ボトックス(A型ボツリヌス毒素)100IU

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神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を抑制する筋肉弛緩剤!脳の中枢神経障害が原因で起こる筋肉の異常収縮であるれん縮の症状を改善します!ただしシワの改善に関する適応はありません!
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Botox (Botulinum Toxin Type A) - 100IU (1 vial)

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有効成分

A型ボツリヌス毒素(Botulinum Toxin Type A)

 

製造国

トルコ

 

製造元

Allergan Pty. Limited

 

使用量

下記の使用量はあくまでも目安です。
実際の使用は所定の研修、及びボトックス使用の認定を受けた医師のもとで使用するようにしてください。

●眼瞼けいれん
通常、成人は初回1.25-2.5単位/部位を、1眼あたり眼輪筋6部位の筋肉内に注射します。また眼輪筋切除施行後の人が使用する場合には、筋電計を使用して注意深く目標とする部位を同定してください。ただし2カ月以内の再使用は避けてください。また再使用は初回使用量の2倍までの用量を用いることができますが、ボトックス100IUの薬理作用である筋まひ作用が予想以上に強く現れた場合には、再使用時の用量を適宜減量してください。また1ヵ月内に累積で45単位を超える使用は避けてください。

●片側顔面けいれん
通常、成人は以下の用量をけいれん筋*に筋肉内注射します。けいれん筋が複数ある場合は、分割して使用してください。
・初回仕様の場合には合計で10単位を使用します。
・初回使用後4週間観察し、効果が不充分な場合にはさらに追加で合計20単位を上限として使用することができます。
・症状再発の場合には、合計で30単位を上限として再使用することができます。ただし2ヵ月以内の再使用は避けてください。
*けいれん筋: 眼輪筋、皺眉筋、前頭筋、口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋、笑筋、広頚筋、オトガイ筋など

●けい性斜頚
通常、成人は以下の用量を緊張筋*に筋肉内注射します。緊張筋が複数ある場合は、分割して使用してください。
・初回使用の場合には合計で30-60単位を使用します。
・初回使用後4週間観察し、効果が不充分な場合にはさらに追加で合計180単位を上限として使用することができます。
・症状再発の場合には、合計で240単位を上限として再使用することができます。ただし2ヵ月以内の再使用は避けてください。
*緊張筋: 胸鎖乳突筋、僧帽筋、板状筋、斜角筋、僧帽筋前縁、肩甲挙筋、傍脊柱筋、広頚筋など

●上肢けい縮
通常、成人は複数の緊張筋*に合計240単位を分割して筋肉内注射します。1回あたりの最大使用量は240単位ですが、対象となる緊張筋の種類や数により、使用量は必要最小限となるよう適宜減量してください。また再使用は前回の効果が減弱した場合に可能ですが、3ヵ月以内の再使用は避けてください。
*緊張筋: 橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋など

●下肢けい縮
通常、成人は複数の緊張筋*に合計300単位を分割して筋肉内注射します。1回あたりの最大使用量は300単位ですが、対象となる緊張筋の種類や数により、使用量は必要最小限となるよう適宜減量してください。また再使用は前回の効果が減弱した場合に可能ですが、3ヵ月以内の再使用は避けてください。
*緊張筋: 腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋など

●2歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足
2歳以上の小児には、4単位/kgを、罹患している腓腹筋の内側頭・外側頭のそれぞれ2ヵ所に筋肉内注射します。両下肢に使用する場合は、4単位/kgを両肢に分割して使用します。初回使用以後、効果不充分な場合にはヒラメ筋、後脛骨筋などへ使用することができます。なお、症状に応じて適宜増減することができます。ただし1回の総使用量は200単位を超えないこととし、再使用は前回の効果が消失した場合に可能ですが、3ヵ月以内の再使用は避けてください。

●重度の原発性腋窩多汗症
通常、成人は片腋窩あたり50単位を、複数の部位(10-15ヵ所)に1-2cm間隔で皮内使用します。再使用は前回の効果が減弱した場合に可能ですが、4ヵ月以内の再使用は避けてください。

 

