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2014-06-02

ソース(記事原文):メッドスケープ

エストラジオールもベンラファキシンもホットフラッシュに有効

メッドスケープ(2014年6月2日) ― ラリー・ハンド(Larry Hand)

5月26日の『JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)』オンライン版に掲載された記事によると、閉経周辺期および閉経後の女性を対象に、血管運動神経症状(VMS)の治療として低用量エストラジオールと低用量ベンラファキシンをプラセボと比較する試験を行ったところ、どちらも有効で忍容性も良好であったという。

この試験結果からは、VMSのためにエストロゲンを服用したくない女性や、服用ができない女性にも別の治療選択肢があるということが言える。そしてそれは、すでに適応外処方としてよく利用されているのが現状だ。

ハーバード・メディカルスクール(Harvard Medical School)(マサチューセッツ州ボストン)にあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women's Hospital)精神科のハディン・ジョフィMD(Hadine Joffe, MD)と共同研究者らは、3群に分ける無作為化二重盲検試験を実施した。参加したのは、VMSが1日に少なくとも2回(平均8.1回/日)ある閉経周辺期・閉経後の女性339人。

研究者らは、「MsFLASH(Menopause Strategies: Finding Lasting Answers for Symptoms and Health)」ネットワークの3拠点から被験者を募集した。MsFLASHとは、国立衛生研究所(National Institutes of Health)の助成を受けて閉経関連症状の治療を検討している臨床研究ネットワークのことだ。ボストン、ペンシルベニア州フィラデルフィア、ワシントン州シアトルで2011年12月5日から2012年10月15日にかけて、40歳から62歳までの被験者が集められた。

治療満足度はエストラジオールのほうが高い

被験者は、エストラジオール治療群(0.5 mg/日、n = 97)、ベンラファキシン群(75 mg/日、n = 96)、プラセボ群(n = 146)のいずれかに無作為に割り付けられた。彼女らは8週にわたり、見た目が同じ錠剤を1日1回服用した。

研究者らは、電話によるスクリーニング、3度の来院(スクリーニング時、無作為化時、8週目)、2度の電話による評価(1週目、4週目)の際にデータを収集した。被験者はベースライン時と8週目に質問表への記入を行い、また無作為化前の3週間と試験期間(8週)にわたって、VMSおよび膣出血のパターンを日誌に1日2回記録した。

全体で、投薬スケジュールを遵守したのは339人中319人、また8週目に記入漏れのない日誌を提出したのは318人であり、割合にするとどちらも約94%であった。

試験の結果、平均のVMS頻度がエストラジオール群では52.9%低下して3.9回/日となり(95%信頼区間[CI]:2.9~4.9)、ベンラファキシン群では47.6%低下して4.4回/日(95% CI:3.5~5.3)、プラセボ群では28.6%低下して5.5回/日(95% CI:4.7~6.3)となったことが分かった。

プラセボと比較すると、エストラジオールのほうがVMS頻度を2.3回/日減少させており(P < .001)、ベンラファキシンのほうが1.8回/日減少させていた(P = .005)。エストラジオールとベンラファキシンの比較では、エストラジオールのほうがVMSを0.6回/日減少させており、統計モデリングを行うと15.2%の減少ということになる、と研究者らは述べている。

治療満足度も調べており、319人のうちエストラジオール群で治療に満足したのは70.3%、ベンラファキシン群では51.1%、プラセボ群では38.4%だった。この満足について、エストラジオール群とプラセボ群の差は統計的に有意であったが(P < .001)、ベンラファキシン群とプラセボ群との差はそうではなかった(P = .06)。

有害事象を考慮すべき

有害事象のために治療を中止したのは計11人(3.2%)で、エストラジオール群4例、ベンラファキシン群5例、プラセボ群2例であった。最も報告が多かった有害事象は、エストラジオール群では不眠、ベンラファキシン群とプラセボ群では疲労だった。試験期間中に3例が自殺念慮を報告しており、割合にするとエストラジオール群2.5%、プラセボ群0.7%となり、ベンラファキシン群にはいなかった。

