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2014-02-14

ソース(記事原文):アバウト.com

「うつ病」と「線維筋痛症の痛み」にクエチアピン

アバウト.com(2014年2月14日) ― エイドリアン・デルウォ(Adrienne Dellwo)著

研究のあらまし

大うつ病性障害(MDD)に線維筋痛症を併発している人に、クエチアピンXR(徐放性)が有効なことを新しい研究が示唆しています。クエチアピンの商品名は「セロクエル」「セロクエルXR」です。

研究者らが8週間の二重盲検比較試験を実施したところ、治療群はプラセボ群と比べて、うつ病、痛み、QOL(生活の質)に大幅な改善がみられました。クエチアピンの忍容性はおおむね良好だったそうです。

MDDと線維筋痛症に対するクエチアピンを調べた研究はこれが初めてなので、さらに研究を実施して、どのくらい有効なのか正しく知る必要があるでしょう。

クエチアピンとは?

クエチアピンは統合失調症や双極性障害の治療に使う薬です。また抗うつ薬との併用でMDDの治療にも使われます。線維筋痛症に対する有効性が明らかになったからといって、この病気が精神疾患ということではありません。

線維筋痛症治療としてのクエチアピンは、常識とは逆の機序で作用すると考えられています。

脳ではいろんな神経伝達物質が専用の受容体を介して、メッセージをニューロン(脳細胞)からニューロンに伝えます。神経伝達物質を鍵、受容体を鍵穴と考えてください。受容体はそれぞれ、決まった神経伝達物質だけを受け取るように形ができています。

線維筋痛症の場合は、「特定の神経伝達物質が十分にない」、「受容体が足りていない」、「受容体が正しく機能していない」のいずれかの理由で、特定の神経伝達物質の働きが弱いと考えられます。私たちが処方される神経作用薬というのは、こうした神経伝達物質の量を増やし、その時々に利用できるよう働きかけることで脳の機能を改善するものがほとんどです。たいていの抗うつ薬も同じ効果を狙っています。

一方、クエチアピンは特定の受容体の作用をブロックします。しかも、線維筋痛症にかかわる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)の受容体に起こる作用を遮断します。

ではなぜ、これら神経伝達物質の働きを低下させると良いのでしょうか?この疑問は多くの医師が抱くことと思いますが、たぶん、いずれ研究で明らかになるでしょう。そのときまで、私に言えるのは、脳は複雑な存在であり私たちはようやく理解し始めたということぐらいです。

このほかにもクエチアピンの利点と考えられるものを下に挙げます。

・鎮静作用で睡眠を改善
・不安と関係のある症状も改善
・すでに市場に出ている

もちろん、どんな治療にもマイナス面はあります。具体的には、

・起立性低血圧(起立時に血圧が下がってめまいがする症状)が起こることがありますが、線維筋痛症患者の中には使用前からこの症状がみられる人もいます。
・死に至ることがある悪性症候群、心臓障害、高血糖、永久的となりかねない随伴性の動き、体重増加を招く代謝変化など、重篤な副作用の可能性があります。
・精神疾患に使う薬ということで、線維筋痛症のイメージが悪くなったり誤解を助長したりするかもしれません。

副作用情報も含め、クエチアピンの詳しい情報はこちら(原文のリンク先)をご覧ください。

もう一度言いますが、MDDと線維筋痛症に対するクエチアピンを調べた研究はこれが初めてなので、いろいろと分かるまでは担当医の勧める薬物療法が変わることはないでしょう。


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