商品詳細

ボトックス100IUは、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、れん性傾頚、上肢けい縮、下肢けい縮、2歳以上の小児脳性まひの人における下肢けい縮に伴う尖足など、筋肉が異常な収縮をすることで正常な状態を維持できない症状を治療するほか、わきの下に多量の汗をかく重度の原発性腋窩多汗症の治療にも使用される筋弛緩剤です。なおボトックスは美容目的でも使用されていますが、眉間の表情しわなどに対するボトックス100IUの適応はありません。また、上記以外の適応には安全性が確立していないので絶対に使用しないでください。

ボツリヌス菌はハムやソーセージ、缶詰などへの混入によって食中毒を起こす毒素型食中毒原因菌で、この菌が産生したたんぱく質をボツリヌス毒素と呼びます。抗原性の違いによりAからG型までの7型に分類され、このうち人間に対して食中毒を引き起こすのはA、B、E、F型です。AおよびB型は芽胞の形で土壌中に分布し、またE型は海底や湖沼に分布するため魚と関係が深いようです。
ボツリヌスの毒性は極めて強く、自然界に存在する毒素としては最も強力であるとされています。ボツリヌス毒素が全身に分布すると、筋肉と運動神経の接続が断たれて全身の筋肉が弛緩し、特に呼吸器の筋肉を弛緩させた場合には呼吸ができなくなるため、最悪の場合は死に至ります。その死亡率はA型では75%前後とも言われています。

けい縮は、脳卒中、脳性麻痺、頭部外傷、脊髄損傷など脳の中枢神経障害が原因で起こる筋緊張異常です。上肢においては曲げる筋肉に、下肢においては伸ばす筋肉に多く現れ、動かす速度に依存して筋肉の緊張が亢進します。また動かそうとする筋とそれを妨げる作用の筋が同時に収縮する共収縮が起こるために動きのコントロールができなくなり、歩行や運動が妨げられ、さらにこの状態が長く続くと筋肉が固まって関節が屈折したままになることもあります。

神経系に働きかけてこれらの症状を改善する薬剤がボトックス100IUです。
運動神経の末端は筋肉に密着していますが、筋肉細胞と神経細胞との間にはわずかな間隙があります。神経細胞からこの間隙に神経伝達物質であるアセチルコリンが放出されることにより、アセチルコリンが筋肉細胞の受容体に結びついて刺激を伝導し、筋肉の収縮を起こします。しかしボトックス100IUの有効成分であるA型ボツリヌス毒素は、神経筋接合部で神経終末に作用してアセチルコリンの放出を抑制するため、その結果としてアセチルコリンを介した筋収縮が阻害されることで筋肉の弛緩を起こし、けい縮の症状を緩和させます。

ボツリヌス菌は、現在知られている自然界の毒素の中では最強の毒力があると言われています。しかし、医療用に開発されたA型ボツリヌス毒素の作用は末梢性に限られ、全身に作用することはありません。またA型ボツリヌス毒素はアセチルコリンによる運動神経と筋肉の連絡を断ち切るため、この機能が回復するまでには数ヵ月かかりますが、これがボトックス100IUの使用によりその効果が長期間持続する理由です。さらにA型ボツリヌス毒素は神経と汗腺の接合部におけるアセチルコリン放出も阻害し、発汗を抑制する作用があることから、多汗症の治療にも用いられます。

なお、2009年1月、「65歳未満の成人における眉間の表情じわ」を効能・効果として、A型ボツリヌス毒素製剤が国内でも承認されました。作用機序としては「眉間の表情じわ」を形成する表情筋である皺眉筋および鼻根筋に注射することによって、筋肉の収縮を抑制し、一定期間「眉間の表情じわ」を改善するものです。

ただし、ボトックス100IUにはその適応はありません。定められた用法以外には絶対に使用しないでください。

 

他の商品との比較

局所的な神経筋伝達阻害作用により筋肉を弛緩させるため、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、けい性斜頸、上肢けい縮、下肢けい縮および2 歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足に有用です。またコリン作動性神経および汗腺の接合部において、神経伝達阻害作用により発汗を抑制するため、重度の原発性腋窩多汗症にも有用です。

眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、けい性斜頸、上肢けい縮、下肢けい縮および2 歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足に対する効果は通常3-4 ヵ月、重度の原発性腋窩多汗症に対する効果は通常4-9 ヵ月持続する。