低用量SNRIの有効性に関して言うと、今回の知見はこれまでのプラセボ比較試験の結果を拡大適用するものだ、と研究者らは述べている。また被験者集団は人種的に多様であった(3分の1が黒人)。

また、「治療の決定は女性一人一人に対し各薬剤のリスクを比較検討して行い、その女性が持つ危険因子や、治療選択肢についての個人的な好みを考慮すべきである」と、結論付けている。

より多くの選択肢

「女性によっては、ある医薬品のほうが他のものよりいい、ということがあります」。オハイオ州、クリーブランド・クリニックの「女性の健康専門センター(Cleveland Clinic Center for Specialized Women's Health)」で婦人科医を務め、北米閉経学会(North American Menopause Society)のエグゼクティブ・ディレクターでもあるマージェリー・ギャスMD(Margery Gass, MD)は『メドスケープ・メディカルニュース(Medscape Medical News)』にこう語った。

「この試験結果を受けて、女性も医師もベンラファキシンを使うケースが増えていくかもしれません。この薬はエストロゲンに劣らずプラセボより優れることを証明しているのですから、これは良いニュースです。ホルモン療法を利用したくない女性や、健康上の理由から利用できない女性にとってベンラファキシンは優れた選択肢になるでしょう」。

またギャス博士は、米食品医薬品局(US Food and Drug Administration)が昨年、SSRIのパロキセチンをホットフラッシュの治療薬として承認したことを指摘した。「ホットフラッシュ治療としてのパロキセチンは、うつ病治療の場合よりも低用量で承認されました。この薬は女性にとって、ホルモン療法に加わるもう1つの優れた選択肢となっています。以前から血管運動神経症状にはSSRIやSNRIが有効という報告があるので、医師たちは早くから、他のSSRIやSNRIと同様にベンラファキシンも適応外処方しているのが現状です」。

この研究は、国立老化研究所(National Institute on Aging)の支援を受けた。ジョフィ博士は、国立衛生研究所およびセファロン・テバ社(Cephalon/Teva)から研究支援を受けていることと、ノーベン社(Noven)のコンサルタントをしていることを報告した。他の共同研究者らの報告は、以下のとおり。アムジェン社(Amgen)およびバイエル ヘルスケア社(Bayer HealthCare Pharmaceuticals)のコンサルタントをしており、マサチューセッツ大学アウトカム研究センター(University of Massachusetts Center for Outcomes Research)から研究助成を受けている;国立衛生研究所、アストラゼネカ社(Astra-Zeneca Pharmaceuticals)、バイエル ヘルスケア社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(Bristol-Myers Squibb)、セファロン社、フォレスト・ラボラトリーズ社(Forest Laboratories)、グラクソ・スミスクライン社(GlaxoSmithKline)、ヤンセンファーマ社(Ortho-McNeil Janssen)、ファイザー社(Pfizer)、サノビオン社(Sunovion Pharmaceuticals)、国立精神衛生研究所(National Institute of Mental Health)、大塚製薬(Otsuka Pharmaceuticals)、フォレスト・ラボラトリーズ社、バイオノボ社(Bionovo)、ザノダイン社(Xanodyne Pharmaceuticals)、国立老化研究所から研究支援を受けている;メルク社(Merck Sharpe & Dohme)のデータモニタリング委員会のコンサルタントとして金銭的報酬を受け取っている;外陰膣萎縮の研究関係のコンサルティング業務に対し、ニューイングランド研究所(New England Research Institutes)から金銭的報酬を受け取っている;ファイザー社顧問会議からコンサルティング業務の金銭的報酬を受け取っている;『ウーマン・アンド・ヘルス(Women and Health)』第2版の編集者として印税を受け取っている;ノーベン社およびパムラボ社(PamLab)からコンサルティング業務の金銭的報酬を受け取っている。ギャス博士は、関連のある金銭的関係はないと発表した。


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