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2007-04-04

ソース(記事原文):BBCニュース

HIV新薬が「有望である」

HIV新薬を既存の治療と併用したところ、複数の試験において極めて有望な結果となった。

スペインの研究チームは、進行したHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染患者に対し、ダルナビルと、現在使用されている低用量の抗レトロウイルス薬リトナビルの2剤を、連結管を用いて投与した。

現行の治療は、数年後には効果不良が出始めることが多いので、新たな抗レトロウイルス薬が必要となる。

バルセロナ病院による本研究は、ランセット(医学誌)オンライン版に掲載されている。

ダルナビルは、新しいプロテアーゼ阻害薬であり、プロテアーゼ酵素の作用を阻害することでHIVの複製を止める医薬品の一種である。

患者は、現行の併用療法、もしくは現行の併用療法にダルナビルとリトナビルの1日2回投与を追加した併用療法のいずれかを受けた。

48週間後に患者の血中HIV遺伝物質(RNA)量を測定することによって、同剤が与える影響を研究者らが評価した。

その結果、RNA量が10分の1に達したのは、新薬群で61%であったのに対し、対照群では15%にすぎなかったことが見出された。

ダルナビル-リトナビル群のほぼ半数(45%)では、血中HIV RNA量が検出限界である50コピー/mL未満まで減少した。

対照群では、同コピー数に達したのは10%にすぎなかった。

免疫細胞

重要なCD4免疫系細胞数についても、新薬併用群では平均102個/μL増加したのに対し、対照群では19個/μLの増加にすぎなかった。

先行研究では、通常の併用療法でCD4数が100個/μL超増加した患者の10%未満は、3年以内にエイズ(後天性免疫不全症候群)に進行、もしくは死亡したことが示された。

一方、CD4数が25個/μL未満増加した患者の85%は、同期間内にエイズを発症、もしくは死亡した。

デトロイトにあるウェイン州立大学(Wayne State University)のロジャー・マッカーサー博士(Dr Rodger MacArthur)は、同剤の影響を十分に確立するために、さらなる研究が必要であると述べた。

その一方で、同氏は「ダルナビルは安全なうえに忍容性が良好で、多剤耐性HIVに対し極めて有効な薬であると思われることから、差し当たり、臨床現場でHIV感染患者を治療している誰もが、ダルナビルの実用化を喜んでいるだろう」と述べた。

テレンス・ヒギンズ・トラスト(Terrence Higgins Trust[HIV関連団体])のロジャー・ペボディー(Roger Pebody)氏は、「ダルナビルは、その他の薬剤に耐性があるHIV患者に対し、プラスとなる影響を与える」と語った。

ダルナビルは、一握りの新しい治療法の1つであり、既存の併用療法を用いてもHIVを抑制しきれない患者の予後を変えつつある。

「治療が前進しているのは素晴らしいことであり、これまでなら治療選択肢が著しく制限された可能性のある患者に希望を与えるものである」

情報サービスのエイズマップ(Aidsmap)編集主任であるキース・アルコーン(Keith Alcorn)氏は、「今度は、HIV患者に対する3剤または4剤の逐次併用療法について考慮し始めることが可能となり、この各療法を用いることで、続けて数年間はウイルス量が検出限界以下に達するだろう」と述べた。


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