神経と筋・汗腺の接合部における伝達阻害作用は可逆的で、時間経過とともに回復します。

A型ボツリヌス毒素を有効成分とする薬剤は、日本ではボトックス(アラガン・ジャパン、グラクソ・スミスクライン)の名前で発売されています。

海外ではBotox、Dysportなどの名前で発売されています。

なお、美容領域で使用されているものは注用単位が50単にであるボトックス・ビスタという別商品となります。

 

特別な注意

以下の場合、ボトックス100IUを絶対に使用しないでください。
・全身性の神経筋結合部の障害を持つ人(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋委縮性側索硬化症など): A型ボツリヌス毒素は筋弛緩作用を有するため、病態を悪化させる可能性があります。
・けい性斜頚においては、高度の呼吸機能障害のある人: A型ボツリヌス毒素の使用により、病態を悪化させる可能性があります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人                           
・ボトックス100IUの成分に対し過敏症の既往歴のある人

【警告】
・ボトックス100IUの有効成分は、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素であるため、使用上の注意を熟読した上で、用法および用量を厳守し、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、けい性斜頚、上肢けいれん、下肢けいれん、2歳以上の小児脳性まひの人における下肢けいれんに伴う尖足および重度の原発性腋窩多汗症以外には使用しないでください: ミオクローヌス性ジストニーおよび内転型のれん縮性発声障害の人で、A型ボツリヌス毒素による治療中に因果関係を否定できない死亡例の報告があります。
・眼瞼けいれん、片側顔面けいれんおよび重度の原発性腋窩多汗症に対する使用は、講習を受けた医師で、A型ボツリヌス毒素の安全性および有効性を充分理解し、A型ボツリヌス毒素の施注手技に関する充分な知識・経験のある医師が行なってください。
・けい性斜頚、上肢けい縮、下肢けい縮および2歳以上の小児脳性まひの人における下肢けい縮に伴う尖足に対する使用は、講習を受けた医師で、A型ボツリヌス毒素の安全性および有効性を充分理解し、高度な解剖学的知識、筋電図測定技術およびA型ボツリヌス毒素の施注手技に関する充分な知識・経験のある医師が行なってください: A型ボツリヌス毒素による治療中に因果関係を否定できない死亡例の報告があります。また、けい性斜頚および上肢けい縮の人では、特に呼吸障害、嚥下障害など頚部関連筋に関する副作用が現れるおそれがあります。
・頚部関連筋への使用により、呼吸困難が現れることがあります: 嚥下障害から嚥下性肺炎を引き起こし、また使用部近位への拡散により呼吸機能低下に至ったとする報告があります。
・眼瞼けいれんの人に、1回使用量として100単位を使用し、使用筋以外の遠隔筋に対する影響と考えられる呼吸困難および筋無力症が発現したという報告があります。

【慎重使用】
・筋弛緩剤および筋弛緩作用を有する薬剤を使用中の人: 筋弛緩作用が増強されることが、また嚥下障害の発現が高まるおそれがある。
・慢性の呼吸器障害のある人: A型ボツリヌス毒素の使用により、病態を悪化させる可能性があります。
・重篤な筋力低下あるいは委縮がある人: A型ボツリヌス毒素の使用により、症状を悪化させる可能性があります。
・閉塞隅角緑内障のある人またはその素因(狭隅角など)のある人: A型ボツリヌス毒素はアセチルコリンの放出抑制作用を有するため、症状を悪化させる可能性があります。
・高齢者

【重要な基本的注意】
・A型ボツリヌス毒素は眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、れん性傾頚、上肢けい縮、下肢けい縮、2歳以上の小児脳性まひの人における下肢けい縮に伴う尖足および重度の原発性腋窩多汗症の適応のみに使用する製剤のため、眉間の表情しわに対しては、ボトックスIU50単位を用い添付文書を熟読して使用してください。これら以外の適応には安全性が確立していないので絶対使用しないでください。
・A型ボツリヌス毒素の使用に際しては、次の事項について文書を用いてよく理解してください。

