミックロードと心疾患の関連性は認められなかった。これは男性に比べ女性の方が、炭水化物摂取により引き起こされる血中の中性脂肪値の上昇などの変化により心疾患に罹りやすいためではないか、と著者は推察している。

「女性だけがグリセミック指数の高い食品の影響を受ける原因は、リポタンパクとブドウ糖の代謝の仕組みが男女で違う点にあると思われるのだが、男性の場合においてグリセミックロードの高い食品と冠状動脈性心疾患の間に関連性は無いと結論付けるには更なる研究が必要とされる」と締め括られている。