  1. ボトックス100IUの有効成分は、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素です。
  2. A型ボツリヌス毒素の使用は対症療法であり、その効果は眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、けい性斜頚、上肢けい縮、下肢けい縮および2歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足では通常3-4ヵ月、重度の原発性腋窩多汗症では通所4-9ヵ月で消失し、使用を繰り返す必要があります。
  3. A型ボツリヌス毒素の使用を長期間繰り返した場合、中和抗体の産生により効果が認められなくなることがあります。
  4. 日常生活を制限されていた人は、A型ボツリヌス毒素の使用後、過度の筋収縮を伴う労作を避け、活動を徐々に再開してください。
  5. けい性斜頚に対するA型ボツリヌス毒素の、特に初回および2回目の使用後1-2週間は、嚥下障害、声質の変化、息苦しいなどの発現に留意するとともに、発現が認められた場合には、ただちに専門医の診療を受けてください。
  6. けい性斜頚に対するA型ボツリヌス毒素の使用後、姿勢の変化により今まで緊張していなかった筋が緊張することがあります。
  7. A型ボツリヌス毒素の使用後、3-4ヵ月の間に呼吸困難、脱力感などの体調の変化が現れた場合には、ただちに医師に申し出てください。
  8. 妊娠する可能性のある人は、使用中および最終使用後2回の月経を経るまでは避妊してください。
  9. 男性は、使用中および最終使用後少なくとも3ヵ月は避妊してください。
  10. 上肢けい縮および下肢けい縮の人は、A型ボツリヌス毒素の使用に伴う活動性の上昇や筋力バランスの変化により、転倒などが起こりやすくなる可能性があります。
  11. ほかの医療施設でボツリヌス毒素の使用を受けている場合には、治療対象疾患および使用日を必ず申し出てください。

・A型ボツリヌス毒素の使用後、抗体が産生されることにより耐性が生じる可能性があります。効果の減弱がみられる場合には、抗体検査を実施してください。抗体産生がみられない場合は、追加使用することができます。抗体が産生された場合には、使用を中止してください。
・A型ボツリヌス毒素を眼輪筋に使用する場合は、以下の点に注意してください。

  1. 使用ごとに視力検査を実施することが望ましいとされています。
  2. 眼科的観察を併せて実施し、特に眼球を障害しないように眼球の保護に充分注意してください。また経過観察を充分に行ない、眼科的異常が現れた場合には、ただちに精密検査を受けてください。

・A型ボツリヌス毒素の眼瞼深部への使用により、A型ボツリヌス毒素が眼筋に作用することによって複視が現れることがあるので、使用部位に充分注意し、慎重に使用してください。
・A型ボツリヌス毒素は、低用量でも閉瞼不全などの副作用発現がみられることがあるので、観察を充分に行ないながら慎重に使用してください。
・ボツリヌス毒素の使用により、使用部位以外の遠隔筋に対する影響と考えられる副作用が現れることがあり、嚥下障害、肺炎、重度の衰弱などに伴う死亡例も報告されています。神経学的障害のある人(嚥下困難などを有する人、脳性まひなど重度の障害を有する小児、けい縮の人)では、この副作用のリスクが増加するため特に注意してください。
・A型ボツリヌス毒素の使用後、脱力感、筋力低下、めまい、視力低下が現れることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機A型ボツリヌス毒素の械を操作する際には注意してください。
・A型ボツリヌス毒素はできるだけ少量から使用を開始することが望ましいとされています。なお、疾患の重症度に応じて高用量を使用しても効果は期待できない場合があります。

【効能・効果に関連する使用上の注意】
・A型ボツリヌス毒素を上肢けい縮、下肢けい縮および2歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足に対して使用する場合は、以下の点に注意してください。

  1. A型ボツリヌス毒素は理学療法、作業療法などの標準治療の代替とはならないため、これらの治療と併用して使用してください。
  2. A型ボツリヌス毒素は非可逆的な拘縮状態となった関節の可動城の改善に対しては効果を有しません。
  3. 上肢けい縮、下肢けい縮については、けい縮の原因となる疾患の診断および治療を併せて行なってください。

・原発性腋窩多汗症の診断およびA型ボツリヌス毒素による治療は、国内外のガイドラインなどの情報を参考にして慎重に行なってください。

【用法・用量に関連する使用上の注意】
・複数の適応にA型ボツリヌス毒素を同時使用した場合の安全性は確立されていないため、複数の適応にA型ボツリヌス毒素を同時に使用しないことが望ましいとされています。やむを得ず同時に使用する場合には、それぞれの効能・効果で規定されている使用量の上限および使用間隔を厳守するとともに、3ヵ月間のA型ボツリヌス毒素の累積使用量として360単位を上限とします: 海外臨床試験において、成人を対象に上肢けい縮および下肢けい縮に合計360単位を同時に使用した経験はありますが、国内臨床試験では複数の適応に使用した経験はありません。
・A型ボツリヌス毒素の力値(単位)は、A型ボツリヌス毒素製剤特有のもので、B型ボツリヌス毒素製剤とは異なること、また換算もできないことに留意し、必ずA型ボツリヌス毒素の使用量を慎重に確認してから使用してください。
・A型ボツリヌス毒素とほかのボツリヌス毒素製剤の同時使用は原則として避けてください: A型ボツリヌス毒素とほかのボツリヌス毒素製剤を同時使用した経験はなく、安全性および有効性は確立しておらず、同時に使用した場合には、神経筋接合部のまひなどが増強し、呼吸困難、嚥下障害などの重篤な副作用が発現するおそれがあります。
・ほかのボツリヌス毒素製剤の使用後にA型ボツリヌス毒素を使用する場合には、少なくともほかのボツリヌス毒素製剤の用法・用量で規定されている使用間隔をあけるとともに、症状を充分に観察した上で、効果が消失し、安全性上の問題がないと判断された場合にのみ使用してください: ほかのボツリヌス毒素製剤の使用後にA型ボツリヌス毒素を使用した場合の安全性および有効性は確立されていません。先に使用されたほかのボツリヌス毒素の効果が消失する前にA型ボツリヌス毒素を使用した場合には、神経筋接合部のまひなどが増強し、呼吸困難、嚥下障害などの重篤な副作用が発現するおそれがあります。

眼瞼けいれん:
眼瞼下垂が現れることがあるので、上眼瞼挙筋周囲への使用は避けてください。
片側顔面けいれん:
1)片側顔面けいれんでけいれん筋の同定が困難な場合には、筋電計を用いて注意深く目標とする部位を同定してください。
2)片側顔面けいれんの人は、筋ごとの適切な部位および使用量に留意し、けいれんしている筋肉内に注射してください: 臨床成績などから、以下のような使用部位および使用量が推奨されています。

 

使用先筋

1部位当たりの使用(単位/部位)

使用部位数
(部位)

初回使用

眼輪筋

1.25

4

その他の筋

けいれん筋に眼輪筋と合わせて合計10単位を分割使用

初回使用後の追加使用および再使用

眼輪筋

2.5*

4

皺眉筋

2.5

1

前頭筋

2.5

1

口輪筋

2.5

2

大頬骨筋

5.0

1

小頬骨筋

5.0

1

笑筋

5.0

1

オトガイ筋

5.0

1

広頚筋**

2.5

上限4

*: 臨床試験では、追加使用および再使用時に眼輪筋に対して1部位当たり5単位まで使用された症例があります。なお眼輪筋に対して2.5単位を超えて使用する場合には、特に副作用の発現に留意しながら慎重に使用してください。
**: 広頚筋に対しては筋緊張によりスジ状として隆起している部位に使用します。なお、薄い皮筋であるため穿通しないように注意してください。
けい性斜頚
・けい性斜頚で緊張筋が深部であるなど、触診で筋長筋の同定が困難な場合には、筋電計を用いて注意深く目標とする部位を同定してください。
・使用する効果が認められない場合には、用量および使用部位について再検討した上で追加使用してください。
・けい性斜頚では、初回および初回ごの追加使用を含む240単位までの使用によりまったく効果が認められない場合は、より高難度・高使用量で使用を行なっても効果が期待できない場合があるため、A型ボツリヌス毒素の使用中止を考慮してください。
・けい性斜頚の人は、筋ごとの適切な部位および使用量に留意し、注射します: 臨床成績などから、以下のような使用部位および使用量が推奨されています。


使用先筋

初回使用量***、使用部位数

最高使用量****

胸鎖乳突筋*

15-50単位を2ヵ所以上に分割

100単位

僧帽筋

30-60単位を2ヵ所以上に分割

100単位

板状筋

25-50単位を2ヵ所以上に分割

100単位

斜角筋

15-25単位

50単位

僧帽筋前縁

15-30単位

100単位

肩甲挙筋**

20-30単位

80単位

傍脊柱筋

20単位

50単位

広頚筋

20-30単位

80単位

*: 胸鎖乳突筋に使用する場合は、嚥下障害発現のリスクを軽減するため、両側への使用を避けてください。
**: 肩甲挙筋に使用する場合は、嚥下障害および呼吸器感染のリスクが増大する可能性があるので注意してください。
***: 各筋に対し、初めて使用する場合hの使用量を示します。
****: 各使用部位への使用量は30単位を上限としてください。
上肢けい縮
・上肢けい縮で筋長筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーターなどを用いて注意深く目標とする部位を固定してください。
・上肢けい縮の人には、筋ごとの適切な部位および使用量に留意してください: 臨床試験の成績などから、以下のような使用先筋、使用量および使用部位数が推奨されています。


使用先筋

使用量(単位/筋)

使用部位数(部位/筋)

橈側手根屈筋

50

1

尺側手根屈筋

50

1

深指屈筋

50

1

浅指屈筋

50

1

長母指屈筋

20

1

母指内転筋

20

1

下肢けい縮:
・下肢けい縮で筋長筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーターなどを用いて注意深く目標とする部位を同定してください。
・下肢けい縮筋の人は、筋ごとの適切な部位および使用量に留意してください: 臨床成績などから、以下のような使用先筋、使用量および使用部位数が推奨されています。


使用先筋

使用量(単位/部位)

使用部位数(部位/筋)

腓腹筋(内側頭)

75

3

腓腹筋(外側頭)

75

3

ヒラメ筋

75

3

後脛骨筋

75

3

2歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足:
・小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーターなどを用いて注意深く目標とする部位を同定してください。
・小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足は、筋ごとの適切な部位および使用量に留意し、注射してください。
重度の原発性腋窩多汗症:
・使用前にMinor’sヨウ素デンプン反応などの染色法を使用して目標とする発汗部位を同定してください。
・原発性腋窩多汗症の人は、注射針は針先端の斜め部分を上にして、皮膚表面に対し45度の角度で2mmの深さへの皮内注射が推奨されています。また効果のない部分を最小限にとどめるため、注射位置を下図のように等間隔でジグザグ状に配置することが推奨されています。

【適用上の注意】
・使用部位
用法および用量に示すとおり、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、けい性斜頚、上肢けい縮、下肢けい縮および2歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足の適応で使用する場合は、適用部位の筋肉内にのみ注射してください。特に、眼輪筋切除術施工後の人に使用する場合はより正確に目標とする部位を同定するため、必ず筋電計を用いて筋活動電位を確認してください。また重度の原発性腋窩多汗症の適応で使用する場合は、皮内にのみ注射してください。
・調整方法

  1. ボトックス100IUの1バイアルは生理食塩液を用いて溶解してください。

 

溶解液の量(生理食塩液)

溶解後のボツリヌス毒素濃度

100単位

1.0mL

10.0単位/0.1mL

2.0mL

5.0単位/0.1mL

4.0mL

2.5単位/0.1mL

8.0mL

1.25単位/0.1mL

バイアルの陰圧が保たれていない場合は使用しないでください。そのバイアルに0.5%次亜鉛素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密封可能な廃棄袋または箱に廃棄してください。

  1. 変性するので、泡立ちや激しい撹拌を避けてください。
  2. 保存剤を含んでいないので、調整後は速やかに使用してください。なお調整後は冷凍しないでください。

・廃棄時
処置後、残った薬液は0.5%次亜鉛素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密封可能な廃棄袋または箱に廃棄してください。また薬液の触れた器具などは同様に0.5%次亜鉛素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密封可能な廃棄袋または箱に廃棄してください。
・汚染時

  1. A型ボツリヌス毒素が飛散した場合はすべて拭き取ってください。

・溶解前の場合は、0.5%次亜鉛素酸ナトリウム溶液をしみ込ませた吸収性素材で拭き、乾かしてください。
・溶解後の場合は、吸収性素材で拭き取った後に、0.5%次亜鉛素酸ナトリウム溶液で拭き、乾かしてください。

  1. A型ボツリヌス毒素が皮膚に付着した場合は、0.5%次亜鉛素酸ナトリウム溶液で5分洗い、水で洗い流してください。
  2. A型ボツリヌス毒素が眼に入った場合は、水で洗い流してください。

【その他の注意】
・因果関係は不明ですが、A型ボツリヌス毒素使用後に不整脈、心筋梗塞などの心血管系障害が現れることがあり、致命的な転帰に至る例も報告されています。これらの症例には、心臓疾患などの危険因子を有していた症例も多く含まれていました。
・外国において、因果関係が明らかではないものの、A型ボツリヌス毒素による治療中に視神経委縮が生じ、視力が低下した症例の報告があるので、A型ボツリヌス毒素使用時に視力検査を実施することが望ましいとされています。
・外国において、妊娠初期にA型ボツリヌス毒素500単位を使用した人で、胎児の死亡が報告されています。

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、少量から使用を開始するなど状態を観察しながら慎重に使用してください。

妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人は使用しないでください。

2歳以上の小児脳性まひにおける下肢けい縮に伴う尖足以外の適応では、小児に対する安全性は確立していません。小児においてA型ボツリヌス毒素による治療中に死亡例が報告されており、その中には重度の神経筋疾患、嚥下困難、嚥下性肺炎、けいれん発作、心臓疾患などの危険因子を有する症例も認められました。四肢まひの人、経管栄養補給を受けている人または嚥下性肺炎や肺疾患の既往を有する人など、重度の障害を有する小児に使用する場合には、観察を充分に行なってください。

 

他の薬との併用

以下の薬剤とボトックス100IUを併用する場合、注意してください。
・筋弛緩剤(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、ダントロレンナトリウム水和物など): 閉瞼不全、頚部筋脱力などの過剰な筋弛緩が現れるおそれがあります。また嚥下障害の発現が高まるおそれがあります。
・筋弛緩作用を有する薬剤(スペクチノマイシン塩酸塩水和物、アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン硫酸塩、フラジオマイシン硫酸塩など)、プリペプチド系抗生物質(ポリミキシンB硫酸塩など)、テトラサイクリン系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、抗けいれん剤(バクロフェンなど)、抗コリン剤(ブチルスコポラミン臭化物、トリヘキシフェニジル塩酸塩など)、ベンゾジアゼピン系薬剤および類薬(ジアゼパム、エチゾラムなど)、ベンザミド系薬剤(チアプリド塩酸塩、スリピリドなど)): 閉瞼不全、頚部筋脱力などの過剰な筋弛緩が現れるおそれがあります。また嚥下障害の発現が高まるおそれがあります。
・ほかのボツリヌス毒素製剤: 過剰な筋弛緩が現れることがあり、呼吸困難、嚥下障害などを発現するリスクが高まるおそれがあるため、ボトックス100IUとほかのボツリヌス毒素製剤との同時使用は原則として避けてください。

 

誤って大量に服用した場合

医師の診断を受けてください。

 

服用し忘れた場合

医師の指示に従ってください。

 

副作用

ボトックス100IUを使用した場合、以下の副作用が起こることがあります。

●主な副作用
兎目、閉瞼不全、局所性筋力低下(頚部筋脱力、口角下垂など)、眼瞼下垂、顔面まひ、眼瞼外反、流涙、眼の乾燥感、複視、角膜びらん、霧視(感)、角膜炎、結膜炎、眼痛、視力低下、眼ヤニ、羞明、眼の刺激、斜視、発疹、そう痒感、多形紅斑、脱毛(まつ毛、まゆげ脱落を含む)、皮膚炎、乾癬様皮膚斑状の異臭、皮下結節、注射部腫脹、注射部出血斑、注射部疼痛、注射部ひきつり感、近隣筋の疼痛および緊張亢進、注射部熱感、注射部不快感、注射部感染、注射部位過敏反応、気胸、白血球減少、血小板減少、食欲不振、嘔気、嘔吐、口内乾燥、下痢、腹痛、頭痛、感覚鈍麻、めまい、失神、感覚異常、傾眠、神経根障害、腹痛、不器用、運動低下、筋緊張亢進、筋痛、四肢痛、筋けい縮、関節痛、弾発指、滑液包炎、倦怠(感)、肝機能検査値異常、脱力(感)、CK(CPK)上昇、発熱、発汗、感冒様症状、肺炎、耳鳴、呼吸不全、構語障害、頻尿、店頭、挫傷、歩行障害、ほてり、聴力低下、ウイルス感染、耳感染、尿失禁、関節脱臼、起立性低血圧、脱神経性委縮、筋肉萎縮

●極稀に起こる重篤な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状、血清病、重篤な角膜露出、地蔵性上皮欠損、角膜潰瘍、角膜穿孔、嚥下障害、呼吸障害、けいれん発作

 

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